27話 三者それぞれ会話中(1)
「ここって聖域なんだよな?」
森を進みながら俺はハルに問いかける。
「ええ、そうだけど。どうかした?」
「そもそもなんで聖域なんて呼ばれてるんだ?」
「……ちょっと話すと長くなるけどいい?」
「ああ、わかった」
「この世界に聖域と呼ばれる場所は三か所存在するの。今通っている森がまず一つ目、あとの二つは海と空島なの。それぞれ神森、神海、神島っていう安直、もといいい名前で呼ばれているわ」
「うん、わかりやすいな」
「それでね、それぞれの聖域を守る存在がいるのよ。それが神獣と呼ばれているわ」
「さっきのバジリスクか」
「ええ、あれは神森の神獣よ。有名な攻撃方法は『鳴力』ね。鳴き声で相手の体の感覚を殺すのよ」
「殺す? 俺は何も感じなかったが」
「それはわからないわ。私はあの時は死を覚悟したんだけど」
「他の神獣はどんなやつなんだ?」
「神海の神獣はリヴァイアサン、神島の神獣はドラゴンよ」
「なるほど。神獣はなんで聖域を守っているんだ?」
「それはわからないわ。でも、それぞれの聖域にこの世についての情報が隠されているっていうのは聞いたことがあるわね。なんでも、そのすべてを知ればこの世の在り方を理解できるっていうものらしいよ。ただの噂だけど」
「まあ、あんまり人が立ち入らなそうなところにはそういう噂もたつか……」
俺は変わらない景色を見る。
そして、ハルと話し込んでいて気付かなかったが、近くにメイがいなかった。
「あれ?」
後ろを見ると少し離れたところにメイがいた。
「おーい、メイ! どうした? はぐれるぞー!」
俺はメイに声をかける。
メイは少し立ち止まったあと、こちらに走ってきた。
「どうした? 何かあったか?」
「いえ、大丈夫よ」
そうして三人で森の中を進んでいく。
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