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プロローグ
妙に生暖かい風。少し湿度の高い所なのだろうか。
それに続いて次は固めの地面。コンクリートの上なのだろうか。
仰向けの体制の中、想像力をまどろみかけた意識の中で働かせながら、ゆっくりと彼、太刀川白兎の意識は戻ってきた。体を持ち上げようとするが力が入らない。そして、気づくと痛覚が戻ってきた。体中が痛んでいるのがわかる。
やっとのことで体を半分起こす。
「……あれ……?ここ……は……」
しかし、記憶を辿ってみても現在の景色にまったく見覚えがない。
どうやらここは少し広めの道の脇らしい。少し西欧の雰囲気を漂わせ、やけに賑やかな様子を見ていると、次に露店が目に入る。いろいろな物資を売っているそれが、景色の約三分の一を埋め尽くしている。あとは酒場などの店……。
その景色を傍観しているうちに、白兎の頭の中の記憶の一部と重なった。それは、男ならほとんどの人が一度は夢を見る世界。そして昔からゲームや漫画にのめりこんでいる彼ならなおさらその意識は強い。
その感覚を踏まえて現在地を考察する。その結果……
「まさか……い、異世界か!?」