第5話 東京奪還(1)
フィスとダイスは黒円を見上げ絶望する
さっきの2体よりも格が違う、圧倒的恐怖が今目の前に降りてきている
《お前らか、突如現れわしの邪魔をするものは》
恐怖が込み上がる立っていられない程の恐怖、それが明確な膨大の殺意をこちらに向けている
《その武器...そうか、あやつの仕業か余計なことをしよる。なぁ適合者共よ、何故我らの邪魔をしに来た?大人しく滅ぼされていればいいもののしゃしゃり出てくるから無惨に死ぬのだぞ?それも分からぬのかここの下等生物は》
不敵に笑いゴミを見るかのような目でこちらを見る
《なにか言ったらどうだ?弱者よ》
そう言いなが化物は右手を振り上げフィスを狙う
「(まずい...来る)クッ!」
咄嗟に斧で攻撃を防ぐが耐えきれず吹き飛ばされる
「ガっ...ヴォエエエ!!」
「フィス?!」
ダイスがフィスの下へ向かおうとする
《煩い、静にせんか》
ダイスの前に化物が突如目の前に現れる
「な...なんで...」
《さっきの戦いを見ていたが未だ遅いぞ、小童が》
ダイスも遠くに吹き飛ばされてしまう
圧倒的力量差、太刀打ちすることも愚か攻撃すら避けられない
《冥土の土産だしかと聞くが良い、わしの名はAltairこの星を滅ぼしに来た、下等生物よわしの成長の糧となれ!》
Altairはフィスの下へ歩みトドメを刺そうと頭に手をかざす
「(あー、死ぬのか?こんな無様に?あんなカッコつけといて死ぬのか、馬鹿馬鹿し...あぁ、生命力が吸われてんのか?考えんのもキチィ....でも、こんな無様には死にたくねぇ)ははっ!」
《(未だ意識があるか)何がおかしい、今際の際だと言うのに》
フィスがAltairの右手を払いのける
「邪魔だぁ!」
たどたどしく立ち上がる、その目はまさに狂気そのものだった
「俺はなぁ!こんなとこで死んじゃいけねぇんだよ!適合者とか分かんねぇけど、これだけは言える、お前は俺がぶっ潰してやらァ!」
《クソガキがやってみろ、どの道お前は死ぬのだ》
「何が根拠でんな戯言言えんだよ」
《本当に馬鹿なのだな》
Altairは笑いながら口を開く
《これが見えるか?》
空中に地球が浮かび上がる
「それがどうした?時間稼ぎか?(地球?何の意味が)」
《それもあるが、ここを見ろたしかここは東京といったな?わしの担当エリアはここだ、この黒円は我らの行動範囲を示しておる》
「随分とペラペラと余裕だな!」
フィスが攻撃を仕掛ける
勢いよく力任せに振らず速さを利用し振りかざす
《そう焦るな、最後まで相手の話は聞かんか》
笑いながら受け止められてしまう
《この行動範囲はな生命力により広がる、ここで感づいたか?》
「まさかとは思うが、お前最初に向かわせた敵は全員じゃないってことか?」
《下等生物は下等生物でも全員がバカとうわけでは無さそうだな、そうだあれが全部ではない、お主らが倒したのは一部のみ》
フィスの顔は怒りと憎悪を纏う
《いい顔だ、そしてだここは人が多いつまり、わしらの行動範囲が広がるのも早くなる、しかもメリットは他にもある》
Altairは上を指差す、そこには黒円が浮かんでいるが、先ほどと様子が違う
さっきよりも早く強く今も段々と成長してるように感じる
「(成長してるのか....?)まさか、あの中からまた敵が出てくるってのか?」
《半分正解で半分不正解だ、敵は出てくるがそれは新手じゃない復活したわしの配下だ、時間により徐々に回復する、生命力を奪えば奪うほどその時間も短くなる》
「そういうことか(まずいことになったな、おそらく雑魚兵が先に復活するだろうが戦いが長引けば3体の幹部が出てくる、つまり下手すりゃ4体1になっちまう)」
フィスの顔には焦りが、Altairの顔には余裕の笑みが浮かぶ
《復活まで1分程度、それまで逃げれたとしても疲弊していたら相手すら出来ずそれは無惨に...ふふふ》
「俺がお前を時間内に殺すかもしんねぇだろ?これのからくりは知ってんだ、お前を殺せば止まってな、全部」
《戯言を、お前は何を学んだ?わしに攻撃が通っていないのだぞどう攻撃を当てる?当てる手段がないなら死んだも同然だろう?たしかにわしを殺せば全て消滅はするが、もとの命は戻らんぞ?》
2人は黙り込む静寂が続く中、フィスが仕掛ける
「ごちゃごちゃうるせぇ、踊ろうぜ?どっちが死ぬだろうなぁ!」
戦いの火蓋は切って落とされた
――残り0:59
《また戯言を片手で受けられる攻撃なんぞ意味がないだろう?》
「どうかな」
目の前からフィスが消える
《(その大きな斧を持ちながらスピードもあるのか...)興味深いな》
Altairの後ろから影が現れる
「背後がら空きぃ」
笑いながら首を狙う
《惜しいな、こいターイル》
Altairの左手が輝く、そこに現れたのは羽がついた槍だった
「まじかよ」
フィスの攻撃は槍によって阻まれる
《誰がいつ、武器はないと言った?決めつけは良くないぞ?》
「お前もな」
フィスは斧の勢いを利用し体を浮かす、そしてAltairの顔面に蹴りをいれる
《ほう、いい蹴りだ》
「これで攻撃は通ると証明されたぜ?Altairさんよぉ」
《面白い、面白いぞ人間!!ここは未だ捨てたものじゃないな!ある程度強い人間は生け捕りにしコロシアムでも開こうか?!なぁ楽しそうだと思わないか?》
高笑いしながら喋る
「(こいつ俺と同じハイになってやがる)思わねぇな」
《そうか残念だ、そういえばお主名は?》
「冥土の土産に持ってけフィス、炎・フィスだ」
《そうかフィス、ここで死ね》
――残り0:30




