2話 頭が痛いです
初投稿です。よろしくお願いします。
「本当に行くのですか?」
「ああ。ここまで送ってくれて助かった。」
「少し心配ですが貴方様ならば必ずや成し遂げて見せてくださると信じております。何千年経っても私たちは貴方様のご帰還をお待ちしております。」
「心配するでない。俺は生涯無敗だぞ。もう死のうとしても死ねない。7000年前からコツコツと少しずつ準備してきたんだ。最後の仕上げを行うだけだ。」
「ですが…」
「黙れ、フート。俺が死ぬところを想像できるか? 万が一があっても転生して戻ってくるさ。」
「はい。」
「ハウトとクロエとルストとグエンの4人には伝言虫を残しておいた。不満はあっても暴走はしないさ。お前にここまで送らせたのはこれを渡すためだ。」
そう言って彼はガラス玉のようなものを19個フートに渡した。
「俺の力の一部を水魔石に込めたものだ。18個はお前が作る魔導具に使え。その強力な魔導具で争いを抑制しろ。いいな。種族間の平和は俺が消えても守り続けるのだ。もう1つこの一際大きいのはハウトに預けろ。俺自身から彼女に渡すと色々勘違いされて面倒だからな。」
「面倒ごとを押し付けないでくださいよ。」
「最後にあやつらに伝言だ。
俺は戻ってくる。また後で。
とだけ言っといてくれ。」
それだけ言って彼は生み出したポータルでどこかへ消えてった。
残されたフートは車に乗って呟いた。
「ハウトが何を言うか。想像するだけで頭が痛いですよ。
ですが、ご帰還をお待ちしております。我らの魔王様。」
12歳の誕生日の次の日の朝、うちは今まで感じたことがない頭痛に襲われていた。12歳(と1日)の脳には多過ぎる量の記憶が入ってきた。
どうやらうちは転生したらしい。前世のうちは姉が1人妹が2人弟が1人いたらしい。死ぬ直前にうちは4人と買い物していて、緑色の光に包まれて皆死んだっぽい。
「皆もこの世界に来てたらいつか会えるかな?」
まあそう上手くはいかんやろうけど……考えたら今になって記憶を手に入れたのは神の優しさかもしれない。生まれた瞬間に15年分の記憶なんて手に入れたら脳がパンクして死ぬ。何らかの神の能力で死ななかったとしても言語を覚えるのが大変だったかもしれん。考えたって仕方ないけど。
やっと頭痛が引いてきた。
前世では結構アニメやら漫画やらを読んでいたからこういうときに受け入れやすい。姉貴たちはもし仮に転生していたら凄く戸惑ってるだろうな。
ていうかこういう異世界転生系ってチート能力とか手に入れられるものじゃね?今のところ何も変わっていないが?相変わらず魔術は使えないし特別な力に目覚めてはいないと思う。
「今までどうり生きればいいか」
普段通り身支度をしてうちは階段を降りた。
「おはよう、ミロク」
「おはよう、母さん」
机に朝ごはんを並べている母に挨拶して、椅子について朝ごはんを食べ始める。うちの朝食には決まって牛乳瓶が1本ある。だいたい1Lくらいの大容量のものだ。牛乳嫌いの兄妹と違ってうちは前世も今世も牛乳が大好きだ。うち専用の牛乳が用意されるくらいに。
うちの母、イザベラは水道局で働く水魔術師だ。水色の髪に真っ黒な目。日本にいたら間違いなく目立ってたな。父には会ったことがない。名前も知らん。3歳くらいに一度だけ母に聞いたときは
「遠い場所に行ったの。」
とだけ言われた。前世の記憶を手に入れた今では何となく察しが付く。
そんな父親がいない生活だが裕福とは言えないが不自由もない。
「ミロク、来週から魔術学院よ」
母に言われて思い出した。
日本と同じでこの国は充実した教育が与えられる。この国の男女は12歳から5年間無償で魔術学院に通える。そして17歳で成人して仕事に就いたり学業に勤しんだりする。
「そーだったね」
取りあえず適当に返事する。
うちが住むセリンデブル王国には魔術学院が6つある。
・王都ワイトパレスにあるパレス学院
・海路貿易都市ノトンにあるジェネブル学院
・陸路貿易都市サズベルにあるジュラネル学院
・第1ダンジョン都市ルーベにあるルーベルン学院
・第2ダンジョン都市ポニラルにあるポニラ学院
・前王都ダークキャッスルにあるルーク学院
の6つだ。この国の11歳の子供は6つの学院の何れか選んで12歳になったら通い始める。うちが通うのは王都にあるパレス学院だ。理由は家から一番近いから。
友達できるかな?
うちは知らない人と話すのが大の苦手だ。12歳になった今でも家族以外で話すのは師匠とサラくらいだな。
少し短いですね。
お話が進むにつれてだんだん文字数が増えていくと思いますが。
誤字脱字はチェックしましたがあれば指摘お願いします。
一応、1週間に1話は出すつもりです。
気分によってはもっと頻繁に出すかもしれません。
よろしくお願いします。




