67話 迷子
先程までいた『道』から離れ、俺達はまた深い森の中を歩いていた。
こっちに来てから大半を森の中で過ごしているような。
あながち間違いではないだろう。
しかし、ここからどうするべきか。
次の国へ向かい身を隠すか。
恐らくオトイックにはもう行けないだろう。
そして、少し気がかりなこともあった。
「ノレジ……」
無事だろうか。
短い間とはいえよくしてもらったことは確かだ。
出来れば助けに行きたいが、難しいだろう。
諦めるという選択肢しか選ぶことのできない自分に嫌気がさす。
「あの子のことが心配?」
先程のつぶやきを聞いていたのか、ハルが俺に問いかける。
「まあな」
「また今度、オトイックに戻りましょ」
「そうだな」
「なんか私達って逃げてばっかり。もうちょっと落ち着ける場所とかがほしい」
全くもってハルの意見に同意する。
「これからどうしましょう?」
メイが俺達に問いかける。
しかし、自分たちのいる位置でさえ定かではないため、当然どうしようもない。
俺達は迷子だった。
「メイ、あの魔法使ってくれよ。マピミクだったっけ。周りのこと調べられるんだろ。ならそれで……」
「魔法っていうのがよく解らないのだけど、魔術のことでいいのよね? どこに国とか街とかがあるかわからないのに使ったところでって感じがするわ。そもそもこの魔術は範囲が広くなるにつれて使う魔素の量や体力が増えるからある程度の広さにしかできないのよ」
この世界では魔術というのか。
魔術というのはあんまりいいイメージがしないが。
「とりあえず周りを調べてみてくれよ」
「あんまり期待しないでよ」
メイは杖を取り出す。
「『マピミク』」
周りに光が広がる。
「え」
そしてメイが思わずといったように言葉を零す。
「どうした」
「え、いや、ちょっとそっちに向かって歩いてみて」
少し驚いたような感じでメイはそう言う。
俺達は示された方に進んでいく。
少し明るくなっている。
この感じを俺は知っている。
やがて、周りの木々が無くなり、少し開けた場所に出る。
そこには、崖に作られた巨大な洞窟が存在していた。
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