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近代乙女怪談物語集  作者: 白百合三咲
14/18

七色マーメイド 第3話

 れいかは歩きながら少女と話す。

「貴女、あまり見かけない顔ね。」

「最近引っ越してきたばかりですの。」

彼女は姉とこの辺りにやって来たという。

「こんな雨の中どうして海に?」

「私のせいなんです。」

少女は自分が貝殻を拾いたいと言ったら着いてきてくれたと話す。

「だって綺麗な貝殻が波に流されてしまいそうで。」

雨の中二人で海岸を拾っていたら突然いなくなったという。

(まさか)

再び祖母の話を思い出す。彼女のお姉様は人魚の姉姫達に連れて行かれたのでは?そんな想像が脳裏を過る。

「着いたわ。」

二人が話している間に海岸へと着く。海岸にはお姉様らしき人はいない。しかし女性の人影が5人見える。彼女達は皆短髪で袴を履いている。全員緑色の女袴で振り袖はそれぞれ違う色だ。左側から青、赤、黄緑、黄色、桃色。

「嘘でしょ?!」

れいかは走って逃げようとする。

「どこへ行くの?」

れいかは少女の腕を捕まれる。

「お姉様達が見つかったの。貴女にも紹介するわ。」

少女は物凄い力でれいかの腕を引き摺る。

「痛いわ、離して。」

れいかは叫ぶ。 

「良くやったわ。」 

「これで私達の妹ができるわ。」

お姉様達はれいかの周りを取り囲むとそのまま海の中へと連れていく。




 その頃水無月家では。

「お婆様、まだお姉様はお帰りにならないのかしら?」

れいかの妹のことのが姉の帰りを待っている。

「雨で足元が悪いのだろう。もうすぐ帰ってくるよ。」

「私見てくるわ。」

「駄目じゃ!!」

祖母が鋭い口調で止める。

「雨の日は絶対に外に出てはいかん。人魚の姉姫達に連れていかれるぞ。」

「ねえ、お婆様。そもそも姉姫達は6人で歩いてるのでしょ?ならば見かけたら目を合わせなければ大丈夫だし、魔女に声を取られたなら話せないから事前に避ける事だってできるはずよ。」

「それがそうもいかんのじゃ。姉姫達が魔女に渡したのは美しく長い髪じゃ。話せるし普通の人間とは見分けがつかん。」




                   FIN

                 

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