◆内乱
装甲車の中では貴具が騒いでいた。
「御堂の師匠、チームを離れて俺だけで奴らを追ってもいいでしょうか」
「侃、こらえるのじゃ、今はハルト殿の指示を街行動するべきである」
「貴具くん、私情をあまり挟まず今は協力してくれんかな、それに従えんなら戻ってもらうしかないぞ」
舎利弗の叱咤に口を紡ぐ貴具であったがカグヤは
「彼の思うように動いてもらっても構わないですわ。それが秩序を乱すものだとしても」
「どういうことカグヤ!チームは必要ないってこと」
晴海がたまらず反論した。
「誰も秘める心のうちを押さえる必要はないわ、あなたも両親を追うことがなぜできないの、なれ合いに身を任せることがあなたの本心なの」
心のうちを見透かされたよなカグヤの言葉に声をなくす晴海
「カグヤ君、君の本意は何なんだ。チームを分断化するような考えの理由を教えてくれ」
「舎利弗本部長、アスタロトは一筋縄で何とかなる相手じゃないことは宝蔵院氏の報告でお分かりかと思いますが私はこの方針に賛同できないのです」
カグヤの発言に舎利弗も困り果てていた。すると久遠がカグヤの方を向いて
「自分だけが正しいと思い過ぎてるんじゃないかなカグヤさんは、もし君が正しいとしたらアスタロトやベルベゼルを崇めるやつらの進行は千年以上前に君が止めれたということだよね」
「それは・・・」
「自分だけでなとかしようとしたらことを難しくするだけだよ。困ったときは他人を頼る!僕のおばあちゃんも泣いて帰ってくる小学生の僕にいつも言い聞かせてくれたんだ。一人で解決できないことはみんなでやってみようよ」
「君は…」
カグヤは沈黙してしまった。
「カグヤさん、仲間を持つということはこんなに気持ちいものだと最近僕も思えてきたことなんだ」
「天の言うとおりだ。人を助け助けられたりすることを重ねるうちに心の安らぎを感じるものだぞ」
黙っていたカグヤが口を開きだした。
「内緒にしていたことを打ち明けよう」
一同はカグヤの方を見た。




