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異能パラサイト 再編の為、休載。  作者: 間口刃
第1章 全ては必然の偶然
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あの、その、えっと 02

「アノはやっぱりチョコクッキーかな? ソノは何にするの?」

「ソノはバリッシュダッシュのアイスなら何でもいい、なのー」


 ーーソノちゃん、そのアイス1個1000円だからね。


 自分の目の前を仲睦まじく歩いている少女達に、心の中でツッコミを入れている自分がいたが、それよりも重大なことに気づいてしまった。


 ーーあれ? これって、俗に言う少女誘拐って奴じゃない? まさか、犯罪者の仲間入り?


 でも、待てよ。着いて来たのはこの子達で自分は全く関係ない。それに、自分はいきなり連れて行かれてこんな目にあったんだ。

 なんて、自分に都合が良いように言い訳をしている自分がいた。


「アノちゃんとソノちゃんはどうして髪を横で縛っているのかな?」


 自分の問答を消し去りたいのか、大して興味のない質問をしてしまった。


「それは、昔ね。アノとソノが居た施設でね」


 アノが説明をし始めたときに、目の前にムチを持った一人の男が現れ、こう言った。


「このムチは何の為にあると思う?」


 長髪で白髪の若い白スーツ姿の男が、自分に対して問いただしてきた。


 だが、自分が答える間もなく、男はまた話し始めた。


「相手を殺す為、家畜を調教する為、はたまた、脅す為? 君はどれだと思う?」


 自分は少し戸惑いながらも、


「脅す為じゃないんですか?」


 自分は他人行儀に近い形で、それを答えた。


「君はそんな平凡な考えしかできないんだな。僕はとても悲しいよ」


 なんと答えたらいいのかわからず、薄ら笑いでそれを誤魔化した。


 だか、男は話を続けた。


「このムチがすることなんか決まっているじゃないか。さぁ、アノちゃんにソノちゃん。僕をこれで調教してくれないか? 僕は女の子にいじめられると下腹部から喜びが生まれるんだ。さぁ、早く!」


 男はそれが当たり前かのように上半身の服を脱ぎ、膝と手の平を床にへばりつけて痛めつけてもらうのを待っていた。


 ーー正真正銘の変な人だーーーー!!


 自分は何も言うことができず、無表情から顔が動かなくなっていた。


 いかにも、知的で爽やかなイケメンが少女に調教をお願いしている。


 少し戸惑いながらも、アノちゃんとソノちゃんの顔を覗いてみた。


 表情は笑顔のままだった。しかも、二人はその変態に向かって行ったのだった。


「ちょっと、二人とも!!」


 自分の声は届いていないのか、二人は変態の所に近づいていく。


「ぶってくれるんだね。僕はとても嬉しいよ。さぁ、僕を快楽のるつぼにいざなってくれ」


 男の息遣いは荒く、見るに絶えない状態だった。


 けれど、この後起こった光景に自分の目を疑った。


 ナノが左手で変態を触ると、アノからスタンガンを借り、二つのスタンガンを自分に向けて撃ち込んだのだ。

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