表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/14

13話 1日目、頑張ります

めちゃくちゃ長くなりました。

本当にこの1話を完成させるのに時間かかりました。

楽しんでいただければ幸いです。

「ミロク、起きろ。遅刻するぞ。」


シエラが起こしてもらったうちは朝のルーティンを済ませて、荷物を持って、扉のところで待っていたシエラと一緒に寮を出た。

今日からオートロック機能が付くらしく、その部屋の人の生徒証明カードを扉にかざすか中から開けるかでしか開かないようになった。魔術って便利だな。

朝ご飯は家から持ってきた干し芋を歩きながら食っていた。もちろん牛乳も。食べ物が腐らない収納は本当に助かる。

寮を出たところにバス停がある。学院のバスは至って普通だ。浮遊したり瞬間移動したりするわけでもない。日本のバスとあまり変わらない。違いがあるとすると電気やガソリンではなく魔力で動いているという点だけだろう。 乗車料は40カレール。日本円にすると約200円。妥当な値段だね。


正門のところでクラスを確認してから101教室へ向かった。うちもシエラも1組だった。一番上のクラスらしく、クラス分け試験の上位40人が1組になるらしい。うちは一応主席らしい。

教室に入ると30人ほどすでに教室にいた。時間的にはギリギリなので当然なのではあるが、人見知りが発動したうちはそそくさと自分の席を確認して席について、フートキューブを回していた。

対して、シエラは教室について早々、親しげに、なんか集まっていた男子も集団に話しかけに行っていた。本当にすごい。

残りの数人もすぐに来て40人全員が揃ったところでちょうどチャイムが鳴った。

チャイムと言っても日本の学校みたいに録音したう音がスピーカーから流れてくるようなチャイムじゃなかった。タイムテラーという魔物を使役して、決まった時間に鳴かせて、その声を音魔術で増幅させ学院中に轟かせてるらしい。入学前にパンフレットに書いてあるのを読んだ。

ちなみにタイムテラー鳴き声は時鳥(ほととぎす)の鳴き声に似てる。魔物大図鑑に載ってない魔物なので見た目とかはよく知らない。見た目も時鳥(ほととぎす)に似てると思うんだけど。


チャイムがなったと同時に教壇に青い炎の柱がたった。炎が消えたらそこには実技試験の試験監督をしていた先生がいた。青い炎はかっこいいだけで別に熱いわけではないみたい。

それより、普通の人なら転移してきたかのように見えるだろう。だが、うちは師匠に剣と鉄扇を教え込まれた時に動体視力が発達したみたいで、先生が超高速で教壇のところまで飛んできて急停止したのを見た。何をしたかまではわからなかったが、すごいことなのはわかる。

「先生!」

「なんだい、アーノル。」

「めっちゃ速く飛んできて急に止まるやつどうやったんですか?」

うち以外にも気づいた生徒がいたみたいだ。

「いい目をしているね。まずは見えなかった人に何が起きたか説明しよう。俺は今転移して来たわけではありません。偽火魔術で青い炎を出し、飛行魔術で宙に浮き、突風魔術で爆発的な推進力を生み出し、教卓の前まで来たら突風魔術で急停止した。危険だから絶対に真似はするなよ。俺は肉体強化魔術を使っていたから問題なかったが、普通にやったら骨が折れるだけで済めばましな大事故になるぞ。最悪の場合死ぬぞ。」


なるほど。そういうことか。でも今の話が正しければ異なる魔術を最低4つ同時発動させていたってことか。2つ同時発動させるだけでも相当難しいって聞いたことがあるんだけど。最高クラスの担当教師だからやっぱり相当な実力者なのだなと思った。


「改めて自己紹介をしよう。俺はゼノス。今日から1年間、1組を担当する。よろしく。得意な魔術は風系魔術の突風魔術と飛行魔術だ。では、クラス分け試験の成績順で自己紹介してもらおうか。まずは主席のミロクから。」


え。急に自己紹介しろと言われても困るんですが。


「はい。えー、ミロクです。王都から少し離れたテリンという町からきました。得意魔術はありません。今のところ魔術が一切使えませんから。よろしく。」


クラスにどよめきが起きる。そりゃそうだ魔術が使えない首席とか前代未聞だからな。ゼノス先生はクラスを静かにさせてから、次のルナという生徒を指名した。

「アシュトン・ルナです。アシュトン子爵家の三女ですがこの学院内では貴族でも平民でも身分は同じになります。どうぞご遠慮なく話しかけてください。得意魔術は虹光魔術です。よろしくお願いします。」


次が紫髪の子、ソーナ。

「ソーナです。両親が毒系魔術を使うB級冒険者です。私の得意魔術、というより唯一使える魔術が毒魔術です。あと魔力量には自信があります。よろしくおねがい……


次々と自己紹介をしていく生徒の中、うちは眠気という強敵と戦っていた。朝ごはんを食べて血糖値が急激に上昇したからだな。



タイムテラーの鳴き声で起きた。一限目の授業が終わったが、まだ自己紹介が終わってないみたいだった。最後の数人をテキトーに聞き流した。どうせ関わることはないだろうし関わって模試の時にまた聞けばいい。

20分くらいの休憩時間が取られ、お手洗いを済ませて、初めて会う人に話しかけにいく人が多い。何人かうちに話しかけてきた生徒がいたが、全然まともに話せなかった。結局新しく友達ができず、クラスで孤立することになった。前世のうちも学校で同じような感じだったから大丈夫だろう。


2限目の授業は基礎魔術の授業だった。

この世の魔術には5種類ある。

まずは一般属性。魔術を使える人が呪文の詠唱をすれば誰でも簡単に扱える魔術。基本4元素の火魔術、水魔術、土魔術、風魔術の他に、光魔術、闇魔術、毒魔術、重力魔術などがこれに当てはまるらしい。


次に特殊属性。これは一般属性を応用させたものらしい。例を挙げると、光魔術の応用で月光魔術や虹光魔術、風魔術の応用で突風魔術や暴風魔術がある。


3つ目が固有属性。1000人集めて1人使い手がいるかどうかという珍しさで、その人特有の属性の魔術らしい。一般属性や特殊属性は属性によって色や細部の形は違えど、魔法陣は円の中にいろんな図形が入っている形だが、固有属性の魔法陣は属性ごとに全く違うらしい。ゼノス先生は固有属性の使い手ではないらしく、実演はしてくれなかった。


4つ目が超越属性。特殊属性か固有属性を極めた先にある極大魔術のことらしい。要するに大抵の魔物は一撃で葬れるチート魔術ってことだろう。


最後に3大属性。神属性。神族と6人の魔王具所持者のみが使える、超強力な、神の奇跡とも言える能力。主人公属性。6人の魔王具所持者のみが使える、ありとあらゆる強力なバフがつくことが知られている。運命属性。6人の魔王具所持者のみが使える、過去や未来に干渉できる能力。

基本は師匠から聞いたのと同じは話だった。魔王具の名前も全く同じだった。

初耳だったのはこの世界に神族がいることだ。地球にも神という概念はあったが神が種族として存在していたわけではなかった。

ある生徒がゼノス先生に神族が何か質問していた。確かアーノルって名前だったと思う。ほとんどの生徒も知らなかったみたいで、数人が神族がどんな種族なのか知りたそうにしていた。ゼノス先生は快くいろいろ教えてくれた。神族は会うこと自体が相当難しく、2万年前のまだセリンデブル王国がなく、種族間の争いが横行していた超世界大戦時代の大戦に参加していたと言われ、今では世界中のダンジョンの最深部に辿り着いた者が会って神族の加護をもらってくるというからダンジョンの最深部にいるのではないかと言われている。

そこでまた知らないことが出てきた。2万年前の超世界大戦時代ってなんだ。

またまたアーノルが質問してゼノス先生が説明しようとした時、タイムテラーの声が響いた。

「また次の授業も俺が担当する予定だし、ちょうど説明しようとしていた内容に近いからな休憩時間が終わったらまた説明する。」

そう言って教室から出て行ってた。


3限目の授業はこの世界の種族についてだった。

「個体数が多い順番に説明するぞ。まずは俺ら人族だ。寿命が100年くらいと短いが、繁殖能力は他種族と比べて高い。人族が納める領地はここセリンデブル王国とここから遠く離れたクルーン帝国の2ヶ所。能力的には他の種族に劣るがその分個体数は2番目に多い獣族の倍以上である。試験に出るからメモ取っとけよ。」


日本のラノベやらアニメやらと同じような設定だな。

「次が獣族だ。寿命は200年くらい。耳や尻尾がついている者が多いからすぐにわかる。クルーン帝国の隣の国、獣王が納める獣王国ダレシチアに基本的に集まってはいるが、だいたいどこでも出会す。身体能力が特に発達していて、魔術が人族より少し苦手と言われている。」


これもイメージ通り。

「次は天翼族だ。見た目は背中に羽が生えていて飛べること以外は人族とは変わらない。寿命は250年くらい。獣王国とドワーフ王国の間にあるカワリエ山脈を住処とする者が多く、滅多に出てくることがない。能力は獣族とあまり変わらず、身体能力が高く、魔術が人族より少し苦手と言われている。」


天翼族か。今の話からして、堕天使とかハーピーみたいなものかな?


「次がドワーフ族だ。人族と比べて身長が少し低く、寿命は150年くらい。鍛治系のスキルや魔術が得意で、唯一無二の武器を作る。先に説明した、ドワーフ王が統治するドワーフ王国エーリソドリンに住んでいる者が多いが、国から出ないわけではない。」


「次は魔族についてだ。寿命は400年くらいで、見た目は人と変わらない。他種族と比べて魔術が得意だという特徴がある。魔族の中にも種族があり、髪色や得意魔術で分類している。詳しいことは2年生の範囲だ。大半は魔導帝が収める魔帝大国テリエンティエイに住んでいるが、全く出ないわけではない。セリンデブル王国にも数人おるぞ。」


ラノベ設定あるあるである魔族と人間が敵対していて度々魔族の攻撃がくるとかはないみたいで安心した。


「次は魔物族だ。魔物の中で人のように二足歩行をし、人並みの知性があるものは魔物族に分類される。魔物は魔物特有の成長をする。例えば、オークがオーガに成長し、オーガは鬼人に成長する。鬼人になると人も言葉も話せるようになり、高度な剣術を使う者も出てくる。だから、鬼人より上の成長形態は魔物族に分類される。まだ、レッサーデーモン、ナイーブデーモン、デーモン、アークデーモン、グレーターデーモンといったデーモン種は、最低位のレッサーデーモンの時点で相当な知性を持っているため、魔物族に分類できる。詳しく知りたい人は図書館にある魔物大図鑑2を読んでみろ。魔物族の国、魔大公国ベルへセルンとは貿易で交流していて、魔大公国の特産品は上流階級と人に人気が高い。」


魔物大図鑑に2冊目があることを初めて知った。そのうち読もうと思った。


「次、エルフ族と精霊族だな。エルフ族は寿命が4000〜6000年と言われている。特定の場所にとどまることが少なく、常に旅をする。古くから精霊との関わりが深く、気まぐれな精霊を唯一使役できる種族だ。精霊族は噂や伝承を命の源として生まれる種族で、気まぐれな性格なことが多く、それぞれの噂や伝承に沿った、能力があり、行動をする。この学院には学院の精霊スクリナがいる。スクリナは常にこの学院内を監視していて、生徒が危ないときに助けてくれる幽霊がいるという噂から生まれた精霊だ。学院の校則を破れば叱り、生徒の身に危険があったら助ける。それが学院の精霊スクリナだ。」


そう先生が言い終えたとき、先生の横に直径70cmくらいの水球が現れた。水球が破裂したところに、毛色が水色の猫が現れた。かわいい。なでなでしたい。


猫形態だったのは一瞬で、すぐに人型になった。身長はゼノス先生より少し低いくらい。長い水色の髪に水色の目。母さんに似てるな。身長が高いということ以外は母さんとそっくりだった。

さすがに他人の空似だろう。


「スクリナだよ!みんなよろしく!」


自己紹介をするその精霊。学院の制服を校則に引っかからないギリギリの範囲で着崩していて、ギャルピをしていた。

完全にギャルである。


え。

これに叱られても何も怖くない気がする。もっと強面なおじさんじゃないと誰も反省しないじゃないか。


「こう見えてマイル学院長より強いぞ。戦力的にも権力的にも。君たち全員が力を合わせても傷1つつけられないだろうね。」


前言撤回。師匠並みの化け物だ。


「私にかかればこの学院全てを無に帰すことなど造作もないことなのだ!」


この教室の全員が共鳴するように震えた。


「スクリナ、ありがとう。もう帰っていいですよ。」


「何よ、その言い方。クビにされたいの?」


「すみませんでした、スクリナ様。どうぞお帰りになられてはどうでしょうか。」


「いやだね。大丈夫。授業の邪魔はしないから。私はこの学院の生徒が1番大事だから。」


「では、そうしていただけるとありがたいです。」

そうして授業が再開された。


「最後に神族と天使族だ。寿命は共に無く、特に神族はこの世界が生まれたときから生きていることもある。先ほども説明したが、神族は世界中のダンジョンの最深部に辿り着いた者が会って神族の加護をもらってくるというからダンジョンの最深部にいるのではないかと言われている。天使族は、神族が生み出す種族で、主に、極稀に天啓という神族の言葉を伝えるエンジェル、種族同士の力のバランスを管理する神龍の2種類に分けられる。これは人族の歴史書に残っている情報で、まだまだ謎の多い。」


「それ以外にも小規模な種族はあるが、基本はこの10種だけだから覚えておけ。」


「ここでさっき話に出てきた超世界大戦時代の話に移ろう。2万年前にあった世界的な種族間での大戦だ。現存する、人族と魔族、獣族、天翼族、ドワーフ族、神族、天使族とは別に、ハイエルフ族、フェアリー族、龍族、巨人族、ヴァンパイア族、蟲族という今では絶滅した、もしくは個体数が限りなく少ない種族が大戦に参加した。1000年続いたその大戦に終止符を打ったのがどのような出来事だったかは残念ながら人族の文献には残っていない。古代の種族に関しては3年生以降の内容だが、知りたいという人は図書館で、種族大全という本を読んだらいいぞ。それではこれで授業を終わる。では。」


そう言って教室を出て行った。


3・4限目の授業は一般属性魔術の詠唱の勉強だった。詠唱しても魔術が発動しないうちはただただ教科書の呪文を覚えていた。周りでは炎を出したり水球を出したり風を起こしたりして楽しんでいた。魔術が使えたらもっと楽しいんだろうな。

結局うちは教科書を読んでいるだけで2時間が過ぎて、タイムテラーが鳴いた。

魔術学院は4限制で授業は午前中で終わり、午後は部活があるなら部活に、ないなら自由時間となる。


うちはシエラと昼食を食べに食堂へ向かった。


昨日と同じブルーフィッシュの塩焼き定食を注文して食べた。


部屋に戻ったうちは、シエラに聞かれた。

「ミロクは魔術が使えないのにどうやって首席入学できたんだ? 筆記試験はできても実技試験は厳しかったんじゃないの?」


確かにそうだ。普通に考えて魔術が使えない12歳がスモールリザードを簡単に倒せるわけがないからね。


「えーっとね。魔術は使えないけど、その代わり師匠に剣と鉄扇の扱いを教えられたから種類にもよるけど、脅威度3くらいまでの魔物は大体倒せるんだよ。」

「鉄扇って金属でできたセンスのことでしょ。魔王具の1つ、ゼピュロスが鉄扇だけど、基本的には護身用の携帯用武器だって聞いたことあるし、そんなに強いイメージはないんだけど。ミロクの鉄扇見せてくれる?」


「いいよ。ほら。」

腰のベルトに掛けている鉄線をシエラに手渡すと、

「うわ。重た!」

「危ない!」


シエラが落とした鉄扇を地面に激突するまでにギリギリでキャッチできた。

忘れてた。これ2.5キロくらいあるんだった。一般的な両手剣が2〜3キロくらいだから普通は両手使って扱うものなんだ。12歳が片手で振り回せる重さでは間違いなくない。それができるのは師匠の修行によって得た筋力のおかげだろう。

前世で腕相撲最弱王だったうちが聞いて驚くだろう。


それからは腕相撲をしたり、話したり、ぼーっとしたりして時間を過ごし、夕食の時間まで自由時間を謳歌して、食堂でご飯を食べて明日に備えて寝た。


「おやすみ、シエラ。」

「おやすみ、ミロク。」

次の1話はもう完成していて、久しぶりの理系ネタです。

数時間後に投稿する予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ