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シャム地方攻防戦その二
「ふむ、また来たのかあやつらは。」
「はい桜田閣下、現在第一中隊が守備している第一防御陣地に向かっているとの報告が入りました、その為私の判断で約五分前に一個戦車小隊を援軍として出しました。」
第一中隊が防御態勢に移行している時、要塞に設置されている師団司令部では、今年で60才になる師団長の桜田隆盛少将と参謀の大藤大和大佐が話していた
「良い判断じゃ、それと要塞砲の改修は終わったかの?」
桜田は大藤の判断を誉めると共に、最新の列車砲を改造して製造した三三式40センチ重要塞榴弾砲の様子を尋ねた
大藤は
「何とか終わらせました、ただ様子を見ながらの砲撃を推奨致します。」
と桜田に告げた
桜田は頷くと
「では精密砲撃用意じゃ、直ちに観測機と護衛戦闘機隊を上げよ。」
と命令を下した
大藤はそれに敬礼で答えると桜田の出した命令を伝える為走り出した
桜田はそれを見届けると
「やれやれ、中々慣れんもんじゃの...」
と自身の若い頃より急速に発展した兵器を見てそう呟いた




