転移
扶桑帝国暦2595年...西暦に直すと西暦1935年1月4日
新年を祝う扶桑帝国の帝都東京の中でも厳重に守られた場所に一人の青年が転移した
そこは帝国の指導者の皇帝の住む御所でしかも皇帝の寝室だった...
歴史はここから変わっていった...
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この日比較的静かにしなければならない皇帝の寝室は罵声と怒鳴り声が響いていた
そこでは寝間着で豪華なベットに座り面白そうに場を見ている傾国の美女と言わんばかりの二十代位の女性と、2000年代ならどこにでもいそうな格好でリュックサックを背負い背中に手を回し手錠をかけられて転がされている青年と青年を囲み殺気を出している軍服の集団がいた
「おい貴様! どうやって皇帝陛下の寝室に潜り込んだ!」
「知るか! いつの間にかここにいてこっちもわからねえよ!」
軍服の罵声に青年は怒鳴り声で返した
「嘘をつくな! ここは我らが近衛が警備しているのだぞ! どこの手のものだ、新大陸か? それとも天朝の者か? まさかゲルマンか!」
「どこだよそれ! 少なくとも外国の連中には嫌な思い出しか無い!」
いつまでもとぼける(近衛視点)青年にしびれを切らした近衛の一人が拳を振り下ろそうとしたその時
「これ、やめんか。」
ベッドに座り状況を楽しんでいた女性が、青年を殴ろうとした近衛を止めた
近衛達と青年はその女性に顔を向けた
「そんな喧嘩腰では話も進まぬ、わらわに対するお前たちの忠誠も嬉しく思うが落ち着かんか。」
女性は近衛達にそう優しく声をかけてベッドを降り、止める近衛の声を無視して床に転がっている青年の顔を素足でいたずらする様に踏み始めた
「第一わらわを暗殺するつもりならお前たちが来る前にこやつに殺されておるしの。」
そうケラケラと笑いながら声をかけ、青年にこう問いを投げかけた
「お主、名はなんと申す?」
青年はそれに
「...小林直哉、あなたは?」
そう答えた、女性は
「わらわは扶桑帝国第123代皇帝、神楽である。」
と色気たっぷりな笑みを浮かべながら答え、転がっていた青年を自らの手で座らせた
歴史はここから変わり始めた
もう1話投稿しますね