《プロローグ》物語の始まり
《プロローグ》
氷馬京陵は"殺戮者だ"くれぐれも気を付けろよ...
それが初めて聞いた京陵の…これから親友になるやつの初めて聞いた話だった。
それはある夏の出来事…。
いつも一緒に帰っていた幼馴染みの本堂四木がクラス委員の仕事があるから、今日は一緒に帰れない、と言ってきた。
俺は別に一人でも帰れるから、「分かった。」とだけ言った。
その時は別に「一人でも帰れるだろー」とのんきに考えていた。
迂闊だった……
「こんなところにも天敵がいるなんて…」ハア…
考えていたことの真逆が起こり、ついついため息が溢れてしまった。
(いつもは四木が倒していたから自分一人だと出来るか不安だな…)
そう考えている間にも、敵はじりじりと詰め寄ってくる。
叫ぼうとしたその時…!
草影から黒い影が。何かと思い目をよく凝らしてみると、それは危険だと言われている氷馬京陵だった。
俺は足が棒になったかのように、その華麗さに目を惹かれ、その場に立ち尽くした。
(まさか…こんなすぐに会ってしまうなんて…つくづく自分には運がないと思うなぁ…ほんと…)
そう思っている間に敵は氷馬に殺られていた。
(えっ…!?こんな簡単にアイツを!?)
四木がやったときは二人がかりで何とかなった敵を氷馬は数秒で倒してしまった。
氷馬がこんな強いなんて全く聞いてなかった俺は凄く動揺した。
俺は…………その時……………
◆続◆