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◎舎利弗との密約

 カグヤは何時間もタブレットとにらめっこ状態でバッテリー切れを契機にパソコンへと向かい合っていた。キーボードもブラインドタッチができるまでに時間は要しないほど現代の機器を操れるようになっていた。

 そして、いつの間にかウェブで学習したのだろう。今の服装に着替えていた。

「彼女本当に何者なのかしら、あっという間にこの世界になじんじゃうなんて」

「実に興味深いですね。ワイバーンの戦いでも見せたあの能力、物質をほかのものへと変換する力があるようですね」

 宝蔵院はカグヤの服装を見ながら解説した。

 研究所に御堂と貴具(きぐ)がいち早く到着した。

 新たな仲間とも挨拶を終えて宝蔵院に新たに集めた情報の分析を頼むのであった。

「あのお姫様、千五百年前の陰陽師だってな、いろいろ聞いてみたいことがあるんだけどな」

 御堂はカグヤに大変興味を持ったようだ。

「今は無理ね。あの調子でパソコンで学習中だから」

「あのリザードマンのやつ、おっかなそうななりはしてるが気が弱そうだな。俺たちを見てびくついていたな」

 貴具はヨシュアを見て晴海に軽口をたたいた。

「リザードマンじゃないわよ。龍族なんだから、それに大きなドラゴンになれ

るのよ。貴具、あんたなんて踏み潰されちゃうわよ。言葉に気をつけなさい」

 晴海と貴具の関係は相変わらずだ。


 そして舎利弗(とどろき)久遠(くえん)が到着した。

「晴海様、無事お帰りでうれしいですよ」

「久太郎、おじいちゃんの面倒見てくれてありがとうね」

「礼を言われるほどのことはしてませんよ。ただ話し相手になっていただけですから」

「さあ新しい仲間を紹介してもらおうかな」

 晴海は舎利弗へカグヤ、ヨシュア、そしてリリを紹介していった。

「ところであの陰陽師の少年はどうした」

「おじ様、そのことでご相談があるんです。二人だけでお話できませんか」

 舎利弗と晴海は別室へと移動していった。


 大きな鯛の刺身には香草やナッツが添えられ、その皿に熱々の香油が注がれた。たちまちいい香りがあたりに漂った。

「うまそうだな、さあ食べよう」

 晴人が小皿に妻と息子の分を取り分けて渡した。

「紹興酒が進むわね」

「昔タウロが似たものを作ってくれたね。父さん」

「そうだな、あの時は口にできなかったがやっと食える」

 晴人も箸を進める。

「あの映画、シン・仮面の忍者よかったね。まさかバビル二世やジャイアントロボまで出てくるとは思わなかったよ」

「あの最後にギロチン大王と宇宙に消えていくシーンは泣けたな」

「どこがいいの私にはわからなかったけどイケ面の俳優ばっかりだったわね」

 研究所での会話をよそに家族の食事は進んでいた。

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