海のお城 第3話
最終回です。
艶姫様はわたくしを気に入り一晩泊めて下さることになりましたの。
その夜わたくしが眠りにつこうとした時です。
「失礼致します。」
鈴音がやってきました。
「艶姫様がお呼びです。」
わたくしは鈴音に艶姫様の部屋に案内されました。こんな夜に何の用がおありなのでしょうか?
部屋に着くと鈴音は「失礼致します」とだけ言って部屋を出ました。
天葢付きのベッドに高級ソファーにテーブルに金の壁、天井からはシャンデリア、といった広い部屋にはわたくしと艶姫様だけが残されました。
「さあ、こちらにいらっしゃい。」
艶姫様はソファーに座ってわたくしを手招きします。
わたくしは艶姫様の隣に腰掛けます。
「貴女のような可愛い方が来てくださり嬉しいわ。今夜はずっと妾と過ごそう。」
艶姫様は宴の席と同様にわたくしを膝の上に座らせ唇を重ね合わせてきます。
「顔を真っ赤に染めてなんと愛らしい。」
唇を放すと艶姫様は耳元で囁きます。
艶姫様の美しさに酔っていたその時でした。
(嘘でしょ?!)
ベッドの上に足のようなものがあります。
(まさか死体?!)
「艶姫様、わたくし部屋に戻ります。」
わたくしが立ち上がろうとした時
「駄目よ。今夜は返しませんことよ。」
艶姫様に背後から抱き締められました。
わたくしはベッドの上の足をゆっくり目でおっていきます。
「あらあら、ベッドが気になるのね。」
艶姫様はベッドの天葢のカーテンを開けます。
「きゃあ!!」
案の定ベッドに横たわるのは少女の死体でした。
「彼女は妾の役に立ってもらった。次は貴女の番じゃ」
艶姫様は水神で人間の少女の血を喰らうことで永遠に美貌を保っているのでした。
まあ怖い夢を見たですっって。お姉様は優しい言葉をかけて下さるのね。でも夢ではありませんわ。
ではどうしてここにいるかって?さすがは成績優秀なお姉様。勘が鋭いですわね。
わたくしに艶姫様はこんな話を持ち掛けてきました。
「貴女の可愛らしいお顔に美しい声、喰ってしまうのは勿体ない。こういうのはいかが?貴女は妾に美しいと思う少女を献上する。そしたら妾と永遠にここで暮らす。年を取らずにその愛らしい姿と美しい声を失うことなく永遠に。」
美しい方といったらお姉様以外検討もつきませんわ。美しく学校の成績も優秀、おまけに宮家の婚約者がいるお姉様なら艶姫様も喜ぶでしょう。
まあ、お姉様。立ち上がってどちらへ?まあ、もう帰るですって?外は大雨ですわ。もう少しいましょうよ。お姉様どうされました?急に眠気?当然ですわ。紅茶に睡眠薬を入れておきましたから。まあ、ソファーの上で眠ってしまって。寝顔も美しいですわ。
艶姫様、お姉様を献上致しますわ。
お姉様、ごめんなさいね。悪く思わないで下さいね。だってわたくし達の関係は女学校を卒業すればおしまい。お姉様は宮家のご子息に嫁がれてわたくしの事は忘れてしまう。
でも艶姫様は別。わたくしを裏切らない。永遠に愛して下さる。これからは艶姫様と永久に暮らしますわ。
ごきげんようわたくしを裏切ろうとするお姉様。
FIN
また思いついたら書くかもしれませんがここで1回切ります。




