◎晴海リミッター解除の謎
「おかえりなさい晴ちゃん、ゆっくりおしゃべりできたミーちゃんと」
「ミーちゃん?変な略し方で呼ばないでよ」
「だってどっちも同じ晴でしょ呼びにくいわ、だからミーちゃんよ、決まり!言っといといてね」
「まったく母さんたら・・・でもさあ晴海は僕と同じ狐人族と人間のハイブリットだろ、狐火も使えるし、もっと強くなるんじゃないかなカグヤよりも」
「そうよね。モモの娘なんでしょ、モモッチはベースもうまかったけど戦闘訓練では全く歯が立たなかったんだもん。それに呪文も強力だったしその血を継いでるなら、晴ちゃんもかなわないかもね」
「それに晴海のママは呪われてヴァンパイアになってるんだよ。どうして力を使いこなせないんだろう」
「おっ晴明やっと戻ってきたか、風呂に入りに銀の湯まで行くぞ」
晴人がやってくるとそう言った。
「浴室も改装中だったね、荷物措いてくるから待ってて」
銀の湯は観光局が運営する晴人の旅館とはまた違う泉種の温泉だ。宿泊施設はない同じく金の湯といのもある。
晴明は久しぶりに父と湯につかり、先ほど母に話をしたことを相談した。
「やはりミシエルに聞くのがいいだろう。何か知っているのかもしれないな」
ぐっと肩まで湯につかった。
「あの北野の青龍さんか、父さん研究所に行く前に行ってもいいかな」
「あゝそうしよう戦力の増強は願ってもないことだからな」
司令官として晴人はそう思っていた。
一夜明け、晴人は自分の車でまず北野の神社へ向かった。
晴明は普賢菩薩の真言を唱え青龍の社に入った。
「おーい、ミシエル、俺だドーマだ」
「これはお越しいただきありがとうございます。何用でしょうか」
目の前に現れた青龍は恩のある晴人に頭を下げていた。
「あのぉ、晴海のことで相談があるんだ」
「ハルアキ様、いかなる御用件でしょうか」
「照れちゃうよ、ハルアキと言ってよ。実は晴海もっと力が出せるんじゃないかと思うんだけど青龍さん、何か心当たりはないの」
少し顔色が曇るミシエル
「やはり気が付きましたか。あの子の母のことは知っておりますな、その力をかなり濃く受け継いでいるようなのです」
「ヴァンパイアの能力だな、そうだろ」
「ええ、幼いころその力に振り回され、周りに迷惑をかけて大変だったんです。そして彼女の両親に相談されまして、私が封印を施したのです。もちろん彼女は知りえもしれません。記憶も封じ込めましたから」
「その力を開放したら晴海はどうなっちゃうの」
「今は幼い頃とは違い自我がしっかりしております故、コントロールできると思いますが彼女次第でしょう」
「父さん、僕のリミッター解除みたいだね。あの時は僕は人じゃなくなった気がしてとても不安だったんだ」
「でもお前は乗り越えた。晴海ちゃんの力になれるのはお前だけかもしれない。助けてやれ」
「ミーちゃんもあの時の晴ちゃんみたいになるの、すごいじゃない」
「母さん言うほど簡単なことじゃないよ。怖かったんだから、それでどうすればその封印は解けるの」
「あの子の父、永晴に授けた私の髭、青龍の鞭を使うのだ。彼が知っている」
「結局は彼らを探さんとどうにもならんのだな。ありがとうミシエル話してくれて、晴明行くか研究所へ」




