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1話 生き生き



 空が一面紫一色!?

 酔ってるせいじゃないよな?


 今度はじ、地面が割れた!

 割れ目が広がる?

 何とか向こう側に……なんだ。

 見えない壁?


 アパートが。

 帰るのは無理か……。

 一体なにが起こってる?


 携帯は。

 くそ、使えない。

 コンビニ、コンビニは?


 あった!

 とりあえず何か情報を。

 って、自動ドアも開かないのかよ。

 そういや、街灯も照明も全部消えてるな。

 どこも電気が来てないのか?


 とりあえずドアは自力で開けるしかないか。


 暗くていまいち中の様子がわかんないな。


「誰かいますかー!」


 返事なし。

 いや、コンビニに誰もいないなんてことあるのか?


「すまない、少し待ってくれ」


 いた。


「わかりました、中に入っていても?」


「ああ、かまわん」


 店内の照明類も一切光ってないな。

 外の光のお陰である程度の物は見えるが。


「くそ、これもダメだ」


 奥で何かを確認してるのか?


「くそったれ」


「申し訳ありません、店に入らせてもらっています」


「ああ」


「何が起こっているんですか?」


「俺が聞きたいくらいだよ。電気類が全て動かなくなっちまってな、電話ぐらいは行けるかと思ったんだが、ウンともスンとも」


「携帯は?」


「ご覧の通りだ」


「真っ暗。一緒ですね」


 照明がつかないのは電気が来ていないからってのはなんとなくわかるが、なんで携帯の電源がはいらない?

 少なくとも携帯の充電はさっきまでしっかり残っていたはずだ。


「懐中電灯は?」


「ここにある」


「借りても?」


「かまわんよ」


 駄目だ点かない。

 電池切れか?


「おい、何処に行く?」


「電池の売り場は?」


「すぐそこだよ」


「後で代金は支払います」


 ……駄目か。

 電池を変えても点かない。


「すいません、ライターってありますか?」


「ほらよ」


 ……。

 ライターも点かない。

 もしかすると電力だけの問題じゃないのか?


 もし、仮に火力も電力も使えないとなると……。

 携帯もテレビも使えない、多分ラジオも無理だ。

 全く情報も入ってこないとなると……大パニックだな。


 深夜だからかまだ大きな騒ぎになっていないが、夜が明けたら何が起こるのか予想もつかない。


 夜明けか。

 そうだ、今何時だ?


「今、何時かわかりますか?」


「駄目だ、時計も止まっちまってる」


 時計も駄目か。


「おい、お前の腕時計は動いてるみたいだぞ」


 ?

 そうか、こいつは自動巻き上げ式。

 こういった手動に近いものは動くのか?


 5:02か。

 あと一時間程度で夜が明けるか。

 どうする?

 夜明けを待つか、今すぐ動くか。


 大勢が動きだせば必ずパニックになるよな。

 そこからある程度落ち着けば、次は水と食料か。

 この分だと上下水道も使えないだろうし。

 食料だっていつ手にはいるのかわかったもんじゃない。


 となると、ここは危ないか。


「おい、どうした?」


「いえ、少し考えごとを」


「お前、えらい冷静だな」


「そんなことはないですよ。こんな状況いままで経験したことがないですし」


「まったくそうは見えないんだが」


「トラブル時だけ、生き生きしてると言われたことはありますが」


「ああ、今がまさにそんな感じだ」

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