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桜の些細な嘘
夜、俺はベッドで考えていた。
二時間前の話を。
俺は父に呼び出され談話室で話していた。「静斗。新しくきたメイドとの生活はどうだ?」
「お手伝いは新しくきていないが…?手違いじゃないのか?」
「昼に来ていた女の子だよ。名前は…えーと…」
「桜か?桜は家庭教師のはずだが…お手伝いなのか…?」
「家庭教師?私がお前にあんな若い子をつけると思うか?」
「…」
たしかに。それもそうだが…じゃあ桜はお手伝いさんなのか?
どうしてあんな嘘を…。
「まぁ、あちらにも事情があるのだろう。仲良くするんだぞ。」
そういって父は去ってしまった。
桜はなぜ俺に嘘をついたのだろう。お手伝いさんか家庭教師なんて些細な差であまり変わらないのかもしれないが、些細だからこそ気になる。
あと、桜を見たとき確かに感じた胸の痛みも…
俺はそこまで考え、寝入ってしまった