73話 曲がり角の先
俺達は火の玉で照らされた洞窟を歩く。
メイの空間把握魔術で魔獣がいない道を探して進んでいく。
それでも出会うときがあるが、それは俺とハルがボコボコにしていた。
「そういえば、イツキがさっき誰かが外で待ち伏せをしているって言ってたけど、それって確認できないの?」
ハルが切り出す。
「一応確認してみるわ、もうそろそろ地上に近いでしょうし。『マピミク』」
光が広がりそれは壁に吸い込まれる。
暫くして、メイは言った。
「うーんと、わからない」
「どういう意味だ?」
「外まで魔術が届いてないか、何か結界が張られているか。どちらにせよ外の様子は確認できなかったわ」
「そうか」
確認できればよかったが。とりあえず外に出るときは注意する方がよさそうだ。
「グギャー!」
「うるさい」
飛び出してきた魔獣をハルはダガーで仕留める。
そいつはもう動かない。
猪のような見た目を持ったそれらは、ただ単に突進してくる。頭にある角で一突きされれば無事では済まないが、対処するのは簡単だった。
「この先結構たくさん湧いてるみたい。大きなやつもいる。任せたわ」
メイが俺達に報告する。
そういえば魔獣と遭遇する頻度もどんどん上がっているような気がする。
でも、メイが一番楽な道を探してくれているはずだ。
俺はそう信じて、先へと進んで行く。
「その先にいるわ」
メイが俺達に警告する。
その先は曲がり角になっており、その先から確かに何かが大量にいるような気配を感じる。
「数は?」
「20くらいかしら。でもどんどん増えてるわ。早めに行った方がよさそうね」
「わかった。どう攻める?」
俺はハルに問いかける。
「ゴリ押し一択」
「了解」
その答えだけを聞き、俺たちは曲がり角の方へと向かい様子を窺う。
確かに道を塞ぐように先ほどからいた魔獣が密集している。
そしてその奥。
一回りも二回りも大きい巨体がそこにあった。
「あの奥にいるのが今この洞窟内で湧いている魔獣の親玉かな」
「本当にそうか?」
「どうして?」
「だって俺たちはこの洞窟を出るために上に向かってるはず。なんで親玉が最深部とかじゃなくてこんなところにいるんだよ」
「確かに不自然ね」
「あと、こっちを向いているのもおかしい。洞窟の外からの侵入者に備えるなら反対に向いているべきだ」
まるで、俺達の脱出を阻止するためのような。
「……誰かが仕組んでる可能性はある」
「どうであれ、あれを処理しないと先には進めない。ハル、準備はいいか」
「いつでもオーケー」
「じゃあ短期決戦で決めるぞ。3、2、1」
俺とハルはその合図に合わせて曲がり角から飛び出した。
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