60話 代案
セルウェラが二度寝している間に、細かな作戦を練った。
といってもそれほど大掛かりなものではないため、話し合う時間もそれほど長くなかった。
「まず、遠くの場所をメイが爆発させてそちらに意識を向けさせる。その隙にハルが王以外の人を攻撃する。護衛の人数は三人だと仮定して、王は馬車に乗っている。王以外の人間は御者と護衛で四人。四人ならよほどの相手じゃない限りハル一人で無力化できる、と。ハルの強さはセルウェラを守った時に見たけど本当に一人で大丈夫か? 俺が行こうか?」
「セルウェラと一緒にいるのはお気に入りのイツキの方がいいでしょ」
「わかった。護衛の人数がこれより多い、もしくは割と強いやつがいたらどうする」
「それはその時でしょ。いけそうなら無理やり押し込み、無理だと思ったら逃げればいい。今回の目的はセルウェラを帰すことであって王を襲うことではないから」
ほとんどやろうとしていることは山賊みたいなことだが。
「もし逃げることにしたら、もう一度作戦を考える」
「それはしょうがないか」
「メイはそれでいい?」
さっきから黙っていたメイに話を振る。しかし、目を瞑っているメイから返答はない。
「寝てるな」
「うん、寝てるね」
「メイは起こした方がいいよな」
「まあ、最初の行動を起こしてもらわないといけないしね」
ハルがメイの額を手の甲でたたく。
「痛っ! 何? 急に叩かないでよ」
「居眠りしてたのはそっちでしょ。それより話は聞いてた」
「私は最初の方から寝てたわよ」
「はぁー。いい? ちゃんと聞いててよ」
ハルが先ほどまとめた内容を一から説明する。
「……で、最終的に邪魔者がいない状態でセルウェラと王を会わせて私たちは撤収。以上」
「随分と強引ね」
「これが一番手っ取り早いんだもの。何か他にいい案があるなら聞くけど」
「うふふ」
メイがなにやらにやけている。ちょっと怖い。
「さっき寝てて思いついたのよ。そんな強引な力技をしなくても済む方法よ」
「どんな方法だ?」
「これを使うのよ」
メイは徐に白い球体を取り出す。
「それは?」
「これはね、『瞞着の煙』を生み出す煙玉。これを使えば、戦わなくていいわよ」
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