各国軍備配備状況
各国軍備配備計画調査報告書
この機密報告書は秘密協定につい先日漏洩した『人類共存態構想』に基づき共有されている各国の軍備配備状況に関する報告書である
本書類に記載されている情報は民間に漏洩した場合混乱状態に陥る可能性が有る為第1級機密指定がされており、漏洩者はどのような立場の場合でも処罰の対象となりうる事をここに記載して置く
現在世界情勢により各国の軍備は細菌兵器を中心とする特殊兵器及び水素弾頭等の核兵器よりも通常兵器の配備に重きを置いており、配備されている核兵器は公表されている数値で間違いないと思われる
大西洋連邦
列強
通常核約20発・水素弾頭約3発
中規模国
通常核約5発
小国約
通常核約2発
中立連邦
列強
通常核約20発・水素弾頭無し
他中小国配備状況確認無し
同盟連邦
列強
通常核約10発・水素弾頭無し
他中小国配備状況確認無し
また生物兵器及び毒ガスに関しては陣営関係無く共同保有によりワクチンや対処法研究以外での使用禁止協定が結ばれている為、兵器使用の可能性は限り無く低いが警戒中である
通常兵器についての報告
大西洋連邦
歩兵
主力火器、7.62ミリ弾を使用するM18自動小銃及びその派生型各種 この銃火器は近衛侍従武官からの情報提供にあったM16自動小銃に酷似している為、性能に関しても射程距離以外はそこまで違いはないと思われる
M1941軽機関銃 上記の弾薬の互換性と需要増加を狙って開戦圧力をかけたブローニング社が軍事産業から締め出されたのが理由と思われる
手榴弾、M26手榴弾
拳銃、M1911
対戦車兵器、M72 LAM
その他装備も対テロ装備として近代化しつつあり、随時調査を行う
車両
トラック等は僻地向けにM520に更新しつつあるほか、それ以外もM54トラックに更新している
戦闘車両に関しても装甲車や歩兵戦闘車を中心に更新しつつある
航空戦力に関しても同じで制空戦闘機を中心に新型が配備されている
海洋戦力も攻撃型海軍から防衛海軍に変わりつつあり、緊張度は下がりつつあると判断
総評として全体的に防衛軍化しつつあり、警戒態勢は緩めるべきでは無いが危険度は低下しつつある判断する
基本的にアメリカ連邦国製の兵器を格安で輸入しているほかライセンス生産している模様
中立連邦
歩兵
各国で採用している兵器が多すぎて記載せず、しかしその弾薬は7.62ミリ弾で統一はしている模様
戦車やその他車輌
同じく記載せず、しかし近年では大戦で生産され放出されている各陣営の戦車や装甲車やトラックを格安で購入し改造し戦力化している模様
航空戦力も同じ方法で確保
海洋戦力に関しては巡洋艦以下の鑑定は大西洋連邦から、それ以上の大型艦は同盟連邦から旧式艦を購入し戦力化している模様
その中でも海上要塞として改造した旧式戦艦及び旧式空母を近代化、我が国で多数建造された大型輸送タンカーを強襲揚陸艦として改造している等潜在的な驚異度は増しつつあり、しかし地理的要因及び民間意識等鑑み危険度は低いと判断
全体的には数的には充足しつつあるが、歩兵戦力以外の練度は伴っていない為現在はそこまで脅威では無いと判断し、警戒はしつつも協力体制を構築することを提案
各勢力の以上の動きから我が同盟連邦が取るべき軍事的行動は
1つ 同盟連邦構成各国の多国籍軍である同盟連邦機構軍における兵器の統一
陸上戦力
歩兵装備は今現在配備が進みつつある36式自動小銃の改良型である42式自動小銃及びその派生型への統一やその他装備の統一
車両
帝政ロシアにおいて設計量産されているZIL-131トラックとその派生型に統一
主力戦車は大戦において実戦を経験し改良されたHKKSKー3の正式量産型である『TR-13』及びその派生型で統一し、各種費用を削減する事を提案
航空戦力
現在開発中の制空戦闘機『陣風』の早期生産、またそれ以上に現在少数配備状態になっている地上攻撃機『落雷』の早急な量産を進言、また対地掃射機『大鷹』に関しては『陣風』の配備が開始した後生産を開始する事を提案
また回転翼機であるヘリコプターに関しても輸送型だけでも早急な大規模配備を進言
海洋戦力
水上艦に関しては隠密性も重要ではありますが対艦戦闘の際には隠密性は必要無い為、隠密性に優れた艦艇は少数生産にとどめ、ブロック工法によって多種多様な任務に対応可能であると同時に隠密性を重要視せず戦闘能力及び情報収集能力に特化した汎用艦を中心とした艦隊編成にすべきと進言
また民間への核利用としては現在各国共同で研究開発中の液体燃料原子炉への更なる支援を提案します
最後に現在同盟連邦が研究中の大型電磁加速砲及びその照準装置の開発計画『デ1号計画』、大西洋連邦が研究中のAAレーザーである対空レーザー砲の開発計画『アテナ計画』、中立連邦が開発中のこれらの兵器を搭載する予定の超大型空中母艦の早急な開発を強く進言いたします
機密情報保護の為報告者の記名は致しません
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「この報告書書いたのって誰かわかる?」
「確か戦術研究部所属のヤオ・ウェン大佐ね、4年前に近衛独立空挺部隊から参謀本部に異動した後すぐに戦術研究部に異動したらしいよ。 私と同期で時々話してたから、本人曰く歴史研究ついでに書いたって。 まあ軍人らしく無い軍人で変わり者の亡命2世よ。」
報告書を読んだ直哉の問いにグレイスが答えた
直哉はその言葉に少し苦笑いを浮かべた
「なんか俺の知ってるアニメキャラとものすごい被ってるんだよなぁ...まあいいや、ちょっと詳しく聞きたいからお願い出来る?」
「わかった、手配して置く。」
「よろしく。」
その後直哉はヤオ・ウェン大佐と話し合いを行い、彼は近衛即応部隊参謀に就任する事となった




