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〇金甲山 後編

 ハルアキは天叢雲(あめのむらくも)(つるぎ)のを正眼にかまえた。

(なんじ)なにゆえに我を求める」

 金色に輝く人物がハルアキに問うた。ドーマに言われたからだとは答えにくいし、いい加減なことは言えずにいた。

「父、なんか答えるピコ」

「そう言われてもあんな質問の答えなんか考えてないよ。ドーマさんに言われたからと答えても子供の使いじゃないと言われそうで」

「子供だピコ」

 鎧の精もなかなか答えが返らずじれている。

「この鎧が何か知っているのか」

「何も聞いてないので知りません」

 素直にここは答えるハルアキ。

坂上(さかのうえ)田村麻呂(たむろまろ)が悪鬼討伐を祈願して奉納した霊験あらたかな鎧である」

「あっそれなら僕も悪鬼を討伐しようとしているんです。きっとその鎧が役に立つと思います」

「やっと答えたな。それではわれと闘い力を示せ」

 どうやらモブキャラに近いのか。決められた進行があるようだ。

「それなら遠慮なくいかせてもらいます」

 とは言ったもの攻撃が全然通じない。無敵の防御力だ。

 呪文攻撃に切り替えた。


あまびこの

おとをまゐらすわりなしの

さがなしものにさながらうす

雷撃(フルミネ)


 なんと呪文が反射してきた。

 天叢雲剣で防ぐがしびれてしまった。

「ピコーナ、ミケーレ大丈夫?」

 振り返り見ると何とかよけてくれたようだ。

「ピコーナ、なんか手立てある?」

「父、タマモの力は」

 サイコキネシスと発火能力である。

 手をかざし鎧の精をぶんぶんと振り回し壁にぶつけまくる。

 敵も攻撃に機会を失っている。

「いけるよ、ピコーナ、今度はこいつだ!燃えろ焦がせキツネちゃん!」

 鎧の精を指さした。五匹の狐火が襲い掛かる。確実にHPを削っている感覚がある。

 案内をしてくれていた少女が立ちすくんでいるのにハルアキは気が付いた。

「危ないよ、そんのとこにいちゃ!」

 鎧の精の(びん)が女の子を襲う。ハルアキが覆いかぶさるように少女をかばった。

 鬢がハルアキの肩を貫いた。

「うっ」

 狐火も消え失せ、鎧の精がハルアキに近ずく。

「父、危ないピコ」

 間にピコーナが割って入った。

「ピコーナ、危ないから下がって、ミケちゃんこの子を安全なところへ」

 ミケーレが少女をかばう。ハルアキは片手で剣を構えなおして鎧の精を睨んだ。


「合格だ、我を手に取れ、人を助けるために使うがよい」

 ガャリと地面に落ちる甲、少女も消えてしまった。

「いててっ、これで終わり?」

 少女をかばうことがクリア条件だったようだ。

 ハルアキは落ちた(かぶと)を拾ってかぶってみた。

 甲は変化して体を覆う胴や籠手などに変化して体に装着された。

「うあ、この感じなんだか××××流星拳でも打てそうだな」

 しげしげと金色に輝く武具を眺めていた。肩の傷も治っていくヒーリングの効果もあるようだ。

「父、かっこいいピコピ」

 気が付くと山頂に立っていた。

「ミッションクリアかな。せっかくだから福原よって温泉に入って帰ろうか」

「ピコピッ」

「にゃ」

「賛成みたいだね。ついでに宋人街でお土産買って帰ろう。ピコーナ行くよ」


 そして福原へと飛び立っていった。

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