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鋼鉄の悪魔達と未来への種

直哉は色々とめちゃくちゃにするようです

1936年12月5日午前9時14分


「畜生! またお前らかジャップ!」


爆撃によって焼け野原となった五大湖周辺にあるボーイング社の航空機製造工場の敷地に作られた防空壕から出た若い合衆国兵士の一人が、爆撃を終え悠々と帰っていく巨大な爆撃機15機の編隊を見ながらそう叫んだ

防空壕から出てきて周りにいる他の兵士達も悔しそうに怨嗟の声を上げていた

そしてもうウンザリするほどに繰り返した瓦礫を片付ける作業を始めた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「今回も何とか終わったわね機長。」


「はい編隊長、後は帰るだけです。」


そんな合衆国兵士達の怨嗟の声を受けている爆撃機の編隊...三五式戦略爆撃機『富岳』の15tの爆弾を搭載できる爆撃装備型6機、爆弾槽を取っ払ってその分対空防御用の機銃を取り付けた対空装備型5機、三六式90mm榴弾砲(シロに搭載されている対戦車砲の部品と互換性を持たせた物)1門とボ式40mm機関砲1門を搭載した対地攻撃型2機、そして武装を4基のブ式12.7mm連装機銃のみにし対空電探と高性能な無線に加え試験的に電波妨害装置を搭載した電子戦機型1機の計15機で構成されていた

そして高度8000メートルにいる編隊の中央部にいる編隊長機である電子戦機型の機内で40代後半の女性編隊長が椅子にどっかりと腰かけて安堵の息を吐いていた


「そうね、しかし幾ら向かう方が危険だとはいえ帰りも危険よ、さっさと帰っ「10時方向より電探に感あり! 戦闘機らしき不明機10機!」来たわね! 全機密集し迎撃用意! 対空型は外周へ!」


対空電探を監視していた乗組員の監視員の報告を受けた編隊長は即座にそう命令を出した

編隊は即座に密集し迎撃態勢を取った

対空密集陣形に変更が終わってから5分後、合衆国軍の戦闘機20機が来襲した

戦闘機隊は編隊の上空から急降下するように爆撃機編隊に襲い掛かった

戦闘機隊の機種は

P-47D

P-51D

でありそれぞれ10機づつだった

ただ彼等は一つミスをしてしまった、それは上方から攻撃してしまったことである、富嶽は全ての型に共通して上部と下部に重装甲と防護機銃が施されていたのである

その為富嶽を落としたいのであれば上方や下方では無く側面から攻撃を行うべきだった

ともあれ機体上部や側面に設置されている全機合わせてブ式12.7mm四連装機銃20基80丁と三六式20mm連装機銃3基6門の計86門の防護機銃から放たれた弾幕をまともに受けた戦闘機隊は3機が爆散し5機が損傷してしまったのである、無論タダでやられたわけでは無い、放たれた銃撃によって3機の爆弾装備型のエンジンが1発づつ火を噴いたのである

しかし火を噴いたエンジンは即座に止まり、自動消火装置から出された白い消火剤が外に漏れだすほど撒かれ鎮火したのである、速度は落ちてしまったが特に落ちそうな様子無く飛行を続けていた

戦闘機隊はそれから15分間攻撃を続け、更に3機の爆弾装備型と1機の対空装備型のエンジンから1発づつ火を噴かせたが、更に5機が爆散して残った機も残らず損傷し帰っていった

編隊は傷ついた機を中央に入れ速度を合わせながら一路サンディエゴ航空基地へ帰投していった



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「稼働率の低下...ですか。」


「ああそうだ、何回も五大湖や西部地帯にある軍事関係の施設に爆撃を敢行してるせいで富嶽の稼働率は低下し続け今じゃ何とか5機出撃できる状況らしい...暫くは中止させるのが良いだろう。」


サンディエゴ派遣の爆撃隊からの報告を執務室で石原から受けた直哉は少し考えると


「わかりました、この件に関しては本職にお任せします...こりゃ戦闘機のマルチロール化をしないとダメですかね。」


と話した、石原はそれに苦い顔をを浮かべると


「正直な所それはやりたくないな、現状サンディエゴには多数の火竜改と震電に震電改を配備して制空権を確保している状態だ、そこに戦闘爆撃機なんか放り込んでも現場が混乱するだけだ、それなら単座の爆撃機送り込んで近接航空支援にあたらせた方が良い...それと空軍の設立にも反対させてもらう。」


と話した、それに直哉は


「しかし現状陸軍と海軍の両軍がそれぞれ航空戦力をもってると非効率です。」


と話した、石原はそれに


「まあそうなんだが設計思想が違い過ぎるからなぁ、陸軍は飛行可能距離が少なくても高性能、海軍は性能はそこそこで飛行可能距離が長い方が良いと物の見事に分かれてるからなぁ。」


と頭をぼりぼりとかきながらソファーにどっかりと座った、直哉はそれを見て立ち上がると茶を二つ入れて茶菓子と一緒に出して飲みながら話し始めた


「確かにそうなんですよね、しかし現状このまま空軍を設立せずに行動するのは厳しいでしょうな、現在協議中ではありますが同盟陣営主要国が共同開発した兵器を主力にしていくとかいう大規模な計画があるんですよ...陸戦兵器は陸軍大国であるゲルマン、航空機は資源溢れるモスクワ連邦、艦艇は扶桑という風にね。」


直哉はそこまで話すと一口茶を飲み話した


「銃火器については銃器メーカーが多い欧州諸国と扶桑の銃器メーカーが共同でどうかという話です...既に同盟陣営は戦後に向けて動き始めています、この戦争も終わりが近いという事です、戦後も世界は我々東側の同盟陣営と戦争中の西側の連合陣営に分かれ続けるでしょう、そうなれば世界各国は...」


「更なる軍備拡張か。」


 直哉は井原の呟きに頷くと


「ええ、ただ通常兵器では無く核兵器とそれらを運搬する高速爆撃機や弾道ミサイルが中心になるでしょう...なので我々同盟陣営はそれらを軽く上回る物を開発しましょう。」


と話した、石原は今度は何を言うんだ?と思いながらも真剣なまなざしを向けた

直哉はそれに頷くと笑みを浮かべながら告げた


「宇宙ですよ宇宙、軌道上から隕石でも核搭載ミサイルでも打ち込めば良いんです、連合陣営が地表上で必死こいてミサイル作ってる間こっちはのんびり衛星作りましょう。」


石原は自身の常識が崩壊し頭を殴られたような衝撃を受けた

そして長く考え込み


「...海軍には俺から言っておこう、しかしよく考えたな、兵器を共同開発する事で浮いた資金や資源を宇宙開発に回すとは。」


と話した

直哉はそれに


「ははは! 月面に人類で初めて降り立ったのは合衆国では無く扶桑の人間って事にしましょうや、強敵にわざわざ真正面挑むなんて馬鹿らしいですからね!」


と笑いながら答え、石原も


「だな! そうするとしよう!」


と笑いながら返した

執務室からは暫くの間賑やかな声が響いていた



兵器紹介コーナー


三五式戦略爆撃機『富岳』

全長:37.00m

全幅:56.00m

全高:7.80m

主翼面積:330.00m2

発動機:ワ号大型エンジン 6,000馬力(3725 kw)6発

プロペラ:VDM低速6翼・8羽・二十反転4ばね

プロペラ直径:4.8m

自重:42t

全備重量:122t

最大速度:780km/H(高度:10,000 m)

実用上昇限度:15,000m 以上

航続距離:14,400km以上


武装

爆撃装備型

ブ式12.7mm四連装機関銃 上部2基側面それぞれ1基下部2基の計6基12丁

三六式20mm連装機関砲下部1基2門

15tまでの爆弾


対空装備型

ブ式12.7mm四連装機銃 上部2基側面んそれぞれ2基下部2基の計8基16丁

三六式20mm連装機銃 上部1基側面1基づつ下部2基の計5基10門


対地攻撃型

ブ式12.7mm四連装機銃 上部1基4丁

三六式90mm榴弾砲 右側面1門

ボ式40mm機関砲 右側面1門


電子戦機型

ブ式12.7mm連装機関銃 側面それぞれ1基下部2基の計4基8丁

色々積んでる為少ない

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