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ブリティッシュ連合王国の場合

1935年11月2日土曜日午前9時

ブリティッシュ連合王国首都ロンドン 王宮の会議室


「紳士諸君、植民地のバカ共は我々から独立して自ら作り上げた国を滅ぼしたいようだ。」


連合王国の首都である『霧の都』事ロンドンにある豪華絢爛な王宮の内部にある会議室で毎日行われている朝礼の場で、首相のスイントン・チャーチルがそう出席者達に告げた

軍服や大半のスーツを着た出席者達はそれに頷くが、それ以外の一部のスーツを着た出席者達は頷かなかった、そして頷かなかった出席者達の中から一人の中年の白人男性が立ち上がり


「首相はいささか扶桑を過剰評価しているのでは? 幾ら植民地から独立した合衆国でも有色人種である扶桑人と各地の原住民達の国である扶桑帝国に負けるのですかな?」


と侮蔑の表情を浮かべ、他の出席者達を見ながらそう言い放った

頷かなかった他の出席者達もその言葉に頷いた

首相は厳しい目で彼らを見ると


「どうやらここに出席出来て少々舞い上がっている者達がいるようだ... 衛兵! この者達をお連れしろ!」


と追い出した

そして衛兵が彼らを連れ出すのを見届けると


「陛下、申し訳ございません...あの者達は二度と陛下の御前には出しませんので。」


と国王であるチャールズ6世に謝罪した

チャールズ6世はそれに軽く手を降る事で答えた

チャーチルは国王に深々と御辞儀をすると出席者達を見渡した

そしてチャーチルの目線に気付いた軍服を着た出席者の一人が立ち上がり


「それでは軍から報告させて頂きます、現在合衆国の支援により航空戦力は立ち直りつつあります...扶桑を舐めてはいませんが正直な所、扶桑が同盟側で参戦してきても軍としてはすぐには影響無いでしょう...ただ備蓄してきた医療品が無くならない限りと同盟諸国に軍需物資の大規模輸出が行われない限りはですが。」


と報告した

続けてスーツを着た男性が立ち上がり


「外務省としては軍の意見と同じです、今まで連合諸国は戦争で消費するかなりの量の医薬品と食料を、扶桑からの輸入に頼ってきました、仮に同盟側で参戦してこなくても連合側に輸出していた分の物資を同盟側に回されたら...恐ろしい事になります、合衆国は連合が扶桑に宣戦布告しないと連合への輸出を停止すると言ってきておりますからどうなるかわかりません。」


と報告すると、同じくスーツを着た別の男性が立ち上がると


「内務省としては早速影響が出てきております、扶桑から輸入していた精密部品が輸入できなくなるので企業側から兵器生産に支障が出てくるとの事です...しかも扶桑から輸入していた石油資源も入ってこなくなるので合衆国から高い値段で買わなくてはいけませんから...」


出席者達は皆大きなため息を吐くと話し合いを続けていった...

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