59話 作戦
俺はぱっちりと目が覚める。
どれくらい寝ただろうか。
中から外を確認する術はないため考えることを諦めた。
今は別の事を考えよう。
例えば、どうやってセルウェラを父親の元に帰すのかとか。
帰ってきている道中で会うというのが一番現実的だろうか。
国の中に入られると衛兵が大量に出てくるため厳しくなる。
ならばやはり待ち伏せか。
多分父親の周りを警護している人もいるだろうが、それはまあしょうがない。
「何を考えてるの?」
その時、いつの間にか起き出していたハルが俺に話しかける。
「ああ、どうやってセルウェラを父親の元へ帰そうかと。相手は王だろ。周りについている警備の数も多いと思う」
「それはどうかしら」
「どういうことだ?」
「急いで帰ってきてるのにそんなに多くの警備を付けれるかしら。早く帰ってくるのに警備の人は邪魔になるから最低限の人数しかいないんじゃない」
「なるほど」
たしかに、それもそうだろう。
「じゃあその警護を躱すには」
「私にいい案、っていうか一番楽そうな案があるわ」
「どんな?」
「それはね……」
ハルは俺に軽く説明してくれる。
「まあ確かに楽ではあるな、うまくいけばだが」
「作戦なんてどれも同じようなものでしょ」
「それを言ったらおしまいだろ」
「あはは、そうだね」
そして、話が終わったころ、メイも体をを起こした。
「おはよ」
「ああ、おはよ」
「何の話をしてたの?」
「セルウェラを父親の元に帰す作戦」
「聞かせてもらっても?」
俺は先ほど話していた作戦を再びメイにも伝える。
「こんな感じなんだが、いけるか?」
「大丈夫よ。他に案は思いつかないし、それで行きましょ」
俺達の話し合いは終わる。
セルウェラの静かな寝息だけが聞こえる。
「……王女っていうのも、楽じゃないんだろうな」
俺はぼそりと言葉を零す。
しかし、その言葉は二人には聞こえていた。
「まあ生まれながらにして自分の生き方もいる場所もすべて決まっているしね」
ハルが言う。
「どうしようもないものだよ、生まれっていうのは」
「ふあぁー。ん、どうしたの?」
セルウェラが目を覚ます。といってもまだ寝惚け眼だが。
「セルウェラ、おはよ」
「おはようございますー」
すごくほわーとしている。朝には弱いみたいだ。
「いつ頃出発する?」
「まだいいんじゃないかしら、だって、ほら」
メイがセルウェラの方に目線を向ける。
「すー、すー」
「もうちょっと寝かしてあげましょ」
「そうだな」
俺達はもう少しだけのんびりすることに決めた。
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