アメリア
暇人なのになぜか忙しかった。
遅くなって申し訳ありません。
しばらくは部屋で休んでいたのだが、何もない部屋にいるのは退屈であり、早々に出ることにした。
カロンからとてつもなく大きな図書室があると聞いていたので行ってみようと思ったのだ。
しかし、入ってみると想像を遥かに超える大きさであった。
市立図書館の比ではない。
天井から床まで本だらけである。
きっと、高校にいた本嫌いの友人が見たら即死するだろう。
本棚の中の一つを覗いてみると見たことのない字がずらりと並んでいた。
(もしかすると世界中の本を保管してるのか?)
知っている本を探してみようとするが到底かないそうにない。
「なんでこんなに…そもそも誰が読めるんだよ。」
「ここにいるもの達なら読めるぞ。」
ふと、近くから女の声がした。
振り返るといかにも騎士といった恰好の女性が立っていた。
「彼らは長生きだからな。いろいろな言語を覚え、その言語の本を読破する。それくらいしかやることがないんだ。」
「…お前も?」
「私は剣を振るうこと以外は得意ではないからな。」
「カロンの言っていた護衛か?」
「ああ。アメリアという。よろしく頼む。」
「諒介だ。…随分となれなれしいんだな。」
「あぁ、すまん。つい、な。年下相手だと思うとこうなってしまって…。」
「いや、別に構わない。気を使われるとこっちが疲れるからな。」
「そういってもらえるとありがたい。」
言葉こそなれなれしいが、身のこなしや姿勢から気品の良さが感じられる。
こんな人に敬語を使われるなどたまったものではない。当主とはいえまだ17なのだ。
「お前はどういう生き物なんだ。」
「一応、人間の血は入っているぞ。半分は魔物だけどな。」
「混血か。」
「ああ。おかげで頑丈な体をしているんだ。」
「それで護衛を?」
「そんなところだ。使用人よりは傭兵のほうが性に合っていてな。初代に雇われてここに来たんだ。条件もいいし、異常でも誰も何も言わない。」
「…カロンとは長い付き合いなんだな。」
「私が来てから3日もしないで連れてこられましたからね。」
いつの間にいたのか、カロンが後ろから会話に入ってきた。
「こんなところで話をするのもなんですから、テーブルにご案内しましょう。アメリアの身の上話もそうですが、護衛の仕事についても話をしなければいけませんので。」
アメリアの鎧は赤、紙はこげ茶のポニーテール。
ヴァルキリーをイメージして作ったキャラクターです。
きっとCV沢城み○きです。