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ギルド入隊?

ギルドの前に到着した2人。木造でなんとも言えない雰囲気を漂わせている。活気と殺気が混ざっているような感じがした。中からは何やら笑い声なのか叫び声なのか分からない声が飛び交っているのが聞こえた。賑やかなギルドなのは間違いないようだ。



「えっと、ギルドの名前は、、、。『エリウの豊穣』か。なんかカッコイイ名前だな。強そう。それにここは居酒屋も兼業でやっているのか。」



なんとも端的な感想だ。そこら辺の少年でも思いつきそうな感想だ。しかし、ギルドの中に居酒屋があるとはいいものだ。狩りから帰ってきた冒険者達がお酒を片手にその日の〆をするというのはなんとも楽しそうだ。2人とも酒は飲めない歳だからあまり関係はないが、大人になったらそんなこともしてみたいものだ。いつか増えるであろうパーティメンバーと呑んでみたいものだ。



「む!兄様!エリウの名前を知らないの?エリウと言えば、戦いと豊穣の神様だよ?そんな名前を付けてるんだからきっとすごいギルドなんだよ!」



メアリは意気揚々と語っている。目の奥をキラキラと輝かせているのが分かった。恐らくメアリは既にこのギルド以外に選択肢はないようだ。



「ふーん、そんな御大層な名前を付けてるんだから期待は出来るな。街の人もここのギルドを教えてくれた人が多かったし。よし、ここにするか!」



2人は階段を上り少し古びた木の扉を開く。ギギギと木のこすれる音がする。建付けが悪いのか知らないが、若干扉が開きにくかった気がしたが、まあ気の所為だろう。店に入ると中からは何やら怒号のようなものが耳の中に響いてきた。なんとも賑やかなギルドだな。そんなことを考えていると店の奥から黒色の塊がユーリの所に飛んできた。



「うお!」



っと声とともにユーリは反射的にしゃがんでいた。ユーリという的を無くした黒色の塊は外に放り出され、バリーンという音が地面に落ちると同時に鳴り響く。どうやらお酒が入っていたであろう酒瓶のようだ。



「あっぶねぇ!なんなんだ!?このギルドは新人に瓶を投げつける風習でもあるのか!?」

「違う。兄様。あれ見て。」



メアリが指さした先には喧嘩しているであろう人達とその周りにその喧嘩を捲し立てている人達が居た。



「すごい喧嘩。何があったんだろう。瓶を投げつけるような喧嘩ってどうなのよ。」

「まあ、普通じゃないってのは分かるな。」



ギルドの中に入ってそうそうこんなイベントが待っているとは全く思ってもみなかった2人は呆気に取られていた。少し喧嘩に聞き耳を立てていると喧嘩の内容が聞こえてきた。



「だから!なんども言ってんだろ!お前のとこのパーティメンバーが俺ののパーティメンバーの狩っていた獲物の素材を横取りしていたんだよ!なんで認めないんだよ!」


「うちのメンバーにそんなことするやつはいない!きっと何かの見間違いだ!そもそも、俺達はお前たちの依頼の場所とは正反対の所にいたんだぞ!それでどうやって横取りなんてできるんだよ!」



どうやら盗んだ盗んでないで喧嘩になっているようだ。まあ一応の知識はあるから、喧嘩になるのもわからんことは無い。冒険者はモンスターを狩りしてその素材を売ったり加工して儲けている人達だ。つまり素材を盗むってことは金を盗まれているのと同義。怒るのも仕方ない。しかし、この喧嘩にユーリは少し違和感を覚えた。

盗んだと疑われているパーティの人達が嘘をついている顔には到底見えないのだ。そして盗んだと疑いをかけている側もそうだ。一体どういう事なのだろうか。まるで何かに化かされているようにすら感じた。



「兄様、なんかあの人達から嫌な感じがする。何かに取り憑かれてるみたい。黒い影が沢山出てる。多分あの人たちが喧嘩しているのはあれのせいだよ。」

「黒い影?俺にはそんなもの見えないけど。」

どうやらメアリはメアリで別の視点で違和感がしているようだ。

「お前たちか!店の中で暴れているのは!全く!何をやっている!」



店の奥からすごい大きな声が聞こえた。その声はとても芯が通っていて声だけで強さを感じられる程だった。声的に多分歳は結構いっているおじさんだろう。その人が叫ぶとさっきまで叫んで喧嘩していた人達もガヤをしていた人も黙った。

コツコツコツと小刻みに歩く音が2人に近づいていく。



「何度も言っておろう!店の中で喧嘩をするな!伸ばすぞ!」



おじさんが叫んでいるのは分かる。だけど姿が見えない。どこだ?と探していると喧嘩している2人の足元に小人のようなおじさんがいるのが見えた。



(えっ!ちっさ!あんな声出す人があんなちっさい小人ぉ!)

(兄様!声を小さくすればいいってもんじゃないよ!)

「で、今回の喧嘩はなんじゃ?」

「こいつのパーティメンバーがうちの素材盗みやがったんだ!」

「うちはそんなことしていない!」

小人のじいさんは少し考えた後に

「ふむふむ。なるほどのぉ。よし分かった。ちと待ってろ。」



そういうと小人のじいさんはおもむろに何かを取りだした。瓶?酒瓶だろうか、それにしては小さすぎるような。



「『泉の聖水』こいつを使って真相を調べてみよう。これはお互いの見たもの信じているものを嘘偽りなく写すものだ。これの前に嘘はつけんぞ。」



小人のじいさんはキュポッと瓶のコルクを開け、床に1滴水を垂らす。すると2つの映像が流れ始めた。

片方はパーティじゃない人が素材を盗むシーン。



「ほらな!やっぱり盗んでいやがった!」

「馬鹿者。よく見いや。ほれ」



もう片方には欠員のないパーティの映像が流れている(現状いるメンバーを全員と仮定)。



「ほら!やっぱり!うちのメンバーがそんなことをする訳がないんですよ!」



2人は再び睨み合う。ものすごい剣幕で。もう今にも殺らんとするような目だ。ユーリ達はその目に内心ビビっていた。



「ふむ、お互いの主張が合っている。こりゃ面倒いのぉ。む?お主ちとこっち来てみ。」



小人のじいさんは盗まれたと訴えている人を呼ぶ。



「お主、もしや。」



小人のじいさんは睨みながら顔を見る。しばらく睨んでいるとじいさんは怪訝そうな顔をして

「はあぁ。」

と大きいため息をついた。



何が起こっているか分からないユーリ達は完全に置いてけぼりだ。



「な、なぁ、俺たち、今圧倒的に空気だよな。」

「うん、とんでもなく空気だね。」



そんなことを話しているとじいさんが口を開く。



「お主、『黒の住人(パレード)』に取り憑かれておるぞ。最近老眼が進んだせいか直ぐに気づけんかったわ。いやはや。久しぶりに見たの。これを見るのは何年ぶりか。もうそんな時期になったのか。はあぁあ。」

じいさんはさっきよりも大きなため息をつく。



「黒の住人だって!冗談じゃない!早くなんとかしてくれよ!」



露骨に焦っているのが見て取れた。黒の住人とはなんなのだろうか。あの焦り方からしてただ事では無いのは分かる。



「ふーむ、困ったのう。ここに今こいつを浄化できるやつはおらんぞ。どうしたもんかのぉ。」



じいさんは白い髭を生やした顎に手を当てて悩み出した。どうやら黒の住人(パレード)というのは浄化とやらをしないといけないらしい。もしや、さっきメアリが言っていた「黒い影」ってのがそれなのだろうか。



「こいつを浄化させるためにはこいつが見えていて且つ浄化の魔法が使えるものでないといかん。取り憑き方を見る感じ、もってあと数時間と言ったところかの。それまでに誰かこれば良いが。」



ギルド全体が暗くなっていく。どうやら今それを浄化できる人はクエストにでも出ているのであろう。クエストは数日を要することがほとんどのため、いつクエストに行ったかは分からないが、どうやら絶望的なことには間違いないようだ。



「お!おい!誰か!誰か浄化出来るやつはいないのか!」

「うちのパーティにもそれを浄化できる者は居ませんね。つい先日戦死してしまったので。うちも困っているくらいですよ。」

「こうなったら街中から探すしかないだろう。しかし、聖をもつ者は千分の一程度とも言われておるからな。聖堂まで走れば何とかなるかとも思ったがここはヴァルハラ大聖堂とは逆の位置にあるから馬で走っても半日はかかるのぉ。」



さらに空気が暗くなる。

ちょんちょんと裾を引っ張られている感覚が伝わってきた。横を見るとメアリが俺を引っ張っていた。



「兄様、さっきの黒い影、すごく大きくなってる。多分周りの空気が暗くなったからだと思う。」

「ただそれが見えてもなぁ、俺たちに出来ることは何も無いぜ?」



2人も少し暗くなる。

そんな暗い空気の中でバンッ!と勢いよく扉が開く音が聞こえた。



「おいおいおい!なんだこのしみったれた空気は!ガプトスにやられたやつでも居たんか!?」



その声が響くと共に周りの空気が明るくなるのを感じた。振り返るとそこには金髪ロングのすごい元気満々ですみたいな女性が現れた。メアリとは正反対だ。



「おおお!ちょうどよいところに帰ってきたのぉ!言わんでもわかると思うが、お主に頼みがある。こんなでもうちのギルドの冒険者だ。頼んだぞ!」

「ちっ、あーはいはい。分かりましたよ。やりますよ。やりゃいいんだろ。」



金髪の女性は男に近づいていく。

「あー、こりゃすげぇなw身体の三分の一位持ってかれてんぞwこりゃ治療費はずませてもらうぜ!いいな!?」



金髪の女性はさっきの剣幕とはまた別の怖さの剣幕を発していた。そして男も金はかかってもいいから早く浄化してくれと言わんばかりの顔をしていた。



「よーし!交渉成立だ!今から浄化をするぞ!おい!受付嬢!あれ持ってこい!」



金髪の女性に言われて受付嬢が持ってきたのはチョークのような白い塊だった。

「今からお前を浄化してやる。身体の三分の一を持ってかれてる分痛いかもしれんが、我慢しろよ!さあ!浄化の時間だ!」


いや、ほんと、投稿遅れてすいません。リアルが忙しすぎたのが原因です(言い訳)

ただその分今回少し長めに書いてみました。もしかしたらこれからこれくらいの長文が続くかもしれないし、続かないかもしれないですけど、まあ多めに見て下さいな。

さて本日のラッキーアイテムは服のラベルに付いてる値札とかを引っ掛けるあれ。

あれ手でちぎろうとしてすごい痛い思いをしたのを今でも覚えています。あれは痛かった。歯で取ろうとして歯が抜けた人もいるらしいですよ。今私はライターで焼き切ってます。皆さんもあれを切る時は気をつけようね!

ではまた次回お会いしましょう!

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