5話
ほう、またもこんな妄想にブクマを捧げて来る者がいるとは、……親が知ったら泣くぞ!
だが、オレ様は答えてやろう。
さあ、読むが良い!!
……ここは?
気が付けばそこは、ただ真っ白な世界。
天も地も無く、時の流れさえ感じる事も出来ない。
ふん、天界か……。
やがてノベルの近くにゆっくりと、大きな人の形をした光りが現れた。
「ゾフィーよ……久しいな」
チッ、創造神か……面倒だな。
「……私のような新米の下級神に一体何用でしょうか?」
「とぼけるでない。そなたの住む、愛すべき世界、何故混沌を撒き散らした?」
ふん、愛すだと!?分かったかのような事を。この際だ、言わせてもらおうか。
「では、私……いや、オレも聞きたい。何故貴様は、人間のような不完全な生物を創造した!? 奴等は毎日の様に争い、妬み、誰かを簡単に殺す! オレは、オレのいる世界で自分勝手な事をする彼等に、しつけをしているに過ぎない!」
どうだ創造神、納得いく答えを聞かせてみろ。
「……ゾフィーよ。どうやら大切な事を忘れてしまったようじゃな……」
「何の事か!? それより創造神よ、我が問いに答えよ!オレをノベルにしたのもお前の仕業だな?」
「……ゾフィーよ、悲しき我が子よ、お前に罰と試練を与える。よいか、これから自身の蒔いた種を刈り取れ。さもなくば、この世界はお前の魂と供に、全てが永遠に消え失せるであろう。またその間、罰として死ぬ事は許されん。苦しみながら、お前が嫌う人間として見事試練を乗り越えて見せよ……」
ハッ? 何をバカな。
試練?
罰?
「ん?……待て、創造神!」
「……ノベル!?」
ハッ!?
「どうしたのノベル、顔が真っ青よ? 緊張してるの?大丈夫よ。きっと神様が良い才能を授けてくれているわ!」
「あ~……うん」
創造神め、どういうつもりだ!?
何を刈り取れと言うのだ?
……おっと。
いつの間にか目の前には、小さな水晶があり、神父とおぼしき者がニコニコとこちらを見ていた。
「さあ、怖がることは無い。君もこの水晶に手を触れてみなさい」
「……」
オレはおとなしく水晶に触れてみた。
水晶は触れた者の隠された才能を文字にして映し出す。
「こ、これは、【不死】だと!?一体どういう事だ。こんなのは、初めてだ!すぐに聖教騎士様に報告を……」
急に辺りが騒然となり騒がしくなるが、ノベルは落ち着いた様子で、ただ水晶を見つめていた。
……そうきたか。
しかし、人間の体に不死の能力とは、噂が広まりやっかいな事になる。
面倒になる前に、そろそろ一人で行動するべきか。
まだ騒がしい教会の中で、次の番となったアイラは、水晶を触り固まっている。
「うう、緊張する~」
そして水晶に映し出された文字を、教会の神父が覗き込んでいたが、すぐにまた驚きの声を上げた。
「何と!この子も【不死】とは……」
「うそ……?」
アイラの才能に気が付いたノベルも、驚きを隠せない。
バカな、アイラも不死だと?
創造神、どういうつもりだ!?