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◆使者

「なんだか不思議の雰囲気が漂い始めたね」

 北東の森へ足を踏み入れた晴明たち

「たしかにここに優曇華(うどんげ)がありそうだ。()()()、戦闘準備」

「はいカグヤさま」

 装甲化する()()()

「何か敵襲でもあるのカグヤ」

「晴海も警戒するがいい優曇華(うどんげ)の守護者がいるはずだ」

「厄介なやつがいるってことね、覚えておくわ」

 青龍の弓を召還する晴海だった。

「僕も手伝いますから、リリはこの前と同じように僕から離れるんじゃないよ」

「テンテン、わかってるよ。リリ、いつでも一緒」

「いい子だね、僕もがんばるからね」

 宝蔵院はこれからの戦いにみなが緊張した顔をしているにもかかわらずにっこり笑っていた。

「天よ、その新たなる力、私にも見せてくれ、楽しみだ」

 笑う宝蔵院を見てヤーシャもうれしそうにしていた。

「みんながんばってください。僕は何の力になれないから」

「ヨシュア、お前がいなければ優曇華(うどんげ)の実は取れないぞ。龍族が結界の地を開く鍵なんだからな」

「カグヤどういうこと」

「晴明、龍族たちが守ってきたアーティファクトなんだよ」

「僕にそんな役目なんて務まりませんよ」

 ますます小さくなるヨシュア

「何度も言ったでしょ、龍族はすごいんだから自信を持ちなさいって」

 晴海はヨシュアに発破をかけた。

 静寂の森を進む晴明たち、突然地鳴りのような音が聞こえてきた。

「くるぞ」

 カグヤが目を閉じ、印を結んだ。

「何だ、ダチョウの群れか、いや軍鶏みたいだけど」

「晴明君、バジリスクです」

 群れを成して晴明たちに近づくと取り囲むように包み込まれた。

 晴明が術を発動しようとするとカグヤがその群れの中に静かに進んでいった。

 能舞台の主役(シテ)のように舞いながら、草花を摘みながら群れの中を進み。

 その束を空に放り投げた。

「白妙の帯、拘束(リミタジオーネ)!」

 草花は白い帯へと変化しバジリスクを拘束した。

()()()!やりなさい」

 ホワイト・ラビットは次々と首をはねていく、晴明はその華麗な姿に見とれていたが戦いの終わったと思うや否や。拍手をした。

「すごいよカグヤ、禹歩(うほ)みたいだったけど美しいダンスを見ているようだよ」

「やるわねあなた」

 晴海も見とれていたが強がって言った。

「これで終わりなんですか。カグヤさん」

「天鼓、そのとおりだがこれからがヨシュアの出番だ」

 どっきとした顔のヨシュア、

「ど、どうすればよろしいのでしょうか・・・なるべく怖くない方法をお願いします」

「本当に困ったやつだな。その結界の中に入って実を取ってくるんだ。お前にしか入れない」

 見ると前のほうに光り輝くドームのようなものがあった。

 ヨシュアはびくつきながら進み目を閉じて中へと入った。

 宝蔵院も好奇心で入ろうとしたが壁にはじき返されてしまった。

「あのうカグヤさん、普通にもぎ取ればいいんですか」

「そうだ、簡単なことだ」

 ヨシュアがドームから大きな黄金の実を持ってでてきカグヤに渡した。


 そのとき、空から羽ばたく翼の音が鳴り響いた。

 空を見上げる晴明たち、ワイバーンがやってきた。

 クエスト対象であろう大きな真っ黒のワイバーンが頭上でホバリングしていた。

「ありがとうよ。その実を渡してもらおうか」

 なんとしゃべりだしたのである。

「やはり貴様か、アスタロト」

「おや、これはカグヤさまではありませんか。お久しゅうございますね」

 ワイバーンは地上に降りると真っ黒な体の龍族へと変身した。

「えっ!龍族だって、ヨシュア知ってた」

「いえ、まったく知りません」

「エヴァの息子かよくやったぞ、俺は(けが)れ中に入ることができなかったからな」

「近くで見てたんだな。ずるいぞ!」

「命だけは見逃してやろう。早くその実を渡すのだ」

 両者のにらみ合いが始まった。

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