31話 切り札
「よし、今日はこの辺で終わりだ」
ふー。
戦いを仕事にしてる人の体力はとんでもないな。
ついていくのがやっとだ。
基礎体力は早期に何とかしないと。
この間みたいに、一々筋肉痛で眠ってられないからな。
「ヒサナギ殿、ラージェス殿お疲れ様なのであるな」
「ドリターラウさん! ということは」
「うむ、終わったのであるな」
ドリターラウさんが持ち運び用の研究施設にこもって早三日。
どうやらあの核を使った何かが終わったらしい。
ちなみにドリターラウさんは、魔方袋という不思議な袋を持っていて、そこに色々なものを収納している。
この魔方袋、結構貴重な魔方具らしい。
何でも過去の研究の際に、あまりにも多くの物を使ったり広げたりするので、片付けの観点から光神教から与えられたとか。
「あれを見るのである!」
「あれは…柄? 魔動機兵の装備ですか?」
「うむ、ヒサナギ殿、さっそくあれを使ってみるのである」
頭部の修理もしたのか。
「さあ、ヒサナギ殿!」
「わかりました」
柄をもって……。
どうすればいんだ?
「ヒサナギ殿、使いたい武器の形を頭の中に描くのである」
武器、武器ね。
やっぱりこれかな?
おお!
柄から光るウネウネが。
なんとなく使い方が分かった。
次はこいつで。
うん、若干沿ったこの形。
刀もいけるのか。
実物を手に取ったことも使ったこともないけどね。
「ヒサナギ殿、次は柄の状態に戻して、肩に背負っている遠距離砲撃用装備にその柄を差し込んでみるのである」
えーと、これか。
この形はライフルみたいなもんか?
銃床のすぐ上くらいにある穴にさし込めばいいのかな?
「早速試し打ちをしてみるのである。威力にかなり幅があるので、自分で都度修正しながら使うのである」
幅って言われてもな。
まずは普通くらいをイメージして。
いけ!
「どうであるか?」
「感覚での威力調整が大変そうですが、なれれば使いやすそうです」
「であるか。最後に最大出力で撃ってみてほしいのである」
最大出力ね。
全力、全力。
いけ!
……。
大岩が……。
!?
なんだ?
警報?
「ふむ、どうやら装備のほうが出力に耐えられないようであるな」
まあこれだけの威力だし。
「ヒサナギ殿、今の装備の素材では最大出力での発射は一回が限度のようであるな。その後は冷却完了するまで、その装備は全く使えないのである」
一発撃てるだけでも、この威力。
切り札として十分使えそうかな?




