受付も学生さん
ただの雑談会なのに地味に長くなった。
最近プロセカ(音ゲー)、4本指でやっているせいか親指が下手になってきた。エンドマのextraもクリア出来んレベル。
この小説は気分が乗った時に書いて一切宣伝もしてないので前書きが自由帳と化してます。
「受付には一応僕も同伴するよ」
「はーい」
そう言って僕とお兄ちゃんは"オーリア学院 入学試験受付"と書かれた看板が立っている所へ向かう。
僕と同じように、試験受付の所へ向かっている人が何人か居るのが見える。同じ受験者?なんだよね?
門をくぐるとそこには大量の人が居た。厳密には子供だね。その近くに大人だったり兄弟かな?そんな人たちが居る。ワイワイガヤガヤ、人がたくさん集まっているせいでとても騒がしい。
それにしても…多くない?
「こんなに居るんだ」
「これぞ名物って所だね。毎年こんなんだよ?…にしては、多い気がするけどね。たまたま今日が集まっただけかもしれないよ」
「あ、そっか。そういうこともあるのか」
「うん。そして、見ての通り数が多いから20個の受付場所が設けられているのさ。そのどこにでも並んでいいから…向こうに行こっか」
「はーい」
お兄ちゃんについていき、一つの列に並ぶ。…多いなぁ。前にも沢山の人、横にも沢山の人…人酔いしちゃいそうだねー。
「……ん?」
「おや、どうしたのかな?」
「…なんでも、ない?…気のせいかな?」
誰かに見られている気がしたんだけど……
「そう?何か気になる事があったら聞いてもいいよ?まだまだ時間はかかりそうだしね」
「んー、特にないかな?強いて言うなら、受付終わった後にこの国を見て回っていい?」
「いいとも。ただし僕もついていくからね?」
「うん、お願い。お兄ちゃん居ないと迷子になっちゃう」
「広いからね〜。それもあるし、一番めんどくさいのが人攫いさ」
「っ!人攫い?」
のほほーんとした雰囲気の中いきなり出てきたね!物騒単語君ー。
「そっ。この学院を入学しようとする生徒は人間、亜人なんだよ?そこに平民とか貴族とか商人とか関係ない。でも、この学院ではそういう身分というのは無くみーんな平等とされているのさ。でも、貴族は貴族なんだよ。
人攫いは貴族や金を持っていそうな子供を攫って……どうなるかは言わなくても分かるよね?」
「…うん。分かるよ」
僕だってこれでも貴族なんだ…そういう知識は教えられている。
「あと、可愛い女の子も攫われるね」
「…理由は言わなくてもなんとなく分かるよ?」
「おや、知ってるのかい?言ってごらん」
「え…」
「んん?顔を赤くしてどうしたのかな?ほら、言ってごらん。分からないのならお兄ちゃんが教えてあげよう」
「そ、れは…人攫いがか、可愛い女の子を攫う理由は………」
「理由は?」
ニヤニヤとしながらそう言ってくるお兄ちゃん。…うー。
「…わー!無理!言えない!」
今はそういう方面の事を口にするのが恥ずかしいよ…
「そうかそうかー。言えないのか〜、ならお兄ちゃんが教えてあげよう。それはね」
「っ!」
お兄ちゃんが何かを言う前に僕はお兄ちゃんの股間に鮮やかな蹴りをお見舞いした。鶏が締め殺された時のような声を出しながらお兄ちゃんが悶絶してダウンしたのを確認する。
「よし」
「り、理不尽…」
「お兄ちゃんが悪いからね」
「べ、別に言うことは恥ずかしくないんじゃないかな?」
「お兄ちゃんはそうでも僕はそうじゃない!」
うぅぅ……顔が熱い気がする。
「すぐに、慣れると思うけど?」
「そんな簡単に慣れたら僕も苦労しないんだけど…」
「ははは、大丈夫。嫌でも慣れるさ」
「そう?」
「うんうん。なんならこの国にそういうお店あるよ?」
「え"…」
逆にあっていいの!?そういうのって、普通大人がいる国しかないんじゃないの?
「フィグラはサキュバスって種族知ってるかな?」
「え、うん。知ってるよ?」
「その子達のためでもあるね。確か精気が無いと生きていけないからねー。それに、男子生徒の発散、教職員の発散とかもあるね。教職員は…まぁ、ちゃんとした大人の店があるけどね」
「へ、へぇ…」
「まぁ、基本的に高いけどね?」
「ん?なんで高いって知ってるの?」
「僕の友達がそう言ってきたんだよ…発散できたけど失うものが高かったって」
「そうなんだ」
「ちなみに居るのはサキュバスだけじゃないからね?
多種多様な種族が居るからあれだ、バリエーション豊かってやつだね」
「……なんて返しをしたらいいのか分かんない」
「フィグラにはまだ早かったかな?」
「そうだね、うん、そうだよ」
「あ、そっか。フィグラには先約が居たね」
「…?先約?」
「おや?そんな関係じゃなかったのかい?」
「…え??本当に分かんない」
「おや……それは可哀想だね」
お兄ちゃんが誰の事を言っているのか本当に分かんないや。先約って…僕にそういう人は居ないんだけどなー。女の子友達なら一人いるけど、別に付き合ってるわけじゃないし。
「まぁ、忘れていいよ。それより、あと二人だね」
「え?…あ、本当だ」
気づけばあとちょっとだけだった。…並んだ時はめっちゃ人いたのに、早いねー。それだけ受付をしてる人が優秀なのかな?一体誰なん……制服?
「ねぇ、受付って学生なの?」
「そうだよ。ああいうことに得意な生徒がやっているのさ」
「ずっと?」
「まさか。ずっとは死んじゃうよ…交代制だね」
「へー、これを来月まで?」
「そうなるね。でも人数が多いし、有志でやってくれてる人が沢山いるから人手が足りないって事はまず無いね。まぁ、それでも大変だろうけどね」
「この数だもんね」
「えぇ、そうですね。お待たせしました」
「「あ、すみません」」
前から聞こえてきた声に反射的に謝ってしまった…前を向くと先ほどまで居た人たちが居なくなっており机と一人の女子生徒が座っていた。机には一つのペンと2枚の紙が置かれている。そして僕側に一つ椅子が置いてある。ん?2枚?それだけでは足りないんじゃないの?まだ後ろに人は沢山いるし…
「椅子に座ってください」
面接を思い出すようななさないような単語……もうあやふやな記憶になりかけてきてるけど、なんか体の感覚?が覚えてる感じがする。
「はい」
少し緊張しながら僕はそっと椅子に座る。
「こちらの紙に名前、性別、何処から来たのか。そして、試験開始までの滞在場所に加えて誰にお伝えすれば良いのか書いて下さい」
「はい」
名前はフィグラ・アルフレッド…性別は男っと、少し力入れて書いとこ…何処から来たのか、はアルド村。試験開始までの滞在場所と誰に伝えれば……えーと。
「滞在場所は今頃宿なんて空いてないだろうし、僕の寮にするよ。フィグラ、3棟目の317で僕に伝えるようにって書いて」
「分かった」
寮なんだー。…寮の3棟目の317?どんだけあるの?
「…よしっと。はい、これでお願いします」
「分かりました。…男ですか?」
「はい」
「……???」
案の定だね。
「男です」
「…失礼しました。これで受付は終わりとなります。試験開始までこのニュートラルを楽しんでください」
「ありがとうございました」
お礼を言って席を立ち離れる。はぁーー、緊張した。
「お疲れ様フィグラ。あとは本番だね」
「…うん。頑張るよ」
絶対に合格してみせるよ。
「じゃあまず、滞在場所である寮の僕の部屋に行こうか」
「はーい」
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