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P.10

 梶原梶原梶原梶原。あいつ、周到に俺の敵に火を付けて回ってやがる。学年首位様はやることがえげつない。そりゃそうだよな、人気者にはそれと同じくらい、嫉妬してるやつがいる。出る杭を打ちたくてたまんねーやつがいる。しかも、夏野さんも出る杭なんだよ。女子連中の嫉妬は俺にも向いてるけど夏野さんにも向いてる。2人で話して、別れたってことにしてあるのに、そんなのカンケーありませんヨー!ってな風だ。こんな、こんなに悪意で溢れてたのかこの学校は!? 


 今日、梶原を引っ張って話したんだよ。やめてくれって、せめて夏野さんを責めるなって。付き合った日のことも洗いざらい話して、謝ったよ。でもダメだ。感情の無い顔って、こんなにも絶望を生むのかと。


「今更、そんなことを言って何になるの? 慎、俺はお前のこと信じてたんだよ。夏野が、俺を振った。早すぎたんだ。何の微塵の躊躇なく俺のこと振って、次の日にはお前らの噂があった。あぁ、夏野は、慎のことが好きだったんだって、理解したし、お前がそれについても話してくれるって思ってた。親友だと、思ってたから」


「でも、違ったよな!? お前は話してくれるどころか、どんどん俺を避けたよな!? 居心地の悪さはあったかもしれねーさ。でも、結果てめぇ、俺との友情を捨てただろ!? 裏切っただろ!? ……それでどーだよ、いざ自分が困ったら助けてくれやめてくれ。笑えねーよ、俺がどんな思いで慎と、夏野を見てきたと思ってんだ」


 何も、言えなかった。俺は不正解の行動をしたと突き付けられた。梶原の憎悪の慟哭が聴こえた気がした。でも、それでも、それならば夏野さんを攻撃することないって、なんとかそれだけは言えた、でも。


「俺が苦しんだのとは別の感情で、お前も苦しめばいいんだよ。ってか、もう俺に止められるような状態じゃねーから」


 親友だったやつを殴って、俺はもう、真っ白になった。

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