表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
165/626

◆三角関係?

 その少女は長い紫のストレートヘアー、緑の瞳、透き通るような色白の知的な整った顔立ちであった。

「大丈夫かな、君の名前は」

 晴明が問いかけた。

 起き上がろうとする少女、上にかけていた毛布がずり落ちそうになる。あわてて晴海が掛け直した。

 しばらく思い出すかのような沈黙のあと

「カグヤ、カグヤ・カーモよ。あなたたちは」

「僕は晴明、八雲晴明です」

「私は水無瀬晴海、ところでどうしてこんな棺の中で眠っていたの」

「晴明か、そなたが目覚めさせてくれたのだな」

 晴明に身を寄せるといきなり口づけをした。

「な、なにするのよ!私の彼氏よ!私なんてまだ手をつないだくらいなのにぃ!」

 地団駄を踏んで晴明のファーストキッスをカグヤに奪われたことに我を忘れてお怒りだ。

「ちょちょっとカグヤさん・・・」

 晴明も唇をかみながら戸惑っている。

「あなたが好きよ。あなたも私を求めてるわ」

「きー!!!横取りしないでよ」

 晴明に夢中で抱きつく晴海、

「く、苦しいよ晴海、落ち着いて、カグヤも目覚めて混乱してるだけだよ。ゆっくり話を聞こうよ」

 そう言いながら押し付けられた胸の感触にどきどきして晴海をなだめ

「カグヤ、説明してくれない、どうして眠っていたの」

 晴明はカグヤの目を見つめながら言ったが、さらにどきどきしてしまった。

「私たち陰陽師の一族は ベルゼブブを倒すために生まれたの」

「お、陰陽師だって!」

「そう、このユートガルトで戦い続けていたの」

「それっていつのこと?」

 晴明はその話に驚きながら好奇心が芽生えていた。

 陰陽師という言葉も刺激的だがユートガルトという地名がこの少女の出自が今の時代ではないことに

「今がいつかわからない、相対的な時間の流れが不明だ。夜になり星々を見れば答えられるだろう」

「父さんに聞かないと詳しいことはわからないけどユートガルト言う地名は五百年前になくなっているだよ」

「つまり、私は少なくとも五百年は眠っていたということなのだな」

 カグヤは思いつめた顔して目を閉じた。

「そうよ、あなたはこの時代の人じゃないから、この時代の晴明は私のものなんだから」

 どういう理屈かわからないが晴海が主張していた。

「衣服を何とかしないと」

 カグヤがそういって印を結ぶと、一瞬かけられた毛布がばらばらと霧散すると再び集結し晴明と同じような衣服、淡いピンク色の狩衣(かりぎぬ)姿に羽衣をまとって再構成された。

「私のゴスロリ変身みたいじゃない真似しないでよ」

「まあまあ、晴海、そんなにカグヤに突っかからないでよ。でもカグヤ、もう少し透けない服にしてくれない」

 その衣装はシースルーといってもいいくらいボディラインも素肌も見えていた。

「私はこれでもかまわないがもう少し布をもらえるか」

「塗り壁君!ちょっと来て」

 塗り壁を呼び出すとミシエルにもらった体操服ジャージを取り出して

「これでも着なさいよ。晴明の目の毒だわ」

「なんだかダサいな」

 と言ってさらに印を結んで今来ている服に取り込んだ。

「よかった。目のやり場に困ってたんだよ。じゃあ話を再開しようか」

 三人は床に座って話し始めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング

↑「多くの方に読んでもらいたいです。勝手にランキングに参加していますので面白いと思ったらクリックしてもらえると嬉しく思います」

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ