◆ゴーレムの守るもの
草原地帯を抜けると小高い山へと続く道が続いていた。
「こんな小さな村のはずれの山に何があるのかしら。晴明、何かわかる」
「ゴーレムの戦闘力自体は大したことないからね。何かを隠すには目立つ行動は無意味だしさっぱり意図がわからないな」
「とりあえず人に近づいてほしくないんじゃないでしょうか」
晴明たちはそんな話をしながら歩いていた。
「いたよ。十五体だ。天鼓君、あれはやっぱりメダル由来のゴーレムかな」
「そうよ。メダルを感じるわ」
晴海が先に答えた。
「とりあえず全部沈黙させておくか」
と晴明は言うと加速で目の前から消えた。
「よし、これでオーケイ、仕上げは晴海がやってよ」
「なにをするの?」
「解呪の呪符を貼り付けたから真言唱えればいんだよ」
「わかったわ」
印を結び。
「オンキリキリバザラウンバッタ」
ゴーレムは崩れ去りそこには土くれとメダルが落ちていた。
リリが拾い集めて宝蔵院に渡した。
「さあ、先へ進んでみよう」
ゴーレムが来た方向へ進んでいくが何もなかった。
「おかしいな。何もないみたいだ。天鼓君調べてくれないかな」
宝蔵院はカバンから計測器を取り出し調べ始めた。
「わかりました。晴明君、ここはゲートポイントですね。かなりはっきりとしています。向こう側も開いているのでしょう」
「ここは教団の移動ポイントの一つということか壊しておこうか」
「ちょっと待ってください。どこへ繋がっているか確認してからにしましょう。晴明君行ったん向こうへ戻って見てください」
「わかったよ」
宝蔵院の示した場所に剣を構え
あまとぶや
かりのゆくさきしめしけれ
かのちめざしてとぶらう
空間斬
光り輝く剣を振り下ろす。そして横になぎ斬る。
白く光るゲートを開いた。
「晴明私も一緒に行くわ。久太郎に連絡したいから」
「じゃあいくよ」
二人は手をつないでゲートを抜けた。
二人が戻った場所はやはり祭壇のような場所であった。
晴明はスマホで位置を確認した。
「愛知県だよ。西へ進んだのにこちら側では東へ進んでたんだね」
晴海は電話をした。
「久太郎!ここも教団の施設みたい」
晴明のスマホを見て位置を久遠に告げた。
「晴海様、こっちに戻っているんですか」
「いったんね。元気にしてるから心配しないで、舎利弗のおじさまとお爺ちゃんにも心配いらないと伝えておいて、じゃあ戻るから」
連絡が済むと二人は再び異世界へと戻って行った。
「どうでした晴明君」
晴明は向こうの世界では東に進んでいたことを告げた。
「興味深い現象ですね。ねじれた位置関係にあるんですね」
「壊すねこのゲート」
晴明は呪符を取り出し念ずると金属音が鳴り宝蔵院の持った発見機から反応が消えた。
「バッチ完了。これでこのゲートは使えないよ」
晴明たちは村へ戻りゴーレムは退治したから大丈夫だと告げて西へ向かおうとすると
せっかくだからここで食事でもと村人に引き留められた。
「じゃあお言葉に甘えてよろしくお願いします」
あくなき食への探求心がむらむらと晴明に湧き上がっていた。
村での食事は味のしっかりした地鶏料理であった。赤味噌のようなもので味付けがなされておでんのようなものもあった。
「味噌田楽だね。美味しい味噌だ。あとで少し分けてもらおう」
晴明はタウロに味噌煮込みうどんを作ってもらおうと考えていた。
この先の情報などを聞いてみると大きな川の橋が先日、壊されて修復中との情報が手に入った。
「また、教団のやつらの妨害かな。橋が壊されているらしいよ」
「地図を見ると少し遠回りになりますが川の上流に向かってこの橋を渡りましょう」
地図を指して宝蔵院が言ったが
「天鼓君なら橋脚の設計図なんかわかるんでしょ。僕らで修復して渡ろうよ」
「まったく世話焼きな晴明ね」
晴海はあきれてはいたがそんな晴明が頼もしく見えた。
「この村に泊まって準備をしようか。向こうへ戻って気が付いたんだけどおそらくこの村温泉が出るよ」
元の世界は有名な温泉地だったからもしかするとと思い晴明はそういった。
「本当なの野宿だとお風呂の心配があったからうれしいわ」
「任せて調べてくるよ」
晴明は一人村の周辺を調べに出ていった。
一時間ほどで戻ってくると
「やっぱりあったよ。お風呂も今建設中だから、夕食前にみんなで入りに行こうよ」
「さすが温泉旅館の息子とはいえよくやるわね」
一同は橋の再建計画などを宝蔵院が中心となって話し合いながら時を過ごして夕食を待っていた。




