表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者は世界の敵となる  作者: 飛躍ハヤト
新たな世界
6/90

6話 お礼

 俺たちを馬車の近くに連れてきた鎧の人はなにやら馬車の中の人としゃべているようだ。中にいるのがアルベガだろうか。俺は静かに待ち続ける。


 にしても結局この力はよく解らない。転移によって授けられた力的なもの?もしくはこの異世界にある何かが俺の体に影響を与えている?


 考え込んでいたところ、とんとんと肩をたたかれる。顔をあげるとハルが俺に話しかけていた。


「あの人が呼んでるよ」


「え?」


「考え事の邪魔をして申し訳ございません。アルベガ様が直接話したいと仰っているのでこちらに来てもらってもよろしいですか」


 俺は首を縦に振り、馬車の入り口にハルとともに近づく。といっても入り口にはドアがあり、中は見えないのだが。


 足音で分かったのか、入り口の前に着いたと同時に話しかけられる。


「お主が我らを助けてくれたものだな。感謝する」


「感謝の気持ちを伝えるなら顔ぐらい見せたほうがいいと思うぞ」


 俺は未だ姿を現さない相手にそう言ってやった。言った後に少し失礼だったかと思ったが、まあいっかと考えないようにした。


 何か騒がしい。周りの鎧の人が騒然としている。


 対して馬車の中にいるアルベガは少し黙った後、それはできないと俺の意見を一蹴した。


「悪いがあまり顔を見られるわけにはいかない。無礼で済まない」


「そっか、いきなり悪い事を聞いたな」


「いや、お主の言うことはもっともだ。気に病む必要はない」


 そんな会話をしている後ろで、まだざわついている鎧の人たちがいた。








 少し話した後、アルベガが切り出してきた。


「今回、もしお主の力がなければ、我らに甚大な被害が出ていた可能性は否定できない。よって、何か礼をしたいのだが。お主は何か要望はあるか?」


「じゃあ、ここから一番近くにある町とか国ってどこにある」


「それならここを真っ直ぐ行けば近くにアカソという国がある」


「どうも、じゃ、またどこかで」


 乗せてもらうことも考えたが、じゃあ乗せてくれなど言えるわけもないので、俺は自らの足で行くことに決めた。


「ちょっと待ってくれ。その国に行きたいのか。我らもその国に向かっている途中だったのだ。どうせなら馬車に乗っていくがいい。アカソまで送っていこうじゃないか」


 こっちが自分の足で行くことを決意したとき、向こうから乗らないかと誘われた。ラッキー。

 断る理由もないので、俺はその提案に乗った。


「そういうことなら頼もうかな。もう一人乗ることになるが大丈夫か?」


「うん?連れでもいるのか?なるほど、だから一つ足音が多いのか。構わん、後ろにもう一つ入り口がある。そこから中に入ってくれ」


「入って大丈夫なのか?」


「この馬車には二つの部屋がある。今我がいる部屋が本来人を招き入れるはずの場所で、後ろが道具などを置いておく倉庫になっている」


「顔を見せられないから倉庫に行けって言う解釈でいいか?」


「すまぬがそういうことになる。もちろん椅子やお茶などは用意しよう」


「わかった。それだけあれば十分だ」


 そう言って俺はハルとともに馬車の後ろの方へと向かう。こうしてみるとでかいなこの馬車。


 そして扉らしきところを見つける。ドアノブがある。開けて中を見てみると本当にただの倉庫らしい。よく解らない木箱がたくさん積まれているが、意外とゆったりできるスペースは存在していた。後ろからハルも中に入ってくる。


「そういえば、ハルはさっきから全然しゃべってないがどうかしたのか?」


「え、いや、だって、アルベガって……」


 何かを言おうとしたとき、執事のように綺麗な燕尾服を纏った人も入ってくる。それに気づいたハルは口を紡ぐ。いったい何を言おうとしたのか。あとで聞けばいいか。


 そして、その執事らしき人物の後ろからさらに鎧の人が入ってきて、いつの間にか簡単な机と椅子ができていた。


 俺はそれを見てポカンとしていた。その横でハルは少しそわそわしていた。

面白そう、続きが気になるという方、ぜひブックマーク、評価の程よろしくお願いします。

今後の執筆の励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ