大混乱
1935年11月1日金曜日
その日世界各国の指導者達は、頭がイカれたのでは無いかと勘違いしてしまうような合衆国の外交声明に耳を疑った
その外交声明とは
『我が自由の国アメリゴ合衆国は、独裁制を取り国民達を苦しめている扶桑帝国に対してを以下の声明を行う
1 扶桑帝国は皇室を解体し皇帝の権力を全て議会に移す事、その際合衆国の監視員を設置する事
2 移行後の議会に必ず大統領が派遣した合衆国議会議員を出席させる事 他国と条約を結ぶ際及び他国と貿易する際は派遣した議員の許可を取る事
3 扶桑帝国軍は全て解散し、代わりに合衆国軍が治安維持及び防衛を行う 退役した扶桑帝国軍人は二度と公務員になることを許可しない
4 住民投票で独立か合衆国へ併合かを決めるので、本州以外の領土を合衆国に割譲する事
5 属国であるハワイ王国も解放し、1と2の項目と同じ行動を取らせるように
この要請を扶桑帝国が受け入れない場合、我が合衆国と共に欧州で戦っている連合国は正義の名の元に、1936年2月8日午の前0時に扶桑帝国に宣戦布告する!』
と扶桑帝国に気が狂ったような外交声明を出した
具体的に言うと
『合衆国の奴隷になるか死か。』
である
この合衆国の暴挙に、合衆国と交戦している同盟諸国はおろか同じ勢力の連合諸国でさえ大混乱と爆笑の渦に包まれた
同盟諸国側では
ゲルマン連邦帝国では絶えず冷静と評判な皇帝が報告を受けた瞬間椅子から転げ落ちた挙句腰を打ち病院に送られた
スルタン中東同盟では報告を受けた議長が良く出来た冗談だと大笑いして、本当だと知ると外務省に突撃した
モスクワ連邦では国王と共に朝食を取っていた『優しき熊男』と評判の書記長が、テーブルを引っ繰り返して国王と共に議会を招集した
ローマ連邦では国王と首相が擦れ違った美女にナンパもせずに外務省を訪ね事実確認を行った
その他の中小国は合衆国の奇襲を警戒して戦線に派遣している部隊を増強した
連合諸国側では
ブリティッシュ連合王国では建国以来遅れた事が無い9時の朝礼が三十分遅れた
ガリア共和国では合衆国に精神科医の派遣を行う決定をした
その他の中小国は連合列強各国に『もし連合が扶桑と戦端を切るなら連合から同盟に鞍替えする。』という外交声明が出された、彼等は元々巻き込まれただけなので同盟諸国は歓迎した
中立側では
北欧大同盟の指導者は自国一の射撃の名手に「合衆国に潜入し良心派と共に現大統領の暗殺が可能か?」と尋ねた
南米諸国連合は『合衆国の軽率な行動に遺憾の意を表明する。』と外交声明を出した
そして最後に今回の声明を知ったアメリゴ合衆国良心派が武装蜂起する為に弾薬の備蓄を始めた
とこのように世界各国が大混乱に陥った
今回の被害者である扶桑帝国は
『上等だ! 相手になってやる!』
という言葉を丁寧にしたものを発表し、士官や操縦士の大募集と育成を行い、民間船舶の徴集準備や建造していた椿型シリーズ(椿型輸送艦の各種バージョンの総称)やその他艦艇の建造を加速させ海上戦力の増強に努めた
他にも航空戦力の生産を加速させ
合衆国もそれに対応して水上艦艇の大建造と航空機の生産を更に加速し始めた
これに伴い合衆国は欧州戦線における大規模な戦力の増強を行った
この合衆国の動きは内心戦争を激化させたくない欧州各国の思惑を狂わせ、これが欧州各国に反合衆国感情を芽生えさせる原因になった
辛うじてまだ良心が残っていた戦争は一気に動きを加速させていく...




