2話 行動
生き生きしてるように見えるか。
そんなつもりはないんだけどな。
っと、それどころじゃないか。
「申し訳ありません、ここにある商品を売ってもらえませんか?」
「そら、金を払ってくれるならかまわんが……」
「ありがとうごさいます!」
とりあえずは水と日保ちのする食料。
後は医薬品の類いか?
レジャーバックなんかもあると助かるな。
「気が変わった、金はいらん」
気づかれたか。
「金はいらんから、俺も連れてけ」
?
「なあ、お前。この状況でどこかに助けを求めようとか、何かに頼ろうとか考えたか?」
「いえ」
どう考えても誰も経験したことがない状況だしな。
既存の組織が直ぐに動くのは無理そうだし。
「お前生き延びることしか考えてないだろ?」
?
「自分ではわからないか。まあいい、とにかく金はいらん。その代わり俺もつれていけ」
何がしたいのかよくわからない。
けど、ここで断ると何も手に入らなくなりそうだな。
荷物を持てる手が増えたと思えば、まあいいのか?
「わかりました。では手を貸してください」
「わかった、何をすればいい」
「日保ちのする食料と水、あとは医薬品なんかを持って外に出ます」
「わかった」
「何か大きなカバンはありませんか?」
「確か忘れ物で大きめの背負える奴があったはずだ」
「それを拝借しましょうか」
「わかった、とってくる。ついでに他にもなにかないか見てくる」
食料、水、医薬品、後は……。
「おい、こいつは使えそうか?」
ヘルメットか。
「ありがとうごさいます。装着していきましょう」
「よし、カバンももう一つあった。バイトの子の物だが緊急事態だ、いいだろう。代わりにそれなりの金をロッカーに入れておいてやったし」
「わかりました。後は荷物を詰めて出発しましょう」
「わかった」
よし、とりあえずの準備はできた。
6:03、そろそろ人が動き出す。
その前になんとか人の少なさそうな場所に移動したいところだな。
外の紫の光も収まっているみたいだし、とりあえず、あの地面が割れた辺りに行ってみるか。




