1話 始まり
初投稿です。どうぞよろしくお願いします。
「はぁー」
俺は深くため息をつく。高校三年の冬、いや、もう冬が終わり温かくなり始めている。春といっても相違ない頃、窓の外を見ながら物思いにふけっていた。
「おい樹、帰らないのか」
「そうだな、そろそろ帰るよ」
俺は椅子から立ち上がり、鞄を持つ。鞄は軽い。当たり前だ、もうほとんど持ってくるものなど無いのだから。楽で助かる。
卒業式を終えた今、ほかのクラスメイトは学校の校門でたまっているのは窓から見ることができた。
「で、樹は結局どこの大学に行くんだよ。全然教えてくれねーから気になってるんだけど」
「俺はあそこだよ。東大」
「やっぱそうだよなー。お前全国模試でも一桁だったし。これでそこら辺の大学に行くとか言ってたら、もう俺泣いちゃう」
「そういう健斗はどこに行くんだ? 阪大とか?」
「そうだよ。俺に東大は無理だ」
「阪大でも十分だと思うけどな」
「嫌味にしか聞こえねーよ」
小学生の頃から仲が良かった新村健斗とともに俺は昇降口に向かう。こいつと話すときはあまり気構えする必要がなく、話していてとても楽だった。
「ちょっと待ってよー」
後ろから声がする。
そう思って振り返ろうとしたとき突然肩に衝撃が走る。
「痛っ、お前結構力入れてただろ」
「痛かった? ドンマーイ」
「相変わらず凜は自由だな」
今殴ってきた女子は河野凜、こいつもまた小学生の時に仲良くなった。
大体この三人での行動が多かった。いわゆる幼馴染ってやつだ。
靴を履き替えまた三人で並んで歩く。わいわいしゃべりながら。
俺たちもまた校門前でたまる人ごみの一部になっていった。
俺たちは仲の良かった同級生と雑談をし、写真を撮り、そしてまた会う約束をして、別れを告げた。
校門を出ようとしたら、また声がかかる。
「兄さん、もう帰るの?」
「ああ、もう十分話したしな」
話しかけてくるのは次高校二年になる妹、明里だ。仲は十分というほどよかった。彼女もまた、俺の日常の大事なワンピースだった。
たとえ大学が変わって遠くなっても俺たちの仲はきっと変わらないと思っていた。
そして俺たちは四人で歩き出す。明日からは直接は会いづらくなる。最後の時間でのんびり談笑していた。
だから気付かなかった。後ろから何かが近づいていることに。
「っ!?」
突然体に衝撃が走る。すると、体が浮いたかのような浮遊感に襲われる。突然のことに頭が混乱し、動けないままだった。
そして、目の前で光がはじける。
目が痛くなるほどの閃光。その光が体を貫いてくる。痛い、痛い? 痛いのか? 体の感覚を見失う。
そして俺はフッと意識を失った。
どのくらい時間がたっただろうか。
俺は目を覚ます。まだ体は浮いている。辺りは白い光に包まれている。俺は事態に困惑していると、突然地面に投げ出された。やわらかい感触。これは草か。
眩しい光から目を守る様にして閉じていた瞼を開く。目の前に広がっていたのは、
「森?」
緑の世界だった。
面白そう、続きが気になるという方、ぜひブックマーク、評価の程よろしくお願いします。
今後の執筆の励みになります。
今日は後何話か投稿する予定です。




