第1話「夢へスチール」
オリジナル野球小説「スチール」
登場人物
名前 学年(中学生) ポジション 紹介文
主人公:早川俊之助(2年生)8
はやかわしゅんのすけ、この小説の主人公、得意な足は50メートル5.10秒で、学校No.1の足の持ち主
兄:早川翔(プロ野球選手:読売ジャイアンツ)1
はやかわしょう、早川俊之助の兄で憧れの存在、何をしても怒らず野球としても素晴らしい成績を残し続けている。
弟:早川飛龍(1年生)1
はやかわひりゅう、未来の大黒柱、兄弟揃ってめちゃくちゃ仲がいい。特にゲームをする。
チームメイト:力田三郎2
りきたさぶろう、父(力田宗郎)は中日ドラゴンズの監督で、皆に気を使う。しかし野球面では化け物スラッガー、中学でのHR通算90本。
:守名慎(副キャプテン)6
もりなしん、守備職人、憧れは小坂誠選手、心配性で恐らく誰よりも優しい人。
:佐々木速哉1
ささきはや、最高球速135キロ、怒らなければ優しい。料理好き。
:目賀良太(3年生)4
めがりょうた、選球眼を極めた男、いつも厳しい目でこっちを見る。が、優しい。
:水戸当太郎(3年生)7
みととうたろう、バッティングセンスに長けている、打率は4割越え、1年生の時から3番を任されているシャイな部分もある。
:渋川優(3年生)5
しぶかわすぐる、渋いバッティングを得意とする、しかし性格は渋くない。もはや明るい。
:田中一(2年生)9
たなかはじめ、早川俊之助の大親友、サインプレイが得意でいつも慰めてくれる。
:大田浴哉(2年生)7
おおたよくや、風呂が大好きなレーザービーム男、球はあっちこっちに飛ぶが球にとんでもないいい送球を返す。
:美田・セニョール・セニョリータ(2年生)3
みた・せにょーる・せにょりーた、体格が優れているスラッガー、ハーフでもないのにこのような名前を付けられたのは少し可哀想。意外に練習熱心で努力家。
:渡辺作斗(2年生)1
わたなべなおと、次期エース、球は108キロと特別速い訳では無いが、変化球に優れている。こいつも優しくポジティブ
:飛来強(1年生)3
ひらいきょう、1年生の中で1番真面目、1年生とは思えない打球を叩き出す、将来に期待が持てる。
:影日隅八(1年生)7
かげびすみや、いつも影に隠れガチだが、隙を見せないのがこの男、実は裏で頑張っている。
:矢田野神子翔(1年生)4
やたのみこと、菊池涼介選手のような忍者スキルを持っている。不真面目だが。
:壱弐参数太(1年生)5
ひふみかずた、これといった特徴はないがトニカク良い奴だ。
監督:早川教亮太(早川俊之助・飛龍の父)
はやかわきょうすけた、早川俊之助の父、監督、喋り方が独特だがあまり怒らずノリに乗れるいい人。
マネージャー(ヒロイン):金田摩里(2年生)
かねだまり、野球が大好きでみんなに愛されている人気者、弁当を作り、皆に食べてもらうのが日課、実は早川俊之助と絶賛両思い中。
母:早川優子
はやかわゆうこ、早川俊之助の母、保育士を担当する優しき母親。面倒見がいい。
飼い犬:蘭
らん、よく走り回るから「蘭」という名がついた早川俊之助が小学2年生に拾った犬、ゴールデンレトリバーで相棒。
第1話「夢へスチール」
迎えた朝、今日はいい天気、晴天だ。
俺の名前は早川俊之助、兄ちゃんみたいなすげぇプロ野球選手になるのが夢なんだ。
俺が通ってる学校は北三中学校、野球では普通な感じだ、周りには満開中学校や桜木中学校など
様々な強豪校が存在する。俺も北三中を強豪校にして夢の全国大会に出場する。それが今の目標だ。
ある日、強豪校満開中との練習試合を行った。
早川俊之助「満開中には到底敵わないだろうな」
田中一「まぁやれるとこまでやっていこうよ」
監督(父)「スタメンを発表する!!」
チームメイト「シャアッッ!!!!」
気合いが高まっている。と、思っていたら。
監督(父)「1番センター:俊之助」
早川俊之助「え?あ、あ…はい!!」
まさかスタメンとは思わなかった、しかも1番、
責任重大だ。俺には荷が重い……。いつも代走なのに。
監督(父)「2番ショート:守名」
守名慎「はい!!」
監督(父)「3番レフト水戸」
水戸「ハァイ!!」
監督(父)「4番キャッチャー力田」
力田「八イ!!」
監督(父)「5番サード渋川」
渋川「ヘイ!!」
監督(父)「6番セカンド目賀」
目賀「ハィー!!」
監督(父)「7番ピッチャー佐々木」
佐々木「八イ!!」
監督(父)「8番ファースト美田」
美田「ハァイ!!」
監督(父)「9番ライト田中」
田中「ウッス!!」
監督(父)「以下はベンチで応援だ、この試合、盛り上げていこうぜ!!」
チームメイト「うぇい!!」
????「(頑張って、俊之助君。)」
プレイボール!!
ついに試合が始まった。先攻は満開中、後攻は北三中だ。
両チーム「オッシャス!!!!」
満開中「ひねり潰してやんぞー!!」
北三中「痛い目にあわしてやんぞー!!」
両チーム「オォイ!!」
ピッチャー振りかぶって、
まずは初級ストレートから、2球目もストレート、3球目はカーブ、なんと三振を奪った。
その後も難なく三者連続三振に打ち取り攻守交代、1番は俺、打てるかどうかは分からないが、
とりあえず配球を読む、1球目はストレートだが
早川「甘い!!」
と弾き返した。大きな当たりはセンターの頭を越すセンターオーバーのスリーベースヒット。驚いた、こんな力を秘めていたとは、
監督(父)「ほゥ……やるじゃねぇかァ。」
これには父さんも脱帽せざるおえなかった。続く2番の守名君はセーフティースクイズを見事に決め、一点を先制。そして3番の水戸君は上手いバッティングを生かしセンター前へ、ノーアウト1塁2塁。ここで4番キャプテンの力田君、甘いボールを見逃さず、左中間へ大きな当たり、なんと、HRになった。その後は三者凡退に打ち取られるが、4対0と戦況は有利を取った。
~1時間後~
7回表5対4と1点差まで詰め寄られるも、まだリードしている、1時間の間にエースの佐々木君は5回3失点7奪三振3四死球の力投で目賀君と交代、目賀君は、1イニング1失点とまずまずな投球、このままいけば、強豪校満開中に勝てる。
希望はそこまで見えていた、しかし希望は、
バットで打ち砕かれる。
満開中の4番、内杉登堂、彼はプロ注目の化け物
中学での通算HR数は脅威の261本、
内杉「今日は状態が悪いが、甘い球さえくれば飛ぶはずだ。」
今日はレフト前、三振、四球といった感じだが
得点圏にかなり強い内杉、ツーアウト2塁、
目賀君なら抑えてくれる。そう思った。そのとき
目賀「まずい……!!」
バゴォーン!!快音が響いた、
逆転のツーランホームラン、戦況は一変した。
次の打者はきっちり三振で抑えたが、これは痛い。7回ウラ、最終回だ。バッターは8番の美田、カウントはスリーワン、決め所、だがここは見送ってフォアボールとなった。ノーアウト1塁でバッターは9番の田中、ここでバントのサインが出た。
田中「初球から狙うか……。」
田中はサインプレイが得意、初級を逃さずバント、
相手ピッチャー「前に転がってきた!!」
なんとピッチャーに転がってしまった。併殺となった。
目賀「このままだと負けちまうな……。」
力田「……いや、希望はすぐそこにいるだろ。」ツーアウトとなり、バッターは俺、先程はいい当たりを打ったがこの打席ではどう出るか。初級はインローいっぱいのストレート、手が出せずこれはストライク、2球目はストレートが浮いてボール、カウントは1-1、3球目、内に入った甘いスライダー、
早川「いっけぇ!!」
レフト前へ強烈な当たり、シングルヒットだ、そして2番の守名君、ノーサイン、初級はストレートから入った、ストライク、そして2球目、
守名「あいつなら、監督が言った通りやってくれるだろうな。」
ザザッ!!早川は盗塁した、余裕のセーフ、これが監督の狙い、2球目のカーブの際に完璧なスチール、ベンチからは歓喜の声援が沸いた。
力田「すげぇよアイツは。」
目賀「……ありがとう、俊之助」
塁間2.55秒という星を駆け巡る光のようなスピードスター、それが俊之助という男、その後は打線が繋がり見事力田君のHRでサヨナラ勝ち。この試合は、大いに盛り上がり、記憶にも残る試合となった。
力田「強豪校に勝つとはな……」
金田「皆ぁ!!よく頑張ったね、いいゲーmゲホゲホ」
チームメイト「摩里ちゃん!?」
監督(父)「なに熱出してんのに来てんだァ、危ねェから家で熱さまシートでも貼って寝ときなァ。」
金田「どうしても見たくって、うっかり外に出ちゃtゴホゴホ」
とりあえず摩里ちゃんはお家に帰らせてあげた。やっぱり気になる……。
~1時間後~
時刻は午後6時過ぎ、家に到着。
早川「ただいま〜」
蘭「ワンワン!!」
蘭が出迎えてくれた。いつものことだが。
母「お疲れ様〜、試合、どうだったの?」
試合のことについて話した。
母「あら、そうだったのね、良かったじゃない、いい経験になったじゃん。」
早川「うん」
母「疲れてるし、先にお風呂入ってきなさい。」
言われた通りお風呂に入った。
早川「今日の1打席目、気持ち良かったなぁ。」
何度でも蘇ってくる快感が風呂の中でも頭に浮び上がる。
そして風呂から上がり、晩御飯を食べ、歯を磨きをし、自分の部屋でベットに横たわった。
コンコンと、誰かがノックした
早川「誰だ〜」
返事をすると、
弟「俊兄ちゃん」
そこには早川飛龍、弟がいた。何か困ったような顔をしている。
早川「飛龍か、なんだ」
弟「フォームを急に忘れちゃったんだ。もう一度フォーム、教えてくれない?」
どうやら突然フォームを忘れたらしい、
早川「いいけど、なんかあったのか?」
弟「実は……」
そこには衝撃的な言葉が広がっていた。
次回に続く。