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11話 ルームメイトが天才でした

本日2作目です。

ルームメイトと友達になろうと意気込んだうちだったが、扉を開けても誰もいなかった。

部屋の広さは日本のビジネスホテルくらいでベッドと勉強机が2つずつ。箪笥が無かった。 荷物がどこにあるのかと疑問に思っていたら、勉強机に置いてあった紙に引き出しが時空魔術で荷物の収納などができると書いてあった。収納内の時間は止まっているから中に入っている食べ物とかは腐らないらしい。魔術の便利さをしみじみ感じるよ。


カレールの制度についても説明されてあった。

「地球の電子マネーみたい。10000カレール入ってるのか。1カレールが銀貨1枚と同価値なら数日は生きていけるな。」

ちなみに銀貨1枚は日本の5円くらいの価値だと思う。


ガチャッ

扉が開く音がした。ルームメイトが来たみたいだな。


「こ、こ、こんにちはワタシハミロクデス。ヨロシクオネガイシマッ。」


うん。だめだ。やっぱ初めての人とは気軽に話せない。前世から人見知りだったからな、なかなか克服できるものではないよな。そんなことを考えてるうちとは裏腹に彼は超元気に挨拶してきた。


「よろしく。ミロクね!今日からルームメイトになるシエラだ。特技は魔道具作り。そっちは?」


うちのルームメイトになるシエラはうちより数センチ高い髪が長めの子だった。うちが大体143cmだから150cmくらいかな。確か日本の12歳の男子の平均身長が150cmくらいだったな。


そんなことよりこの人、誰とでもすぐに仲良くなれる陽キャグループにいるコミュ力お化けだ〜


うちが中1の時そうゆう奴らに数学の青チャートをビリビリに破かれたり、体育の授業で運動が全然できないうちをバカにして笑ったり、殴られたり、殴られたり机に落書きされたりしてたな。

あだ名はロン毛メガネだったな。

うちはいじめられても気にしなかった。

青チャートが破かれたら黒チャートをやればいい。

運動ができないのは自覚しているからバカにされても何も思わない。

殴られても、一時的に痛いだけですぐに治るからどうでもよかった。

机に落書きされたときはペンじゃなかっただけマシだと思ってすぐに消した。


というかそんな奴らに興味がなかった。脳内で素数を数えていたら自分の周りのことなんて気にしなくなる。黙って無視し続ければあいつらも飽きて勝手に帰っていく。だからどうでもよかった。


うちがいじめられてると人伝で聞いた当時中3だった姉貴が陽キャどもに濃硫酸だと言って水ぶっかけて、

「次、智数をいじめたら本物を出すぞ」

と脅迫してからは何もしてこなくなった。


もちろん生指問題になって保護者も巻き込んで謝罪しあってた。そんな大事にしたくはなかったんだが。

うちは怒りや悲しみという感情が欠如していたからいじめられても特に嫌な思いはしなかったんだろう。

陽キャに苦手意識ができたのは確かだがね。

そんな陽キャと同じ部屋で暮らすことになるとは。


「うちの特技は扇子作りです。」

苦手とはいえ返事しないのは失礼だし、これから一緒に生活するわけだからぎくしゃくした雰囲気で過ごしたくはないからね。

「扇子か〜。見せてくれる?」

勉強机の引き出しからうちが作った扇子を3本出した。

「こんなものしかないよ。」

「スゲー綺麗!」「ありがとう、でも師匠のに比べるとうちの扇子なんて………」


「僕の魔道具も見せてやるよ」

そう言ってシエラが出してきたのは小さな鉄の球だった。何が起こるのかすごく気になる。


「これは魔導式鉄球型偵察並びに監視可能飛行物体。略して魔鉄行(まてっこう)。」シエラが軽く魔鉄行をつつくと生き物のようにビクッと動いて浮遊し始めた。


「重力魔術で魔鉄行にかかる重力を消しているから浮くんだ。風魔術で推進力を生み出してる。音魔術と光魔術でこいつの周囲の音や色を検知して僕に送ってくるんだ。こんなふうに。」

そう言ってシエラはうちの額に手をかざしてきた。すると視界に自分が映った。目の前にいるシエラと魔鉄行も見える。


「なんだこれ!」


網膜と蝸牛に直接信号を送っているみたいで目を閉じでも自分の姿が見えるし耳をふさいでも周りの音が鮮明に聞こえる。



「スゲーだろこれがあと3つあるぞ。」

うちも授業中寝てても特に理系分野はテストで高得点を取れていたし、天才の部類に入ると自負していたけれど、12歳でこんなものを作れるのはもはや神童だぞ! うちと同じ転生者って可能性はないことはないが…

「凄い。シエラは12歳だよね?」

「正真正銘12歳だ。」

ここで嘘をつく理由はないし、嘘をついていたとしても深追いは面倒なことにしかならない。

転生者ではないと今は思っておこう。


シエラは魔術が使えないうちなんかよりよっぽど凄い。

いいやつみたいだし、何度か会話して緊張が少しほどけた。


「でもこいつじゃ魔力の容量が小さくてこの学院の南東の端から北西の端まで一直線で行ったとしてギリギリ行けないんじゃないかな。せめて往復くらいはできないと戦争とかで使えないからね。」

「そっか。でもいたずらするくらいならできそうだな!」

別に女子の風呂を覗こうだなんてそんな理性の欠如した愚か者が行うようなことをしようと思ったわけではない。断じて違う!断じて……


「だろう!そのために持ってきたんだから。」

「これ、シエラの生徒証明カード。」

「おお。サンキュ。」

その後も色々と話した。


魔道具作り以外にも女装が趣味だという。


前世のうちもよく姉貴の服を勝手に着てたからね。結構、話が合った。


昔から女に間違われることが多く、単純に女装に興味があったのと、身長が同じくらいで服の大きさがちょうど良くかったのと。それ以外にも理由はたくさんあるが。


流石に姉貴のパンツまでは勝手に履いてない。そうしたらお姉さん大好きの変態だよ。うちがシスコンであることは否定できないが決して変態ではない。


バレる度に姉貴に着せ替え人形扱いされた。ミニスカやワンピース、フリルスカートなどを着せられて、ミディアムくらいの髪を三つ編みにして、そのまま街を歩かされたり、妹の前で醜態を晒させられたりと色々されたね。今思うと懐かしいな。


「そろそろ夕食の時間だぞ。一番近い食堂まで歩いて10分なんだから。」


うちは前世でも今世でも偏食なので、コンビニで食べれそうなパンを買えばいいかと思っていたが、シエラが行くみたいだったからついていくことにした。


食堂は広かった。

1000人くらいは収容できそうだった。食堂の雰囲気はショッピングモールのフードコートとあまり変わらなかった。

生徒は、それぞれが好きな店に行ってカレールで買う。


うちの食事の好みは前世も今世もあまり変わらず、肉や野菜、きのこは苦手。魚や炭水化物、卵は大好きだ。

寿司とか饂飩とか菓子パンばっかり食っていたな。この世界に来てからは母が結構優しかったからあまり嫌いなものは出されなかった。

この世界は魚を生で食べる習慣はない。うちも前世の記憶を得るまで考えもしなかったな。




何となく魚が食べたくなってきた。

ということで魚料理を提供する『ソードフィッシュ』に来た。カジキらしき魔物の肉を空揚げみたいに揚げた料理や、サメ型魔物のプレデターシャークのフカヒレスープもあった。どちらも強くて珍しい魔物で、2000カレールで売られていた。もちろんそんな物は買わずにブルーフィッシュの塩焼き定食を100カレールで買った。ブルーフィッシュは家でもよく食べていたサバみたいな味の魚だ。普通に美味しい。

シエラはオーク肉のステーキを食べていた。食べてみたことがあるが、豚肉とあまり味は変わらない。うちは苦手だった。

寮に戻ってシエラと少し話してすぐに寝た。シエラはもっと話したかったみたいだが、うちはそもそも寝るのは早く起きるのが遅い。8時間は最低でも寝ないと昼間の生活に支障が出てしまう。猫やコアラの獣族の血が混ざっているのではと思うくらい睡眠欲が強い。


「お休み、シエラ」

「ああ、お休み。」

日本語文法って難しいですね。

英語の方が簡単かもしれないです。

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