22話 爆発
……。
近くで見るとデカいなこれは。
ビル2~3棟分が目の前に立ちはだかってる感じだ。
「ヤイチ! 気を抜くなよ。その見た目に反してかなりの速度で動くからな!」
さっきの接近の迫力をみればそこは油断してる余裕もないですよ。
よける感覚をかなり大きくとらないとな。
かすっただけでも生身の俺じゃ、一撃だ。
「ヤイチ、最悪の場合は私が囮になる。そうなったら何が何でも逃げるんだ」
「わかりました」
ラージェスさん、そうは言いますが。
逃がしてくれるのか、これ?
な!?
体から複数の銃座!
工場ってのは要塞みたいなものなのか?
「来るぞ!」
くそ、どこに逃げる?
上か下か。
ラージェスさんが上なら俺は!
下に回って、そのしっぽ!
さっきも怖い目にあったがもう一回ジェットコースターターザンロープ。
背中に回って。
な、背中からも銃座がでてきた?
なんなんだよこのデカ物!
ん?
つぶれている銃座がある?
どういうことだ?
「ヤイチ、くるぞ!」
もう一回下!
む、よく見たらこいつ傷だらけだ。
「ラージェスさん! こいつの傷はラージェスさんたちが?」
「傷?」
「後方か下方に回ってください!」
「わかった!」
さて傷があるってことは、ここから攻められるかな。
でもこの鞭じゃな。
なにか傷を広げられそうなものは…。
あれならいけるか?
「ラージェスさん、一瞬時間を稼いでください!」
「なにをするつもりだ? いや、何でも構わんやってみろ!」
えーと、さっきの魔晶獣からとれた魔晶石をっと。
入れ物入れ物っと、あった!
粉ミルクの空き缶、しかも複数!
よっし、缶の口もちょうどいい大きさだ。
この中に魔晶石を詰めて。
「ヤイチ、そっちに気づいたぞ!」
空から壁!
覆いかぶさってきたのか!?
銃座まで展開するのか。
ハチの巣か圧殺かってとこか。
まあ、どっちも辞退させていただきますけどね!
「ヤイチ!」
すごい音だな。
危ない危ない、危機一髪だった。
あんなもんの下敷きになったらひとたまりもない。
ってすぐに起き上がるのか。
くそ、無駄に身軽なでかい鳥め!
だけど、背中を見せてくれてありがとう!
「おいヤイチ、背中に取り付いてなにをするつもりだ!?」
あった!
一番大きな傷口。
ここにさっきの缶を埋め込んで。
そしてこの靴の高出力でで思いっきり踏みつける!
うおおっと。
思った以上にパワーが。
かなりの高さまで打ちあがってしまった。
下はどうなってるかな?
お、いい具合に爆発したみたいだ。
あれであの傷口がさらに広がってくれると助かるんだが。
ってあれ?
工場が落ちていく?
ラージェスさんも動きを止めちゃってるし。
とにかくラージェスさんのところに行くか。
「ラージェスさん」
「おお、ヤイチ。無事だったのか」
「はい、なんとか。工場が落ちてしまったようなのですが」
「あ、ああ。ヤイチ工場にいったい何をした?」
「傷口に魔晶石を複数詰め込んで、この靴で思いっきり魔力を叩き込みました」
「その結果があの爆発だと」
「そうです」
「……」
とりあえずこれで撤退は可能かな?




