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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

世界とは自分であり自分の答えは世界の答えである

作者: りんりん

私は無力だった。

時が進む事にずっしりとその重みを増していく彼女の前で、ただ立ち尽くすことしか出来なかった。

もう消えてしまったはずの彼女は、足元の血溜まりをじっと見据えてるはずなのだが、時折こちらを見ているように錯覚してしまう。

彼女はこちらを見て、静かにこういうんだ。

「あなたのせいで、私は……」

力なく首から吊るされた彼女は、こちらを見ることも、何かを告げることも出来ないはずなのに、確かにそう言っているのを感じる。

自分のせいなのか?これは、自分が招いたことなのか?

自分自身に問いかけたはずのそれは、世界によって返答される。

ただ紅の水滴が垂れる音が響く、それが世界の答えだ。

その重苦しく淀んだ空気、それが世界の答えだ。

ならばまた、これも世界の答えだろうか。


自分は彼女の腹に突き刺された刃を引き抜き、自分の胸に刺す。

そして、意識が消えてしまわないうちに彼女の隣にそっと寄り添った。

麻縄のちくりとした痛みが、今はただただ心地よかった。

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