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風雷作戦 アメリカからの離脱者達(尚アメリカの自業自得)

1937年7月4日午後2時

ラスベガス近郊の荒野 


『小隊毎に突っ込めボーイズ! 侵略者のサル共を地獄に叩き出してやれ!』


『各車連携して迎撃! 砲撃観測兵の指示の元砲撃せよ! 連中に本当の戦争ってやつを教えてやれ!』


ラスベガスから出撃した扶桑帝国軍部隊が浸透してきたアメリゴ合衆国陸軍機甲戦闘団相手に戦闘を繰り広げていた

戦線が膠着してからというもの合衆国の戦略は若干の変化を見せた

従来は圧倒的多数の戦力で前線全体で攻勢を行う一種の工業力に物をいわせた戦略だったが、現在は前線の穴を諸兵科連合部隊である機甲戦闘団で浸透し都市や補給線を脅かす長期戦略に移行したのである

機甲戦闘団とは、機械化歩兵1個大隊・戦車3個大隊・自動車化砲兵1個中隊を中心とした高速機動部隊で、ゲルマン連邦帝国陸軍が多用した戦闘団を模して編成された打撃力機動力を兼ね備えた強力な部隊だった

この動きに扶桑帝国軍は、補給部隊の重装備化・中継拠点の増設・都市の防衛戦力の増強で対応しており、こうして今日も戦車を中心とした迎撃戦闘が行われていた

最も


『クソ! 日暮れまであと少しだ、引くぞ!』


『追撃はしなくていい! 負傷者を1人も残すな! 戻るぞ!』


大抵防衛に徹する扶桑軍の守りに適わず、夜間は扶桑軍の夜間装備の航空隊が乱舞する為早々に撤退していった

扶桑軍にとって迎撃しやすい大規模攻勢よりも部隊数が多く何度も湧いてくる戦闘団の方が手ごわい為、徹底的に嫌われており、扶桑で編成された戦闘団は諸兵科共同戦闘団・諸兵科連合部隊も諸兵科共同部隊と名称が変更された位である

ただ何度も勝利を重ねた事により福音もあった

浸透してくる合衆国軍部隊に対応する為の兵力の不足に苦しんでいた扶桑帝国軍に協力を申し出てきた人々が現れたのである、それはインディアンと呼ばれる大陸先住民達と黒人等の有色人種を中心とした占領地の民衆だった


彼らは長年白人達から迫害と差別を受けてきており、我慢の限界に達していたのである

大陸先住民達は入植してきた白人達に何度も虐殺にあっており、今までも少数の心優しき白人達の協力の元生き延びてきた

黒人達は先祖が奴隷として渡って来た事から合衆国に貢献してきたのにそれに報われなかった所か、戦局の悪化から私有財産の没収や強制労働に投入された事から愛想が尽き扶桑に接触した

それ以外の白人の民衆も後述の理由で接触した


彼等は、対レジスタンス活動・物資の提供・情報提供等を行う事を提案したのである、その対価として要求したのは...


カリフォルニア州・ネバダ州・アリゾナ州の3州の独立、『アメリカ自由共和国』の建国の協力であった

提出された基礎案は友愛主義の憲法学者や大陸先住民達や黒人達専用の大学の教授達を中心としたチームにより完成されており、文句の付け様が無い完璧な物だった

この提案は即座に暗号通信で本国に送られ、即日許可された


扶桑帝国軍は虫のように湧いて出てくる自称レジスタンスとかいうテロリスト共にウンザリしていたのである、なんせキチンとレジスタンスとして扶桑軍に襲撃するだけならまだ扶桑軍も叩き潰すか住民への生活保障で対応するが、自称レジスタンスは白人を中心に構成されており関係無い民間人を巻き込んだり私刑を多用するという平穏な生活を望む民衆の間でも嫌われていた連中だったからである

具体的には協力に応じない民衆に対して私刑や拷問に加え強姦などを行いそれを扶桑軍の仕業だと吹聴する等を行い、扶桑軍が自分達に限らず民衆に配給する為に購入した食料等に無差別に毒を混ぜ込む等の蛮行を行ったり、その食料等を納入した企業に支援要請と宣い強盗に走るなど行った

武力行使等も私服を着て私物の拳銃やライフル銃・撤退する際に置いて行ったり地下経由で隠密裏に工作員が持ってきた対戦車バズーカや機関銃・御手製火炎瓶や手榴弾で武装し、占領している都市や村落で巡回や警備についている扶桑軍に襲撃する際に近くの何も知らない子供を使って注意を引かせて子供事襲撃する等などを平気でしでかしそれを『偉大な大義の為に死ねたのだから光栄に思え!』と平気な顔で言い放つ『正しき正義、侵略者に対する聖戦』に酔っている連中だからだろう

問題等が起きないように後方警備専門に配備されている扶桑軍の将兵も戦闘訓練よりも論理教育に時間を割いているだけあって、襲撃を受けた際には子供を守りつつ反撃する為民衆には好意的にみられていた、そして何よりも民衆や開拓者の護衛の為設立された事を誇りに思っていた為怒り心頭であった


こういった行為を繰り返した事から、初め大抵の民衆は扶桑帝国軍だけではなくレジスタンスに協力しないことを明言していたが、それに激怒したレジスタンスは略奪・私刑行為等を更に活発化させた為、扶桑帝国軍占領地の民衆はレジスタンスに対し支援している合衆国政府に急速に離反しつつあったという状況もこの企てを後押しする事となった


なんせ扶桑帝国軍占領地には膨大な量の物資と多数の憲兵が展開されており、後方警備専門に編成された警備部隊の将兵の教育も合わさって将兵達が起こす犯罪は占領地で暮らす民衆達が驚く程低かった

扶桑帝国軍将兵達からしたら品質こそ普通だが拠点の酒保や支給品で現地のに限らず故郷の酒や食事が食べれるので不安は無く、娯楽も酒を飲まない事や絶えず最低4人で行動する事に決められた金額しか使わない事等を守れば現地のカジノで賭博できる為問題なく、最大の問題である人を抱きたく成れば大きい拠点に設置されている従軍娼婦と呼ばれる軍と契約している娼婦を格安で抱ける為態々犯罪に走る理由が無かった

...というよりも軍法違反になれば自身は銃殺刑で所属部隊も連帯責任で罰せられる為、各部隊の将兵は軍法違反になる事を恐れていたというのも大きかった、なんせ扶桑帝国軍の軍法裁判は将兵とて甘く対応される事は無いという事で有名であるというのもそれに拍車をかけていた


そしてその日がやってきた...


1937年7月9日午前10時

ロサンゼルス市議会議場


「今日我々カリフォルニア州を始めとするアリゾナ州に加えネバダ州のフソウ帝国軍占領下の地域の一般市民は合衆国からの離脱を宣言する! これはレジスタンスと名乗る盗賊共からの自衛の為の独立である! 今まで我々は合衆国を、連邦政府を信じてきた! フソウへの協力拒否もその為だ! しかしその我等の行為は裏切られた! 合衆国はレジスタンスに武器を供給し続けている! レジスタンスは我々民衆を巻き込んでフソウへの闘争へしているのも合衆国政府は知っている筈なのにだ! つい先日も何も知らない子供にフソウ兵に話し掛けさせ注意を反らさせその子供事バズーカで攻撃したのは記憶に新しいだろう! もう我慢できない! 改めて宣言する! 我々は今日この時より我々は合衆国から独立する!」


アメリカ自由共和国初代大統領に就任したリチャードソン・リンカーンの議場の壇上で独立宣言が読み上げられた

リチャードソンは南西部に影響力を持つ議員で、昔から反差別を唱えてきた事で選ばれた政治家である

リチャードソンの就任後の初仕事は扶桑帝国に対しての交渉だった

この日航空機を乗り継いでやってきた全権大使の近衛武官の直哉を中心とする交渉団との交渉は比較的直ぐ終わった


1つ目に陣営参加である

そもそも暴れまわるレジスタンスとそれに支援し続ける合衆国からの離脱な為中立国としての立場をとる事を確約した

扶桑帝国も敵対せず安定化させる為ならと同意した

2つ目に戦争協力である

自由共和国は扶桑帝国には敵対しないが合衆国軍との戦闘には参加しない事を明言し、これから編成される自由共和国軍は主に暴れまわっているレジスタンスや犯罪者に対しての軍事行為のみに対して行動する事を確認した

扶桑帝国もそれに同意すると共に、かなりの場所を取り持て余していた鹵獲兵器を譲渡する事を伝え同意した


他にもいろいろとあったが大まかには


自由共和国(# ゜Д゜)「レジスタンス許さん、それ支援する合衆国も許さんから独立する!」


扶桑帝国(/・ω・)/「じゃあ独立協力するし鹵獲した兵器あげるから最低でも中立で邪魔せんどいて。(安定化してくれれば負担減るだろう多分)」


自由共和国( ゜Д゜)「わかった、元々自衛の為の独立だし犯罪者以外の同胞撃ちたくないし中立でいるわ、物資とか輸送部隊の襲撃はしないけど裏切ったら敵対するよ、合衆国がきたら武装解除する。 その代わり今まで通り駐屯してて良いよ。(武器くれるのかラッキー! しかも今まで通りお金落としてくれれば儲かりそうだ。)」


という事である

こうしてアメリカ自由共和国は独立したのである

そして自由共和国は自由共和国領各地から集まったミニットマンや様々な自警団を中心とした3万の志願兵で自由共和国軍を設立した、自由共和国軍にはレジスタンスによって家族を亡くした人々がこぞって参加し急速に規模を拡大させていった

初めは武装を鹵獲品で済ませていたが、直ぐに少しでも補給を軽くしたい扶桑帝国からの要請で精製済み石油燃料との交換で扶桑帝国自衛隊及び陸軍で採用されている装甲車や銃火器で武装していった

そして最終的には...


歩兵―主兵装 36式半自動小銃(自衛隊主力火器)もしくはウィンチェスターM1912 M2機関銃

   副武装 コルトM1911 マークII手榴弾 37式対戦車噴進砲

   車輌 35式装甲車(ドイツのSdKfz263装甲車をベースに開発された主力装甲車 ちなみに皇国陸軍の主力装甲車でもある)及びGMCCCKWトラック

というものとなった、因みに合衆国製の物は鹵獲品である


そして自由共和国軍は大隊毎に分かれ自由共和国国内へ展開するとレジスタンス狩りを開始した

これにより自由共和国内でのレジスタンスの蛮行は収まっていく事となる

合衆国内ではこの動きに一部の民衆から『反乱だ!』『裏切りだ!』という過激な声が上がったが、元々憲法で圧政に対抗する事を認めている為無知を晒すだけとなった

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