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32話 廃墟

 さてと、いろいろあってかなり足止めされたけど、そろそろ出発しないとな。


「なんだと? 貴様もついてくるだと?」


「当然なのである、まだまだ研究は終わっていないのである」


 何事?


「ラージェスさん、どうかしたんですか?」


「いや、ドリターラウ殿が今後も私達と行動を共にすると言ってきてな」


「当然なのである。あの武装はまだまだ未完成、我輩はあれを完成させなくてはならないのである。そのために魔動機兵も渡したしラージェス殿の機体も整備したのである」


「う」


「それともラージェス殿は約束を反故にするつもりであるか?」


「そんなことはない」


「であれば問題ないのである」


 うん、まああきらめるしかないと思いますよラージェスさん。


「この先なにがあるかわからないし、機体の整備ができるドリターラウさんの力は必要かと思います」


「うむ。我輩に任せるのである」


「ヤイチ……。はあ、わかった。ドリターラウ殿よろしくたのむ」




 うーん、ドリターラウさん予備の魔動機兵もあるのか。

 というかあの袋どれだけ物が入ってるんだ?


「ヒサナギ殿、どうかしたのであるか?」


「いえ、ずいぶんいろいろなものが入る袋をお持ちなんだなと」


「うむ、持ち運び用の研究施設と魔動機兵一機。あとはこまごまとしたもので満杯であるな」


「それだけはいれば十分ですね」


「うむ、便利である。これをくれた光神教に感謝であるな」


 こんな便利なものをポンとあげられる光神教か。

 今までの話の流れからすると、貸したつもりが持ち逃げされたって可能性も、無きにしも非ずな気もするけど。


「ヤイチ」


「ラージェスさん、どうかしましたか?」


「あれを」


 ?

 あれはビル?

 でもなんか様子がおかしいような。


「あの建造物、どうやらチキュウの街のようだが」


「そのようですね。ただ何か様子がおかしいような…」


「ちっ!」


「ラージェスさん?」


 街に向かった?

 どうしたんだ?




「これは……」


「遅かったか。ヤイチ、知っている場所か?」


「いえ。落ちている看板などを見る限りたぶん別の国の街かと」


「たしかに、ニホンゴではないな。見たことがない文字だ」


 ところどころ襲われたような跡はあるが人の気配が全くしない。

 救助されたあとなのか?


「ふむ、どうやら街は魔獣に襲われたようであるな。ただ、うーむ少し変なのである」


「ドリターラウ殿、どういうことだ?」


「ふむ、言葉通りであるな。この街に戦艦が下りたような跡があるのに、魔獣と戦艦や魔動機兵との戦闘の跡がないのである」


 ?


「つまり、この街の住人は助けが来ても艦には乗らず、ここに残り魔獣に襲われた可能性が高いのである」


「どういうことでしょうか?」


「ここからは我輩の仮説であるが、この街の住人はニホンゴが通じなかった為に救助に来た者たちと意思疎通が取れなかった可能性が高いのである」


 日本語が通じないと意思疎通が取れない?

 どういうことだ?


「ヒサナギ殿、我輩たちに伝えられたチキュウの言葉はニホンゴのみなのだ」


 は?

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