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推理

突然の神楽の直哉に対する愛人宣言に場は大混乱した


「なあそこの近衛さんや、この皇帝色々と大丈夫かな? なんかどこの馬の骨とも知らないに不審者を愛人にするとか言ってるんだけど?」


「その点については同意見だ小林とやら...陛下何バカなことを!」


「陛下! 幾ら周りにマシな男がいないからってバカなこと仰らないでください!」


近衛達は神楽を止めようとしたが、神楽はそれに何か企んでいるような黒い笑みで答えた

直哉はそれを見て少し考え、立ち上がり部屋を物色し始めた

神楽もそれに気づき、説得する近衛の言葉を受け流しつつ観察し始めた

そして三十分後、直哉は神楽の真意に気付き


「...そういうことか! そう考えたら当てはまる!」


そう叫んだあと神楽に詰め寄った

神楽もそれに嬉しそうな笑みを浮かべると、詰め寄る直哉を止めようとする近衛を止めた


「気付いたようじゃの、さあ答えてみよ。」


神楽のその言葉に、直哉は答えた


「ああ、自分でも信じられない状況だけどね...」


そこまで言うと直哉は壁に掛けられている世界地図と本棚にあった歴史書を目を向けた


「まず一つ目にこの世界地図と歴史書だ、これによればこの国...扶桑帝国は1180年に源平合戦(治承・寿永の乱)が起こりかけたと書かれていた。

まずこの時点でおかしい! 俺の知ってる歴史ではこの戦いで平氏は滅び源氏による鎌倉政府が建てられるはずだ、けどこの国では起こる寸前で皇帝が両者の仲裁に入り、国外への進出を促し、この国は今現在大海洋国家となった。

ここまでで俺はこの国が、異世界の日本によく似た魔改造国家だってわかった。 だがここで疑問に思った、どうやってもう修復不可能なまでに仲が悪かった両者を和睦させた? どうやって海外に進出出来る技術を手に入れたんだ?」


直哉はそこで区切り、部屋の片隅で埃をかぶっているものに目をやった、それは昔大量生産されたとあるメーカーのパソコンだった


「だけどその疑問はこいつで解けたよ...過去にいたんだな、俺と同じ存在が...転移者とでも言おうか、もしくは転生者でもいたか?

とにかく知恵や技術をもった転移者や転生者が国外への道を示した、喧嘩して消耗するより互いに富を得られると言って後の戦国時代が来ないようにした...未来でこの国が繁栄するように。」


直哉はそこまでいうと神楽を見つめた


「あんたは気付いたんだな、俺が転移者だと、そして自らの手駒にするつもりで俺を愛人にすることにした・・・まあ、愛人っていってもあんたじゃなく別の女でも宛がうつもりで...違うか?」


直哉の突然の推理を呆然と聞いていた近衛達だったが、パチパチと部屋に響いた拍手の音の方向に顔を向けた

拍手をした神楽は


「合格じゃ! まさか本当に見抜くとは! 見事!」


とウキウキしたような笑みを浮かべながら言った

そしてそれに続けるように


「その通りじゃ、こっちでは神隠しというのじゃが、扶桑には古来より神隠しにあった人間が時折現れての、知恵や技術を運んでくるのじゃ、そうした現象により帝国は繁栄してきたのじゃ。」


だがそこまで言うと彼女は悲しい表情を浮かべながら直哉を優しく抱きしめた


「じゃが悲しいことに誰も元の世界に帰れずにこの国で死んだ...おそらく直哉、お主も帰れんじゃろうて...」


直哉は抱きしめられながら小さく


「ああ、信じたくなかったが何となく予想はしてた...まあ、親も妹がいるから大丈夫だと思う、あんたが心配するなよ。」


と返した

神楽はそれに少し悲しい笑みで返した

そして神楽はその湿っぽい雰囲気を吹き飛ばす様に近衛に尋ねた


「そこのお主、今何時じゃ?」


「現在夜の10時でございますが...?」


尋ねられた近衛も意味が分からないように神楽に返した

神楽はそれを聞くと


「そうか、では全大臣達に明日朝11時に会議を行うと伝えよ、それと明日は起こしに来なくてよい、では全員戻るのじゃ」


「しかし!...わ、わかりました。」


と近衛に言い、反論しようとする近衛を無言で黙らせ戻らせた

部屋には流れに置いてかれた直哉と神楽の二人きりになった

そして神楽は直哉をベットに押し倒すと


「直哉よ、一つ間違いがあったわ、お主はわらわが別の女を付けると考えておったようじゃが違うぞ、わらわ直々に相手してやるわい、いずれはわらわの夫になってもらうからの!」


と色気溢れる表情をしながら跨った、直哉はとっさに逃げ出そうとするが逃げられず


「ちょ! むぐ!」


神楽に口をふさがれた



夜は更けていった...

ちょっと無理やりでしたかね?

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