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戦場に響くは鉄の咆哮 風雷作戦発動

やっとこさ時間が出来たぞオラァ!(接客業)

1937年5月28日午前7時

サンディエゴ戦線 合衆国要塞陣地


「良いか! 絶対に外に出ずに直接目を向けるな! 引き裂かれるぞ! ペリスコープを使え!」


「大佐まだ連中見える範囲にいません!」


「チクショウ! ここら一帯の全部吹き飛ばしそうな砲撃だぞ! 直ぐに攻撃してくるんじゃないのか!」


塹壕の司令部内で第3装甲戦闘旅団の指揮官の大佐が参謀に対し、そう言い放つと参謀は


「後方の師団本部からは『持久に徹して反撃せよ』としか指示が来ておりません、どうします!」


と砲撃音に声がかき消されないようにそう叫んだ


現在進行形で外では、まず長射程の野戦榴弾砲がコンクリートなどで要塞化された塹壕を砕いた後ロケット砲で歩兵達や車両を薙ぎ払っており、塹壕内で生き残った兵士達や車両がいつ終わるかもわからない猛砲撃が終わるのを息を潜め待っていた


そして砲撃が終わり、塹壕から顔を出してみると


「何? 軽装備の部隊が我々を半包囲しているだけだと? 戦車はどうした?」


「何でも中隊規模の対戦車自走砲しか確認されておらず、小さな塹壕線があるだけとか。」


中隊規模の対戦車自走砲と2台の電子線車両を中心に3個大隊規模の諸兵科連合部隊で半包囲されていることに気づき、大佐は悩み始めた

そして近くの通信兵に尋ねた


「師団本部と通信できるか?」


「有線は砲撃により範囲で消滅、無線は通信妨害で使用不可能、現在工兵隊が隠れながら再敷設中。」


大佐の問いに通信兵はそう返した

大佐は少し考えると話し始めた


「参謀、確か最後の指示は『持久に徹して反撃せよ』だったな?」


「はい、その通りで。」


「それで反撃できるかね?」


「不可能です、兵員は砲撃で深刻な被害を受け車輌や重火器も吹っ飛ばされています。」


「よし、なら狙撃兵をだして嫌がらせを行いつつ後退準備をおこなうとするか、積極的な反撃は無しだ...腐りきった政治家共とくたばってほしい金持ち共の為に命を貼るなんてバカらしいだろ? 安心しろ我々は師団本部の最後の指示に従っているだけだ、援軍が来るまで兵員の救護に努めろ! なんせ医療目的や後退目的なら余計な戦闘して戦死者出すの嫌ってフソウは撃ってこないからな。」


そして大佐の指揮の元、旅団は陣地を放棄し後退する準備をしていると


「大佐! 師団本部から新たな命令が届きました! 『各旅団は即座に後方のメヒカリ基地に後退せよ!』との事です!」


と通信兵が師団本部からの命令を大佐に伝えた

書類を燃やす為近くにいた参謀は


「な! メヒカリは前線からかなり離れた物資輸送の要だぞ! どうしてそこまで!」


とおもわず言ってしまった、それに大佐は


「とにかくだ本部からの命令が来たんだ! 全部隊撤退! 動かせる車両掻き集めろ! 兵士達が最優先だ! 持っていけない兵器の類は処置して置いていけ!」


と命令を出し、追撃にそなえつつも急いでメヒカリへ後退していった


その頃、包囲していた扶桑帝国陸軍第221機械化歩兵中隊の中隊長と参謀は師団本部からの指示に頭を捻らせていた


「参謀、なんで本部はここの合衆国軍部隊は半包囲するだけして待機なんて命令だしたんだろうな?」


「わかりませんと言いたいところですが、何となくは...おそらく終戦が近いからだと思われます。」


中隊長の問いに参謀はそう返した、中隊長はその言葉に少し笑みを浮かべると


「そうか、少しでもお互いの戦死者を減らしていくってことか...よし、総員進め! 置き土産に注意しつつ陣地を制圧しろ! 時間は幾らでも掛けて構わん!」


と命令を出して進んでいった


5月29日午後1時 

合衆国軍主要補給基地メヒカリ基地


メヒカリに到着した旅団がまず目にしたのは合衆国本土のあちこちから終結した数え切れないほどの戦車部隊と膨大な補給物資や兵員の姿だった

その光景に到着したばかりの大佐は圧倒されていると


「やあ大佐、無事でなによりだよ。」


「中将! どうしてここに!」


本来ならペンタゴンに居るはずの補給担当の責任者であるハワード中将だった

ハワード中将は、敬礼をしている大佐に対して返礼すると話し始めた


「ここに大規模な機甲部隊が展開する事となってね、ペンタゴンで対応していては間に合わないほどの規模になったから呼ばれたのさ。」


そこまで話すと、後ろにいた部下に消耗しきっている旅団に対して物資や兵員の補充をするよう指示を出した

大佐はそれに感謝の言葉を伝えると


「確かにここから見る限りだと恐ろしい程の戦車隊ですね。」


と話した

中将はそれに頷くと


「なんせ戦車1万5千両を中核とした大規模攻勢を行うらしいのだよ...ヨーロッパに持っていた車両の大半は兵員が帰国するための取引の為取り残されて使用できず、本土のありとあらゆる基地から旧式新型構わず掻き集めたり、五大湖周辺の工場で生産された戦車を急いで配備しとるからなぁ...ここだけの話、政府はここの所高まっている厭戦気分を吹き飛ばしたいそうだ...海軍のグランド・フリートが壊滅状態に陥ってせめて陸では勝たないと戦争継続すら危ぶまれているからな。」


と話し


「大佐、貴官の戦闘旅団は再編成が済み次第このメヒカリ基地の防衛任務を命じられる事になる...この戦いは戦車が主役になるようだ、気を付けておくように。」


と話し、再び整備と補給を受け出撃に備えている戦車隊を見始めた


そして6月1日午前6時

攻勢の準備をしていた合衆国軍は1本の通信を傍受した、その通信は平文で


『サクラサクラ』


となっており、その直後前線に展開しているほとんどの哨戒部隊から入った報に司令部は恐怖に陥る事となる


『フソウ軍が攻勢を開始した!』


そして眠りし大国はその力を解き放った

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