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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ある物を咥えてきた犬から始まる恐怖話

 これからお話するのは、Tさんという方から聞いたお話です。


 この事件はTさんのお父様が見聞きした実話とのことですが、Tさん曰く公式な記録はないそうです。


 故に真偽のほどは不明でありますが、それはさておき、お話をいたしましょう。



 ◆ ◆ ◆



 今から少し昔のこと、時代で言えば東京タワーが建つ少し前の頃の話。


 某県の県庁から車で五分ほど離れた距離に、閉山し、自然だけが残った元鉱山がそびえています。


 麓には小学校があり、放課後に児童たちが遊んでおりました。Tさんのお父様も、その児童のうちの一人でした。


 その小学校の校庭に、一匹の野良犬が迷い込んできたのです。時代的には野良犬はそれほど珍しいものではありませんでしたが、その犬が口に咥えていた物が大問題。


 なんとそれは、腐敗した人間の手首! すわこれは大事件ぞとなり、「死体を隠すのならこの山しかなかろう」と、大規模な山狩り隊が結成され、翌朝決行と相成りました。


 しかしこの山狩り、結局実行されることなく打ち切りとなりました。またたく間に騒ぎとなった手首の主が、「自分が殺した妻のものである」と一人の男が自首してきたためです。



 ◆ ◆ ◆



 男は手首が発見され騒ぎになるや「犯行がばれる」と思い、山に埋めた妻の遺体を再処分しようとその場所に向かったそうです。


 夜間、懐中電灯の明かりを頼りに山を進んでいくと、なんと! 妻の生首が宙に浮かび、男を見据えているではありませんか!


 男は一目散にその場から逃げ出し、恐怖から己の犯行を明かしたということでした。


 いざ実況見分してみるとそのあたりは竹林で、当の生首は育った竹に突き刺さり、宙に浮く形となっておりました。男が埋めたときはまだ育っていなかった竹が育ち、かような有様になったわけです。


 かくして、ひょんな出来事から判明した殺人事件でありますが、実はこの話にはちょっとした続きがあるのです。


 このお話に登場する竹林。実はその山のあたりでは、Tさん宅の裏手の竹林にしか心当たりがないのだそうです……。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 竹の使い方が上手い。タケノコは1日で一気に伸びますからねえ。 [一言] 昔、庭にセンダンの種を撒いたら、1年目は15cmぐらいにしか伸びなかったのに、2年目に3メートルに達してしまいました…
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