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6話

 ノベルとアイラは鑑定の儀式の後、二人供別室へ案内されていた。


「ねぇノベル、わたし達これからどうなるのかな?」


 アイラは不安でいっぱいのようだ。まあ無理も無いか。


「……分からないよ」


 さて、聖教騎士と言っていたな。邪神である時は大して興味が無かったが、今の状況下は、オレも少々不安を感じる。なんせこの世界の宗教は神を盲信し過ぎだったり、その真逆だったり。

 自分達の幸せを追う為に、神を利用し冒涜し、完全に腐敗していると言えるだろう。それ故、先程の不死の才能は、ネガティブに捉えられた筈だ。一族郎党まで異端審問に掛けられて拷問されては敵わん。不死といえ、痛いのはイヤだしな。


 さて、どうなる事か。


 ん?……誰か来たな。


 コンコン!


「……失礼するよ」


 ドアを開けて入って来たのは、一人の若い男。胸の部分に聖教会のシンボルマークが入った制服を着ている。


「やあやあ。……で、君たちがそうか。ハァ……」


 面倒臭そうに、ノベルとアイラを見つめる男。何故か言葉を濁すように、ゆっくりと喋り出した。


「あ~……僕は一応聖教騎士、なんだけどね……。 あ~どうしようかな~……」


 何だこの男は?いかにもやる気が無さそうだが……


「あ、僕の名前はニコルって言うんだけど、よろしくね。……ん、そうだ!早速だけど君達二人に提案があるんだ」


 ニコルと名乗る男は、ニコニコとしながら二人の向かいにあるソファーにどっかりと腰掛けた。


「聖教会の騎士団に入らないかい?」


「ハァ!?」


「まあ騎士団って言っても、もちろん見習だけどね。給金もちょっと出すし、僕の専属っぽい従者にしとくよ。どうだい?」


 なんだそれは。


「……入らないとこの先どうなる?」


「そだね、良い質問だね!……言いづらい事なんだけど、まず僕は、気が進まないんだけど、さらに上に報告しなければならない。そしたら間違い無く、色んな恐そうな人達が来て……君達は、どこか暗い所に連れて行かれるだろうね。そして行った先であんなことや、こんなことをされ……あ~可哀想!」


「わ……わたし入るわ!」


 おいおい、アイラ何を勝手に……


「ここの神父達はどうする?誰かに密告されないか?」


「大丈夫!すでに口止めしている。他の子供達には間違いだったと言えばいい。それにこの街には、僕しか聖教騎士は居ない、つまり僕はちょっと偉いのさ!」


「なぜオレ達、二人を助ける?」


「……まあ子供には分からないだろうけど、ただ単に面倒なんだよね。僕の上司はす~ごく面倒な人でね、面倒な人に面倒事を報告すると、僕がす~ごく面倒な仕事をさせられるのさ。見た所君達は、おかしな所も無さそうだし、何より僕は、今年やっとこの田舎街に配属されたんだ。ゆっくりしたいのよ~。ね?頼むよ!」


 ん~いまいち納得出来ないが、この男の言う事が間違っているとも思えんな。

 様子をみるか……。


「いいだろう。好きにするが良い」


「……さっきから、君のしゃべり方は、ちょっと変わってるよね?」


 アイラがあわてて手をブンブンし出した。


「ごめんなさい。ノベルに悪気はないんです!わたしが最近叩き過ぎたせいか、ちょっとおかしくなっちゃっただけで!!」


「あ、そう……」


 アイラめ~!もう少しマシな言い訳は出来んのか!?



 そしてこの日から、私達二人は、聖教騎士見習いとなった。



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