43話 謎は増えるばかりです
ちょっと投稿が遅れました。すみません。
まだまだ始まったばかりで人気もないですが今後ともよろしくおねがいします。
ルナに勝った次の日の教室。
「アンタ、ルナを魔術だけで倒したって本当?」
紫色の髪のうちと変わらないくらいの身長の女の子が話しかけてきた。
確か、実技試験で4位をとってた、ソーナだったかな。
「本当ですけど、何か?」
「私とも模擬戦をしなさい。」
乗ってもいいんだか、今は余分な問題に顔を突っ込みたくない。
「その勝負に乗るメリットはありますか?」
「勝ったら負けた方から1000カレール奪うことができるという条件でどう?」
「分かった。」
「授業終了後、第11訓練場で。ゼノス先生の許可はもう取ってある。」
おいおい。許可はもうとってあるって、うちが断ってたらどうするつもりだったのか。
授業が終わって、事情を説明してシエラと訓練場へ向かった。
シエラは「またか。」と言いたげな顔をしたが何も言わずについてきてくれた。
第11訓練場に着いたらソーナともう1人知らない女子がいた。
シエラとその子、ルーラはお互い軽く自己紹介をしてからどちらが審判をやるか話し合ってた。
見たことがない顔だなと思ったらルーラは2組の子だと言った。同じクラスの男子の顔すらまともに覚えてないうちが他クラスの女子を覚えているわけがない。
「それでは審判は僕、シエラが担当する。ルールはこの範囲内で戦闘を行うこと。勝利条件は降参または僕が戦闘不能だと判断したとき。治癒魔術が使えるのはミロクしかいないのでミロクに任せる。治癒魔術が使えないほどの怪我の時は本校舎にある病棟に向かうということで。それでは試合開始!!」
「数学魔術・スクエア」
「ポイズンソード!」
うちはルナとの時と同じく、とりあえず防御に徹して様子見することにした。
ソーナは髪色と同じ毒々しい紫色の剣を出してきた。
それよりも、
「詠唱短縮か?」
「驚いた?」
「うん。」
そう。驚いたのだ。
ソーナの詠唱短縮にびっくりした瞬間に不思議と魔力が爆発的に増えた。
2000くらいあった魔力が突然5000桁越えの巨大な値に。
すごく気になるが、今は勝負に集中せねば。
「攻撃しないならこちらから行かしてもらうよ。」
そう言ってソーナが剣を構えて突っ込んできた。
「はああぁぁぁ!」
いくら魔法で生み出した剣だからといって、12歳の少女の剣がスクエアを断ち切れるはずもなく。
「な、なんだこれ! 物理障壁か?」
危険を察知してソーナはすぐに後ろに下がった。
「これはどうだ。ポイズンショット!」
見るからに毒の液体がソーナの指先から打ち出された。かすっただけで大ダメージを受けそうだ。スクエアで簡単に防げたけど。
「まだだ! ポイズンショット、ポイズンショット、ポイズンショット、ポイズンショット」
今のところうちは全くダメ ージを受けず、ソーナがただただ魔力を使い続けている状態だ。
「そろそろやるか。」
スクエアで守られているから余裕ぶっこいて背伸びしながらそんなことを呟いた。
それがソーナの逆鱗に触れたらしく、
「いいわ。見せるつもりはなかったが、本気で相手してあげるよ。ポイズンフラッド!」
そう言ったときポイズンショットと同じ毒の液体が津波のように襲いかかってきた。 流石にヤバいと思って咄嗟に頭上にスクエアを出して飛び乗った。
下を見ると、ソーナの周りとシエラたちの周り以外全て毒の湖と化していた。
「ポイズンテンティクル!!!」
毒の湖からイカの触手のようなものが伸びてきた。
「スゲー! これならタートルロードを簡単に倒せるんじゃねえか? ただうちも結構強い自信があるからね。負けられないよ。数学魔術・四次元収納!」
毒の触手は脅威だが、 収納しちゃえばうちに触れることはない。
ルナとの闘いで使ったみたいに、襲いかかってくる毒沼の触手を収納した。毒の湖全体を収納するのは多分無理だろう。ソーナとシエラたちの周辺に流れ出さないところを見るに、完全にソーナが制御していて自ら収納の中に入ってこない限り収納できない。
気付いたら触手が10本に増えていた。収納してもすぐに新しく復活する。制御できるのが10本までみたいだからギリギリ対応できる。
ただひたすら四次元収納で収納しているのは面白くないから、追いかけっこを楽しむことにした。
でも、流石に空中で避けるのはきつい。スクエアを足場にしてやっとのことで避けている。
しかも、10本の内2本がソーナの近くで護衛しているため、なかなか近づけない。
「これだけの魔術を使って、まだ魔力が尽きないのかよ。」
ソーナ、想定以上にうちを楽しましてくれるじゃないか。
「数学魔術・図形作成・楕円形」
図形作成で簡易的なサーフボードを作って、サーフィンしながらソーナに近づいていった。
「バカな! なぜ毒の触手に襲われながら板に乗って突っ込んでこれるのだ! 正気じゃねーだろ!!」
「ははは、ありがとう。」
「ほめてねーよ!」
サーフィンなんて初めてするけど、結構難しいものだ。
今世のミロクとしての体は、筋力も体力もあり、普通の12歳とは比べられないほどの運動能力を持っている。それでも、そう簡単にできるものではない。体幹を意識してバランスを取っているから上手いとは言えないが、落っこちない程度には乗れている。
前世の智数は、そもそも海に行っても紫外線に当てられてドロドロに溶けてる(もちろん比喩的な意味で)だろうからできるわけもない。
少しぎこちなかったかもしれないが、サーフィンでソーナがいるところまで辿り着けた。
「数学魔術・ヘミスフィア」
今朝、手に入った魔術だ。
夢の中でうちはまた、あの白い空間に1人だけいて、立ち尽くしていた。
「・・・・へ・・・・・・しゅ・・・せ・・・・・・し・・まs・・・・・す」
どこからか、通信状況が悪い時のラジオのような音が聞こえたような気がしたが、何を言ったいるのかが聞こえなかったからとりあえず無視した。
その声が聞こえたかと思えば、あの謎の記号が現れ、またうちの中に入っていく。
そうして、セリンデブル王国の王都のワイトパレスの魔術学院のパレス学院の第1学年寮の部屋番号666の部屋の2段ベッドの下の段から、転げ落ちて目が覚めた。
ヘミスフィアは、スクエアのようなバリアを半球状に周りに出すことができて、なかなか使い勝手がいい魔術だ。
うちとソーナの周りを囲うようにして魔力を大量に込めたバリア出した。これで周りの大量の毒水と毒の触手が邪魔にならない。
こうなれば、彼女はただの12歳の女の子だ。すぐに彼女の目の前まで近づいて、
「ソーナとの勝負楽しかったよ。」
そう言ってちょっと強めにデコピンをしてやったらソーナは気絶した。
制御する人がいなくなって周りの毒水が決められた範囲から流れ出した。シエラとルーラをヘミスフィアで守って、とりあえず四次元収納で毒の湖ごと収納した。ソーナの制御下になくなったからすごく簡単に収納できた。
「すいません。ソーナがやりすぎちゃいました。訓練場の掃除は私が洗浄魔術でやっておきますので、2人は部屋にお戻りください。カレールは後日ソーナに請求してください。彼女、負けず嫌いですが、約束は絶対守ります。」
「うん。分かった。帰ろうシエラ。疲れたよ。」
そう言ってうちとシエラは訓練場を離れた。
「ミロク、はじめから湖ごと四次元収納に収納しちゃえばよかったんじゃない?」
「あれはソーナの魔術の制御下にあったから収納内に吸い込むことが難しかったんだよ、あの触手みたいにわざわざ向かってくるものはしまえるけどね。それに収納できたとしてもそれじゃ面白くないだろ。」
「そういうことか。」
寮の部屋で、うちは久しぶりに悩み事をしていた。
・ソーナの詠唱短縮に驚いた時の爆発的な魔力の増加について
・夢の中の白い世界で聞こえたあの謎の声について
この世界で生まれてから12年。
まだまだ分からないことだらけだ。
うちのこの世界での1番の目標は、この世界に来ているであろう5人兄妹を無事に見つけ出して、元の世界に帰るか、この世界で幸せに暮らすかするということだ。
それを邪魔するなら誰であろうと倒す。そのためにも圧倒的な力がいるし、圧倒的な力にはこの世界の魔術という力への理解が大切。長男として、兄妹を守ってやりたいし、助けてやりたい。それが義務であり、うちの願いだ。
「はも、つき、こう、ふう姉。会いたいよ。無事でいてくれよ。」
2000から500桁の巨大数。
もうチートでいいのでは?と思ったり思わなかったりです。
ついに前世の5人兄妹の名前が決まりました!
最後に出てきた智数からの呼び名から類推してみてください。
ユニークアクセスも増えてきて本当に嬉しいです!
面白い話が届けられるように頑張っていきます。




