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鐘は鳴り響く ~パンツァ―ファウスト作戦 攻勢開始~

1937年2月2日 午後2時

ヨーロッパ 元ガリア共和国領ナンシー 同盟軍中部方面軍最前線


連合軍が北部にて反撃を始めた頃、中部では同盟軍が今か今かと同盟軍総司令部からの命令を待っていた

扶桑帝国が参戦するより前の作戦により奪取したガリア共和国領のナンシーは中部の膠着してしまった最前線地域の中でも突出した地域である

そしてそのナンシーでは1人の将官が双眼鏡を持ち愛用しているゴーグルを装着しながら護衛を連れて指揮装備を装備した装甲車で前線指揮を行っていた

彼の名はエルヴィン・ロンメル...三個機甲師団を中心に構成されている機甲軍団を史上最年少で率いてアフリカ戦線にて戦果を上げ、連合軍から『砂漠の狐』と呼ばれ恐れられているゲルマン連邦帝国陸軍の中将である、彼は現在配下の機甲軍団ごとアフリカ戦線から転身してきてこの『パンツァ―ファウスト作戦』の為に攻勢を掛けようとしていた

そして彼は総司令部からの命令を寄越す様に要請していた


「良いから許可をいただきたい、早くしないと気付かれて手遅れになる、我が軍団の装備している戦車は3号や4号ばかりで重戦車に弱いのです。」


低く我慢している声だった、それに押された訳ではないのだが総司令部からの無線で


『分かっていますロンメル将軍、攻撃を許可します。 貴官の軍団に神の御加護在らん事を。』


と許可が出た

彼は一言


「了解、攻勢を開始する。」


と話し無線を切ると、自らが率いる軍団に対し攻撃命令をだした

合言葉は『カエル野郎を引き潰せ!』だった


ロンメルの号令の元、対航空機用に偽装されていた戦車壕から飛び出した3号や4号に少数配備されていた5号の群れが相対していた連合軍の防御線に突っ込んでいった、その後方からは多数の歩兵を乗せた装甲車やトラックの集団が続き、自走砲や榴弾砲に野戦砲等の重砲やロケット砲などが突撃していく戦車隊に火力支援を行い始めた

連合軍の将兵達も防御線に真正面から突っ込んでくるとは思わず目を見張ったが、即座に備え付けの対戦車砲や対戦車ライフルや対戦車手榴弾、更には生産されて配備されたばかりの携帯式の対戦車ロケット砲などを使い応戦を始めた

しかしそこに空からサイレンにも似たような音を立てながら急降下して来た急降下爆撃機や攻撃機の大群に彼等の抵抗は粉砕された


同盟軍は北部戦線から引き抜いた攻撃機の大半を中部戦線に投入したのである、その裏では整備兵達の不眠不休の努力があったのは言うまでもない


そんなこんなで防御線を突破したロンメル軍団は事前計画にのっとりそのまま南下を開始した、連合軍はそれに対応する為南部戦線に展開させていた部隊の一部を迎撃にあてた、その際に出来る戦線の穴はアフリカ戦線に派遣する為カンヌに待機中だった部隊が充てられる事となったのであった

ただその判断は正しくはあったが一部は間違いだった、アフリカ戦線に配備予定だった部隊の中にはアフリカ戦線の前線に近い最重要補給地点であるチュニス軍港の防衛強化の為に多数の重装備で固めた2個大隊規模の精鋭部隊がいたのである


後の歴史家達は『もしこの精鋭部隊が従来の計画通りチュニス軍港に配備されていたら、後の連合軍のアフリカ戦線の崩壊はなかった。』と評価している

それを裏付ける様に連合軍司令部に知らせが届いた、その内容は


『パレルモに停泊していた扶桑帝国艦隊出撃、他の同盟諸国の地中海艦隊も同時に出撃、またその後方には多数の歩兵を乗せた輸送艦隊も確認、目標地点はチュニスの模様』


という物だった

連合軍アフリカ方面軍にとってチュニス軍港は多数の物資を揚陸できる最重要地点である、ここが落とされればアフリカ北部戦線に展開する多数の部隊に供給する物資の輸送が困難になり戦線をチュニスより後方のアルジェまでかなり後退させなければならなくなるからだ


連合軍が取れる手は全力でこの艦隊を攻撃し排除することしか残されていなかった...

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