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パリ講和条約

「(どうしてこうなった! どうしてこうなった!)」


緊迫した雰囲気の漂う会議場でガリア共和国大統領はそう心の中で叫んだ

会議場ではガリア共和国出席者の役人達とそれに相対しているのは、山下奉天大将と扶桑帝国外務大臣である芝原とその御伴の役人達...そして


「良く聞こえなかったな...まさか条件付き講和とかほざかなかったよなぁ?」


腕を組みどこぞの893組織の幹部の如くテーブルに足を乗せ目が笑っていない笑みを浮かべながらオーラを撒き散らしている近衛兵の着用する緑と金色の軍服を着た直哉と


「ハッハッハ、我が祖国ゲルマンに宣戦布告無しの奇襲攻撃かましているのだ、気の性であろうよナオヤ君?」


「そうですよナオヤさん、幾ら何でも....ねぇ?」


ゲルマン連邦帝国国家宰相兼宮廷画家のアドルフ・ヒトラーと何故かいるエルザ・フォン・バルクホルン少将ことエルザ、そしてその御伴に役人達だった...完全に文官である役人含め全員オーラを撒き散らしている

他にも同盟主要国の代表がいるがこの2国のオーラに完全に呑まれ空気と化している


今回の交渉でガリア側が出そうとした条件は

1・今回の降伏はあくまでも扶桑帝国に対しての降伏であるため他の同盟陣営諸国は手を出さずに、直ちに指定した地点まで軍の後退と扶桑帝国軍の増強を要請する

2・あくまでも単独講話の為、同盟陣営諸国はガリア国内に存在する連合陣営諸国の軍の撤退を認める、その際の監視は扶桑帝国軍が行う

3・ガリア、ゲルマンの両国は互いに賠償請求権を放棄する

主にこの3つであり、具体的には


1・『今回の降伏はフソウにしただけだから他の国々は口と手を出すなよ! 特にゲルマン!』

2・『これ単独講和だから他の連合陣営諸国の軍が撤退するのを認めろ! フソウはその監視兼人質な!』

3・『こっち賠償請求とかしないから、ゲルマンもするんじゃねぇぞ! したらフソウが出てくるからな!』


とこのような感じである、さすがにここまでの条件は受け入れられるとは思わず、さすがに後の交渉で妥協点を見出すつもりだったようだが


「なあ、宣戦布告無しの奇襲攻撃かまして今回の大戦引き起こした挙句に、ゲルマンの領土で蛮行起こしてしておいて、いざ自分達の身が危なくなったら即座に降伏した挙句こんなふざけた条件だすとか...戦争舐めてるのか? さすが自分達の王に全ての責任押し付けて革命起こした挙句ギロチンにかけた国の政府は言う事がちがうねぇ...なんか言えよ。」


「ハッハッハ、流石に喋ってもらわないと交渉になりませんからねぇ...エルザ、サーベルを抜こうとするのはやめなさい。」


直哉とヒトラーの言葉に一言も話せないでいた

更に現在直哉の隣にはエルザがおり、しかも直哉の腕を抱きしめていてそれも場の空気が混乱する要因となっていた


「あー、Fräulein(ドイツ語でお嬢さん)「エルザで大丈夫ですナオヤさん!」...エルザ殿、出来ればその国家間の話し合いの場ですので...」


「『捕らえた獲物は逃がすな』が家訓ですので。」


「ナオヤ君、君に敗れるまで地球最強と呼ばれたエルザを止められるのは君しかいないから諦めてたまえ、そして責任とって結婚したまえ...てかして貰ったほうが政治的にも利益となるからな。」


直哉の言葉にエルザとヒトラーはそう返した

完全に自分達のペースに持って行ったのを確認すると、流石にガリアからも


「失礼だが貴殿等はこの交渉を何だと思っておるのか! 好い加減にして頂きたい!」


と声が上がった

すると今まで好き勝手話していた直哉とヒトラーの眼光と表情が鋭くなり


「では始めると致しましょうか...あ、因みに我々の条件が飲めない場合交戦を再開しガリア全土を文字通り住民事火の海に沈めますのでそのつもりで。」


「我がゲルマン連邦帝国はフソウ帝国を全面的に支持すると同時に最大級の支援を行ってゆく...逃げられると思うなよ?」


会議場を乗っ取った

国家間での政治的駆け引きも行う事を許さなかったこの講和条約は『パリ講和条約』と呼ばれ、開戦前のゲルマンの年間国家予算の10年分の賠償金と持ち去っていったありとあらゆる資源や美術品の数々の返還と賠償やありとあらゆる兵器の所有権をゲルマン勝ち取り

扶桑も賠償金などは全てゲルマンに譲りその分試作や量産されていた兵器の無償譲渡やかつて国家ぐるみで盗難した宝の数々の返還などを勝ち取ることに成功した

しかもこの講和条約は仮の物で全ての戦いが終了した後残りの条件も話し合う物で、ガリア共和国はこれから苦しみの時代を歩んでいく事となる...

エルザの下りまた次回

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